ペコッターがこの先生き残るには
ペコッターとは、「チャットでお店の予約ができるアシスタントアプリ」である。アシスタントアプリといっても、予約依頼を受けたあと、人間が居酒屋に電話を掛けて予約するという泥臭いアプリでもある。
このアプリ、使った人の評判がむちゃくちゃ良い。
直近のAppStoreの評価では、4.8という数値をたたき出していた。
理由には、アプリのシンプルさや操作感の良さもあると思う。しかし、予約なんて上手くいかないこともあるわけで、通常はここまでの点数をたたき出すことはなかなかできないのではないだろうか。
そこで出てくるのは、この「ペコッター」のマスコットの「はらぺこくん」の存在である。
このはらぺこくんが、アプリのユーザビリティ向上に寄与している。
どんなときでもはらぺこくんが相手してくれる
予約をとるときは、当然のようにはらぺこくんが相手してくれる。
意味なく会話したくなる可愛さ。
アイコンもかなり豊富、全部かわいい。
はらぺこくんは謝らない
嘘ついた、はらぺこくんは別に謝らないわけではない。
しかし、徹底的なキャラ作りを運営会社は行っている。
例えば、先日ペコッターでアンバサダー制度が作られ、希望者にシールが発送された。そのシールの発送がかなり遅れてしまった。
普通の企業であれば、以下のようなメールを送ると思う。
納期が遅れておりまして誠に申し訳ございません。
御社に多大なご迷惑をおかけしておりますことを、
心よりお詫び申し上げます。
今回の納期が遅れました原因は、
注文数の想定を誤った結果と深く反省しております。
しかし、ペコッターだとこれである。
こんにちはぺこー!
いつもペコッター使ってくれて、ありがとぺこりー!
そして今回はアンバサダーシールのご応募ありがとうございましたぺこ♪
シールの配送が、遅くなってしまっていて、ごめんなさいぺこり。
応募が殺到していて、現在大急ぎでシールの追加発注中ですぺこ。
早くてもお届けに1週間ほどかかってしまう見込みぺこー。
お待たせしてしまって、ごめんなさいぺこ。。
もうちょっと待っててぺこなー
はらぺこ君より。
職業カスタマーサポーターとして、このメールはめちゃくちゃ痺れた。
ちょっとふざけている位ならまだ怒れる、揚げ足も取れる。クレームメールも送れる。しかし、ここまで全力でキャラ作りをしている人達に、しかもこの文体に何を怒れるのだろうか。
現代の傾き者としか言いようがない。
はらぺこくんが、大活躍する方法を考えてみる
そんなはらぺこくんにもっと活躍して欲しいので、自分なりの活躍案を考えてみる。最近コミュニティビジネスに興味があるので、そのあたりの案をひとつほど。
実は、ペコッターは一度コミュニティを作っている。
記憶が間違っていたら申し訳ないのだが、確かペコッターは最初はコミュニティサイトも運営していたと思う。地域やジャンルごとに食べたいものの希望を書くと、ユーザーが回答してくれるような仕組みのサイトだった。オーソドックスなユーザー交流サイトである。
当時からはらぺこくんはいたけど、草持って立ってるだけでそこまでのユーザーへの介入は無かったと思う。
このコミュニティ機能、いつの間にか無くなってしまった。投稿が集まらなかったのか、管理コストが高かったのか、いずれにせよ上手くいかなかったんだと思う。
このコミュニティ機能、僕も何度か投稿はしたんだけど、実はほとんど参考にできなかった。一番大きな理由として、「匿名の人からレコメンドもらうなら、食べログやぐるなび、個人サイトで十分だ」ということ。
もちろん食べログの評価を信じて良いのか、という議論はあるけど、少なくとも店ごとの集合知が集まっている、料理の画像もある。細かい説明もある。しかもある程度の検索はできるようになっている。それなら別にこっちでいいやと思ってしまった。
僕がペコッターに求めるコミュニティは、もっと、はらぺこくんがうっとうしいまでに主張して楽しませてくれる、オンラインサロン的なペコッターコミュニティだ。
オンラインサロンとは
オンラインサロンとは、カリスマ性のある個人が場を管理し、コンテンツを提供するタイプのコミュニティだ。
従来のコミュニティはユーザーとユーザーの交流が主だったので、その点で大きく異なっている。
ホリエモンや落合陽一氏、キングコングの西野氏のオンラインサロンなどが好評を博している。
ぜひカリスマ性のあるはらぺこくんに、バーチャルアイドルとして場の管理に挑戦して欲しいのだ。
ステップ1.オウンドメディアを作る
まず、はらぺこくんのカリスマ性を爆アゲするために、オウンドメディアを作って欲しい。オウンドメディアと言っても気取る必要は無く、孤独のグルメのようにコンテンツ性、テーマを持った飲食店にはらぺこくんが訪問し、食べてみた感想をいつもの口調で書いてくれればいい。
そして、ペコッターで予約した場合の特典提供や、店にはらぺこくんステッカーの設置など、ちょっとその店に行ってみたいな、予約してみたいなという特典を設置して欲しい。
ステップ2.感想共有システムを作る
店に行ったあとに、その店の感想を共有できるシステムを作って欲しい。
はらぺこくんぬいぐるみを販売か貸し出ししてくれて、料理と一緒に写真を撮って写真をアップしたい。
そうすると、ペコッターが飲食店への送客手段になっていく。
ステップ1の店選びのセンスが良ければ良いほど、みんなが幸せな気分になって、楽しい記事を書き、また飲食店に行く人が増えていく。
食べログのように、玉石混交の中から店を選ぶ必要が無くなり、この地域でゴハンを食べるならペコッターに載っているここに行く、という意識が生まれていく。
ステップ3.利用者同士のコミュニティ作り進める
ここまでくると、ユーザー同士でペコッターと一緒に楽しみたいという気風が生まれてくると思う。
「ペコッターで貸し切り!お店の生クリームたっぷりパンケーキを食べ尽くす」
「みんなでかき氷を食べて舌を真っ赤にする会」
「ペコッターユーザー限定、わんこそばに挑戦!」
ある程度人数が集まらないとできなくて、インスタ映えして、楽しそうなイベントを企画していく。もしくは企画するユーザーを支援していく。はらぺこくんも適宜参加して、ユーザー同士の交流の手助けをしていく。
「ペコッターの食イベントはいつも面白いから参加したい、あとはらぺこくんマジで可愛い」そんなブランディングを作り出して欲しい。
ユーザーは予約が楽しいんじゃ無くて、予約したあとに実際にゴハンを楽しむことが楽しいのだから、そこを貪欲に魅せ、訴求していって欲しい。
そうやって、目立てば目立つほど、予約代行についても知名度が上がっていって、労働集約的な体勢から自動化に向かって進められないかな。
本気で応援しています
架空のキャラクタにカリスマ性を与えるなんてこと、多分普通のキャラクタでは無理なのですが、はらぺこくんのブランディング能力(キャラクターに対する愛情と、徹底的なホスピタリティ)を見ていると、はらぺこくんならやれるのでは無いかと本気で思っています。是非がんばってほしいです。
ということで、アンバサダーとして記事を書いてみました。
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