[着物でお出かけ] 新春を寿ぐお能鑑賞へ
今年も新春を寿ぐ、お能鑑賞へお出かけしました。
演目は、素謡「神歌」・狂言「清水」・能「紅葉狩」。
まずは、素謡による荘厳な祈りの言葉が、会場全体を包み込み、神聖な空気に満たされました。
能楽の演目「翁」を、能面や装束を着けず、謡のみの形式で上演される時に「神歌」といいます。単なる芸能ではなく、人々が神々とつながり、平和や豊穣を願うための大切な儀式。演者だけでなく、観客も神聖な場に立ち会うという意識を持ち、共に祈りを捧げます。
続いて、「清水」では、主人から「お水を汲みに行くように」とお使いを頼まれるという、日常の出来事を題材にした演目。お使いに行きたくない主人公の男が、嘘を重ねる様子がコミカルに展開され、人間らしい心の揺れ動きがとても面白かったです。
そして、「紅葉狩」です。晩秋の戸隠山を舞台に、平維茂が美しい女たちに翻弄される物語。宴でたくさんお酒を飲みすぎて、眠りに落ちてしまうというシーンでは、幽玄な笛の音と、太鼓のリズムが心地よく、まるで月の光に包まれているような感覚。私も一緒に眠りに落ちてしまいそうでした(笑)が、神剣を手にした平維茂と鬼との激しい戦いになると、一転して、会場全体が緊迫感に包まれ息を呑むほどの迫力、会場全体が見守る中、最後の鬼を倒した後の静けさが印象的でした。
お着物は、控えめな付け下げに、フォーマルの袋帯、白の帯締めで、神聖な会場の雰囲気に合わせて選びました。
2025年も、心穏やかに過ごせますように。