午後3時
雨あがり、雫、こどもの声
ここにいること教えたくて
水たまりに映す水彩画
描いてはまた塗りつぶす。
タップするたびピントがずれる
いまを切り取るの下手くそで
ネオンサインのキラキラも
まだ、暇を持て余してるよ。
わたし、
泣いてないのに、泣いてるみたい。
いやらしい男たちに。
眠りながら、息しながら
笑いながら、それでも待つよ。
きみに逢えたら、すぐに
汚れた川に
ゆっくりと沈んでいくの。
青葉の匂い、猫の子、鳩ぽっぽ
わたし以外の世界は回る
つま先で刻むきみの名前
消してはまた書き直す。
#をつけすぎて
言いたいことさえまとまらない
光る前の月がもやもや
まだ、何も始まってないよ。
わたし、
泣いてるのに、泣いてないみたい。
大嫌いな男たちに。
しゃがみながら、うつむきながら、
見上げながら、それでも待つよ。
きみに逢えたら、すぐに
深い湖に
ゆっくりと沈んでいくの。
黙りながら、こらえながら
唄いながら、それでも待つよ。
きみに逢えたら、すぐに
戻れない海に
ゆっくりと沈んでいくの。
(2020年5月4日初出。再掲載にあたり一部改編)
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