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yellow


懐かしいね ねぇ
使い捨てカメラの
シャッター押す

動かないで ねぇ
カリカリと音させて
フィルム巻く

こんな戯れでさえも
いつのまにか色あせるのかも
通り雨をやり過ごしてる
きみとシーツにくるまる

腐りかけのチーズみたいに
わたしとろりと溶けていくの
ここにいたことさえも
あとかたもなくて

だから、

yellowを、焼き付けて、いま
夏の光があふれてる

yellowを、焼き付けて、いま
残り少ないこの時を

すぐに消してしまえる
データなんかじゃないよ、わたし


終わったよ もう
寂しそうに笑うの
やめてほしくて

帰らないと もう
握りかえす手
ひんやりしてて

くもったきみの横顔
見えないわけは逆光?
たわいない遊びでさえもう
ダストボックスからこぼれそう

惨めな捨て猫みたいに
雨に濡れて歩いてゆくの
可愛がられたことさえも
あとかたもなくて

だから、

yellowを、焼き付けてよ、いま
夏の光があふれてる

yellowを、焼き付けてよ、いま
急にいなくならないように

お手軽な加工なんか
出来るわけじゃないよ、わたし


きっとね、こんな一日も
ありふれたカットのつなぎ合わせ
でもね、自分で選んで
こっそりしまっておくの

だから、

yellowを、焼き付けてよ、いま
夏の光があふれてる

yellowを、焼き付けてよ、いま
変な涙で滲むまえに

今日の思い出だって
すぐには確かめられないよ、わたし

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