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微生物の力が雪や雨を作り出す!?
1970年代初頭、米国の気象研究者は、物質の氷核活性を調査していました。
その結果、粘土などの無機物はマイナス15℃以下で氷晶を作り出すことがわかりました。
しかし、有機物の含まれる土壌や腐った落葉には、マイナス1~マイナス2℃でも氷晶を作り出す強い氷核活性があることも判明しました。
微生物の研究者はこの話を聞き、植物の葉や雪から分離された様々な細菌に氷核活性があることを確認しました。
特に、植物の葉に住み着き病斑を作るシュードモナス・シリンゲという細菌が強い活性を持っていることがわかりました。
これまでの知見を結びつけると、植物が森や農地で生育している際、菌が葉に付着し、エアロゾルとして空中に舞い上がります。
そして、雲に乗って長距離を移動し、氷核活性を利用して地上に戻り、雪や雨とともに新しい植物に感染し、広がっていくのです。
実際に、このような微生物やカビの胞子が、数千メートルの高さにある雲の中に存在することが確認されています。
近年では、微生物が降雨や降雪に与える影響が非常に大きいことが明らかになっています。
実際の気象に微生物が一定の影響を与えている可能性も考えられており、これについて真剣に研究が行われています。
氷核細菌だけでなく、微生物の活動が地球環境に与える影響を具体的に明らかにすることは、将来の重要な課題となるでしょう。