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10月13日 夢の舞台 #夕陽海彩のひとりごと

お久しぶりです、夕陽海彩です。
また忙しさにかまけて更新が空いてしまいました。

今日は、私が脚本家を務めた、学祭でのミュージカル公演のお話です。
何それって方は、こちらからどうぞ。


満員御礼、夢にまで見た景色

本番は、大成功。

小さなアクシデントこそあれど、誰も何も、大きなミスはなかった。
役者は演じきり、劇中歌を歌いきった。
楽器隊は、すべての演奏を良い音色で終えた。
音響、照明、裏動線も、トラブルなし。
心配された電波関係も、無事だった。

お客さんの入りは、会場の外がパブリックビューイング状態になるほどの盛況。
開場直後、当日券に全く人が来ない、なんて言っていたのが嘘のようだった。

終わってしまう

カーテンコール、キャスト総礼。
舞台上で拍手を聴きながら、噛み締めていた。

無事に、終演した。
みんなで創り上げてきた公演は、成功したのだと。

そして、終わってしまうのだと。

もう二度と、このメンバーで舞台に立つことはないのだと。

最後の場面に近付くにつれ、思っていた。

この時間が、終わらなければいいのに、と。

ずっと、夢の舞台に立っていられたらいいのに、と。

舞台という名の、夢の中の真実。
その世界に、ずっと生きていられたらと思った。

脚本家として

手探りのスタート

振り返れば、脚本打ち合わせから半年以上、公演のことを考えてきた。

最初は手探りだった。
書くこと自体というよりも、脚本家としての在り方に、迷っていた。
監督・演出メンバーとの距離感、役割分担。
何もかも、ひとつひとつ試行錯誤しながら。
私なりの、脚本家としての在り方を模索した。

稽古場は別世界

初めて、舞台を使って役者陣の稽古をした時には、感動した。

私が書いたものを、役者が演じている。
目の前に、私が紙に描いた世界がある。

そのことが、夢のようで。
信じられないほど、最初の感動は大きかった。

それからは、主に役者陣の稽古を見て、
自分も参加しながら、脚本の改訂を重ねた。

みんなが居てくれたから

脚本を書かせて頂くと決まった時は、
「公演が終わった時、私が脚本家で良かった」
そう思ってもらえる仕事をすること。
それが目標だった。

でも、気付けば私は、
「みんなが居てくれて良かった」
そう思っていた。

全部門を取り仕切り、現場の空気感自体を引っ張ってくれた総監督。
裏方仕事をすべて引き受けてくれた、総括。
それぞれが自ら色々な提案をして、より良い芝居にしようと意見を出し合ってくれた役者陣。
全ての曲、効果音、音量のリクエストにまで応えてくれた楽器隊。
その楽器隊のために、使う曲が決まるといち早く作業をしてくれた編曲班。
演出上の無茶を沢山聞いてくれた音響照明。
買い出しと制作に駆け回ってくれた美術部門。

みんなの存在がなければ、私は脚本家ではいられなかった。
みんなが居てくれたから、そして私の脚本を認めてくれたから。

みんなの存在に、心から感謝した。

夕陽海彩のこれから

脚本家としての仕事は、これにて一旦終了。

私もまた、一介の音大生、そして作家志望者に戻る。

これから、何をするのか。

まずは、放っておいた課題、ピアノ、やらねばならないことはある。

でも、この公演を、「夢のような舞台だった」だけで終わらせたくはない。

必ず、何かにつなげたい。
何かに活かしたい。

それがなんなのか、今はまだ分からないけれど。

私はこれからも、音大生として、夕陽海彩として、少しずつでも前に進んでいく。

この舞台は、成功した。
でも、それだけで、満足して終わらせたりはしない。

輝くような思い出を胸に、新たな道に踏み出す。

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