白夜
クスリを
飲み忘れたんだ
なんて鮮やかで
真白な夜
ぬるま湯に
ひたる指先は
とうに麻痺している
身体を濡らすような
とっくに死んだ性も
ああ、
ボクは
懐かしい夜市で
おしゃべりをしてる
木遣りの声が
澄み渡る星空(そら)に
溶けてゆく、ねえ
となりにはキミがいる
新しい恋人なの?
帰りを待っているのに
決して
朝の来ぬ夜に
ボクは生まれて
避けようもない
風に吹かれて
こうして
朝のない星は
いつか砕けて
白いもやに溶けてく
アイスを
食べたいだけなんだ
なんて馬鹿げてる
唾棄すべき夜
いじわるな
キミと同居する
部屋の鍵はもう壊れてる
始まりも終わりさえも
交差点で行き交う
ああ、
キミと
仄白いだけの
「コノイセカイニイル」
たったいま歩いてる
眠れない理由を
教えてくれ、ねえ
目の前のキミさえも
脳幹のいたずらなの?
いま、ここにいるのに
決して
朝の来ぬ夜に
ボクは生まれて
避けようもない
風に吹かれて
こうして
朝のない星は
いつか砕けて
白いもやに溶けてく
この夜の始まりは
目覚めであり
そして
眠る、ボクは眠る
透き通るこの世界こそが
真実ならば
早く照らして
決して
朝の来ぬ夜に
ボクは生まれて
避けようもない
風に吹かれて
こうして
朝のない星は
いつか砕けて
白いもやに溶けてく