見出し画像

親友と1年半会えていない

コロナウイルスが感染拡大して自由に外出することができなくなったのは2020年の確か2月頃から今まで続いている。1月には成人式に出た覚えがあるのできっとそのあたりからコロナウイルスが日本で感染し始めた。2020年、こんな想いは一生したくないなと絶望した1年だった。2021年、もう8カ月が過ぎもうすぐ9月になる。相変わらず、東京に住む親友とは会えずにいる。

私は現在私立大学に通う4年生である。生まれも育ちも東北であり、親友も高校卒業まで東北の地で暮らしていた。高校からの親友である彼女は、大学進学を機に上京。私は地元に残り、通話の最後には必ず、それぞれの場所で頑張ろうねと励まし合うそんな仲だ。東京と地方といっても新幹線で2時間半もすれば行き来できる距離感だと、気軽に会いに行けるし、親友も気軽に帰ってこれる。そのせいか、大学1,2年生の頃は2~3カ月に一度直接会う機会があった。私が東京に行くことがあれば、彼女が地元に帰ってくることもあった。日々の不満や、くだらない話、彼女にしかできない話が沢山あった。2020年春、彼女の家族全員の上京が決まった。彼女の父親の転勤がきっかけだった。もう地元に帰ってきても泊まる場所ないね~なんて話をしながら、引っ越しの作業を手伝った。2020年春、それ以降彼女に会えず1年と半年の月日が経った。勿論、予定が合えば通話をしたり、毎日少ないやり取りだがLINEをしたりはしているし、連絡をとろうと思えばとれる。だけど、会って話をしたり会って同じ景色を見たりしたい。そう願うことすら、悲しくなってくるほど今は沢山の願望に妥協を重ね、何とかやり過ごしている。

どうしてこんなにも虚無になるのだろうと考えた。多分妬みだと思う。大学の友人が高校時代の友人と飲んでいたり旅行に行ったりただ会ったりしてる様子がインスタでは沢山見かける。自分のことだけではなく(もちろん自分がコロナに罹りたくないという気持ちはあるが)家族や周りの人のことも考え、今は会わないでおこうという苦渋の判断をした親友や私のような人間が数え切れないほどいるのに、偶然見かけたその友人達はなぜ普通に会ってお酒を飲んだり、カフェに行ったり景色が綺麗な旅館に泊まったりできるのだろう。そんな小さなことを思ってしまう自分も嫌だった。気が付いたらインスタのアカウントを消していた。

私は今大学4年生であり、就職活動中である。心にかかった負担がストレスとなり体調不良を起こし、初夏まで就職活動を休んでいた。今だに就職先が決まっていない。久しぶりに会った大学の友人は、大手不動産会社から内定をもらっていた。内定者懇親会という言葉を聞いて少し手が震えた。

先日親友とお互い散歩しながら通話をした。とにかく日本から出たいね、と言い合った。彼女は就職活動を始めてから早い段階で就職活動を辞めた。大学卒業後、看護学校に行くことを決意していた。今まで出会った人のなかで一番尊敬できて、高校から今でも親友として仲良くしてもらっていることが本当に誇りだった。

結局私もなにを言いたいのか、何が嫌なのかはっきり分からない。毎日何となく生きている。こんな状況になっても外出をする人はいるし、こんな状況になっても自分のことしか考えられない人がいる。自粛警察の人に向かって、じゃああなたはコロナ渦になってから今まで一度も外出したことがないのかと言う人がいる。先日、報道番組で自宅療養をしている方の部屋に夜通し酸素吸引機を運ぶ医療従事者を観た。自分がコロナに罹る不安よりも、自分の使命を全うしたい気持ちが勝るなんてすごいなと思った。今最前線で戦っている人に、いつかなにか小さくてもいいから幸せが訪れてほしいし、私はそう願うことしかできない。

とにかく今は推しの映像を死ぬほど見て、心の空白を埋めている。だけど親友に会えないことで空いてしまった心の空白は親友でしか埋められない。ということに気づいてからは、推しを見てもうまく感情を高ぶらせることができなくなった。わたしにとって、推すという行為は生きがいになるかもしれないけど、幸せには繋がらない。じゃあ何が私にとっての幸せなんだろうと考えたとき、親友といる時間こそが幸せなんだと思う。

会えなくなって1年と半年も経てば、感情が起伏することを忘れ、会いたさの度合いも一定になる。でも、ふと親友の笑った声や顔を思い出すと涙が出そうになる。なんなんだこれまじで。今、森七菜さんの深海という楽曲を聴いていた。森七菜さんの故郷である大分のことや大分にいる友人のことを歌っているのだろうなと勝手に解釈していたのだが、今なぜか親友と過ごした日々を思い出しながら泣いている。勝手に感情を上乗せしてしまい申し訳ないくらい泣いている。

本当に早く親友に会いたい。最近推しのライブが決まった。私は推しより親友に会いたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?