[地域おこし協力隊 × 図書室]たった半年で何ができるか
ー図書室の地域おこし協力隊って何してるの?図書室・図書館を町づくりと絡めてできること。 #小さな町の小さな図書室 ー
2021年4月に地域おこし協力隊に就任し、社会教育と図書室運営に携わりはじめて、早半年。(気分的にはもう2年くらい経った気がしてます…生き急いでいる😂。)
ここに辿り着くまでの経緯はこちら💁🏻♀️
図書館に勤める地域おこし協力隊も増えているように見えます。どこかで参考になるかは分かりませんが、自分の記録も兼ねて半年間で実現できたことをレポートしたいと思います。最初の記事から半年分のレポートということで、ちょっと長くなりますが💦良ければ是非お付き合いください。
コロナ禍まっただなかという環境
まず環境の記録から。
コロナ禍まっただなかで、ずっとマスク生活の中で迎えた新天地での活動はなかなか辛いものがありました。顔を覚えられず大変。飲みニケーションどころか人とご飯に行くことも、新しい出会いが生まれただろう大人数集まるような場も激減。小さな町の小さな図書室はとても狭くて通常営業は不可。(予約制、人数規制したうえで開館していますが、利用者は激減。)嘆いていても仕方ないので、この難しい時代だからこそ必要とされてること、私にできることを探しました。
ミッションは図書室×町づくり
地域おこし協力隊@図書室の業務には、もともと募集要項で提示されていたミッションがあります。
ここを目指しているので、まずは図書室の利用者、せめて図書室に興味を持ってもらえる人を、「本好きの人たち」から「町民みんな」に広げる必要があります。何をするにも出来るだけ町の人を巻き込むこと、繋がっていくことを念頭において活動しました。
① 情報発信の開始
まずコロナ禍でもできる外へのアピールとして、インスタグラムで図書室公式アカウントを開設しました。
就任直前の利用者アンケート、20代からの返答はゼロでした。若い世代の利用が極端に少ない。高齢社会な町の人口比率的に若者が少ないので、当たり前っちゃ当たり前なのですが。
就任前に情報発信まで手が回っていないことも課題だったと聞いていたので、活動アピールも兼ねて、図書室のインスタ・協力隊のFB・町の広報紙(なんと全戸配布!)と、いろんな媒体を用いてなるべく取りこぼしなく町民全員に届けられるように意識をして、情報発信に努めています。
この情報に溢れた社会の中で、埋もれてしまうこともあると思います。情報発信の"プッシュ型とプル型"の意識も片隅にあります。(最近よく耳にするようになったというだけで、今までそんなオシャレーな言い方は知りませんでした。)
古本市の開催や緊急事態宣言中の開館日変更など、効果的に押し出すべき(=Push)内容はインスタグラムやFB、全個配布のチラシなどを活用。
開館日や予約方法など、町の皆さんが必要だと思った時に見つけてもらいたい(=引き出す、Pull)内容は町のHPやインスタのストーリーのまとめを使うなど、見てほしい人に届くようにように意識しています。
② 緊急事態宣言中の大整理大会
緊急事態宣言が出ると、公共施設な図書室は、公民館ごと閉まってしまいました。しかしこれがチャンス!とばかりに大々的な棚の整理を行いました。そもそも今まで運営は1人で(今もひとりで、窓口業務で手一杯です。) 館内整理日となる休館日はなく、大量の除籍や並べ替えは不可能でした。そうなってくると絵本はぎゅうぎゅう詰めに入っていて取り出せない、新しく来た私は本を戻そうにもレファレンスしようにも探すのが難しい、そんな状態でした。返却本を戻すだけでも時間がかかってしまって仕方なかったので、配架し直し&棚整理は最優先でやるべき課題でした。
閉館中、助っ人もお願いし、おおかた並べ替えられました。完了には至らず、未だプライオリティが低かった絵本の半分と一部の棚は手付かずで、毎日モヤモヤしています。ここも解消できるように、時間と人手を生む工夫をしているところです。
③ 屋外イベント 古本とコーヒー "古本市" 開催
これは町が小さいからできたことではあります。町の人口4,000人に満たず、図書室の利用者を見ていても多くないことから、コロナ禍にも関わらず開催を決められました。(さすがに緊急事態宣言は出ていない時期でした。)
除籍本は普段から施設に置いたり、自由にお持ち帰りいただいたりしていましたが、大整理で大量に出た除籍本ははけきれませんでした。
例年は、公民館のお祭りで古本市と銘打って町民の皆様にお配りしていたと聞き、またそのお祭りはコロナで中止が決まっており、ならば今年は図書室主催で屋外で古本市を開こう!と提案し、私の所属元である教育委員会がサポートしてくれました。このご時世でイベントを開くことは容易ではないので、自治体がOK出してくれたことはとても大きかったです。🙏
コロナ禍でみんな引きこもりがちになり、楽しみも減り、コミュニケーションも減っていることに違和感を感じていました。感染対策を行い、それぞれが気をつけたうえで、コミュニケーションの場はつくれるんじゃないだろうか。そんな思いで企画しました。内容と結果については長くなりましたので別記事にします!
④ 図書ボランティアの活動開始
就任してすぐ立てた計画の中に、書庫となっている図書室の大改造計画があります。これを1人でやるのは難しく、できれば町の人たちとできたらと考えています。深く関わってもらえたら、図書室に愛着が湧き "図書室ファン" が生まれるのでは、、と淡い期待を抱いて、図書室ボランティア、略して図書ボラの活動を開始しました。
SNSやネットで見る限り、他図書館の図書ボラの活動は活発で、ボランティアなのにかなりの数が存在し、頻度もなかなかに高く、どうしてみんな活動をしてくれるんだろうかと考えさせられます。
そんな他館を見ていても、私は活動してもらったところで何も返せないし、得になることが無いし、お手伝いしてくれる人なんているんだろうか、、、という気持ちがありました。
しかし、自分もプライベートでは畑のお手伝いをやっていたので、気がつきました。本職じゃなく、お金をもらわないお手伝いだから、気軽で楽しめるものだと。それが好きなものに携わるもので、誰かの役に立てるものであればなおさら、楽しい趣味として活動できると。
募集するだけタダ!とダメ元で始めてみたところ、、、
すぐに10代の子たちが手をあげてくれました。図書室の雑務(雑務が立派な業務なのでとても助かります。)を楽しんでやってくれており、私は助かってばかりで本当にありがたいです。
いずれは子供たちがナナメの関係の大人と関われる場、異世代・異業種・いろんな人の交流の場にできたらいいなと思っています。私自身、10代と交われる機会はかなり少なくなっているので、町づくりの観点からもとてもありがたいです。
⑤ 広報紙面の改革
町に全戸配布(正確には全戸では無いですが、ほぼ。初めはこの時代に全戸に冊子を配っていることに衝撃を受けました。良くも悪くも。)の広報誌があります。その中の1ページを図書室で貰えることになりました!さらに2ヶ月に一度、回覧板に発行している図書だよりがあります。ネットを見ない世代が多いこの町で、この紙ものたちを図書室の利用者増に向けて、効果的に使いたいと思いました。元々図書室のヘビーユーザーや本好きの人は、これらを見なくとも来てくれるからです。
図書だよりはボランティアさんが本の紹介を書いてくれます。本の紹介が多くても本に興味のない人は読まないだろうと想定し、私はなるべく企画展やイベントのお知らせや、新刊の紹介を、出来るだけ目を引くように書くことにしました。デザインも一新しました。ここに関しては回覧板ということもあり、視聴率がすこぶる悪いと感じています。まだまだ改善の余地あり、発展途上です。
全戸配布される広報誌では、町の人にインタビューに行く企画を始めました!しかも、インタビューされた人が次の人を指名するテレホンショッキング形式!これも面白くなってきているので、もう少し回を重ねてから別記事にしようと思います。
まだ3回分しか発行できていませんが、既に広報見てるよー面白いね!と町の人に声をかけてもらえるようになりました。とても嬉しいことです。図書室の新規利用者獲得という真の目的については、今後じわじわ効いてくると信じています。
⑥ 利用者の小さなニーズに応える。ネット予約開始、こどもカード開始。
コロナ対策として、狭すぎる図書室は予約制で開館しています。ずっと電話での予約のみでしたが、ネット予約を開始しました。こちらもまだスタートしたばかりで上手くいかないところもあり、改善の余地ありですが、、、。
実はこのネット予約は、外部のシステムを使わなければならないという点で行政としてはハードルが高いと思っていました。しかし実際はやってみると関係各所がどんどん後押ししてくれました。行政だしダメかも、大変そう、と思わずに、とりあえず踏み出してみるのも大事だなと改めて肝に銘じました。(理解ある同僚・上司の存在、事前の話し合いや相談、必要性のプレゼンは必要要素だと思います◎)
またこども用の貸し出しカードも始めました。「子どもが絵本を沢山借りたがるので、読みたい本を借りられない…」という親御さんの声が聞こえてきたからです。利用者カードは6歳から作れたので、6歳未満の子達に自分のカードを作れるようにし、5冊まで借りられるようにしました。人生初の利用者カードをゲットした彼らはとても嬉しそうです。すぐに5冊決めて、家族の誰よりも早くカウンターに持ってきてニコニコしている姿を見て、良い施策だったなと思っています。
さらに!カードのデザインは町の小学生に絵を描いてもらいました。
町のお姉さんお兄さんが描いてくれたカードはとても素敵です。自分より年下の子たちのカードになると知って、お姉さんお兄さん気分になれた小学生たちも、自分の絵がカードになったことで図書室と距離が縮まったと……信じています!
小さな図書室、利用者との距離が近い図書室はメリットもデメリットもあります。なので利用者にはメリットは最大限受けてもらいたいです。小さなニーズに応えてくれる図書室にできたら、ファンを増やせたら、と思っています。
半年経ってまだできていないこと、今後の野望。
書くまでは気付きませんでしたが、こうやって書き出してみると半年でだいぶ動いたなぁという感じがします。(サポートしてくれた課の皆さんと助けてくれた町の皆さん、そして自分にも拍手👏)
これはMAX3年という制限時間があるから、そして1年の早さを知っているから、生き急いでるなと思います。
本当はもっとゆったり余裕を持って生きたいので、実はドタバタしてる自分が嫌になることも多々😂。しかし社会教育✖︎町づくり✖︎小さな町の小さな図書室、という面白い環境のおかげで、やりたいこと、まだできていないこと、が山積みだから、嫌でもせかせかしてしまいます。というわけで今後やっていきたいことは👇
いや山積み😂😂😂
さ、あと半年後に一年レポートを書くとします!この中から何が実現できているでしょうか。
ここまで文字ばかりで長くなってしまったのに、読んでいただきありがとうございます!ぜひ見守り、助言、喝、励まし合い、お願い致します。☺️
こんな風に行動を起こす時に思い出す一冊は『嫌われる勇気』。変えられないことは受け入れる、変えられるものは変える勇気を持つ。この言葉はいつも心にあります。
(ちなみに嫌われる勇気はタイトル嫌いして長年避けていましたが、読んでどっぷりでした、食わず嫌いしてる方はぜひ。)
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