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字幕翻訳者が語る!まるわかり字幕で見る「ショッピング王ルイ」

こんにちは。「ショッピング王ルイ」のまるわかり字幕を担当したチャンと申します。私が初めて字幕翻訳の世界に足を踏み入れたのは今から数十年前。「チキンを2羽ください」というセリフを「チキンをください」と訳すようにとチェックが入ったことを鮮明に覚えています。

字幕翻訳のルールは1秒間に4文字。このルールにこれまでどれほど多くのセリフを泣く泣く切り捨ててきたか分かりません。

そしてこのたび、みるアジアで配信するまるわかり字幕を担当することになり、1秒間に4文字のルールに悩まされることなく、通常字幕では訳しきれなかった数々のセリフを救うことができました。
今日は「ショッピング王ルイ」で心に残ったシーンを紹介していきたいと思います。

幸せな気持ちになれるラブコメディー

本作は、記憶を失った財閥の御曹司ルイ(ソ・イングク)と、家出した弟を捜しにソウルへやってきた田舎娘のボクシル(ナム・ジヒョン)とのラブロマンスを描いたロマンチックラブコメディーです。
財閥、記憶喪失と聞くと韓ドラあるあるのドロドロ復讐劇が頭に浮かびそうなところですが、この作品に登場する人物には根っからの悪人はゼロ。
ルイとボクシルのラブロマンスにキュンキュンするだけではなく、2人を取り巻く登場人物の優しさにも癒やされ、心が洗われること間違いナシの作品です。

ルイの決まり文句「僕を信じて」

交通事故で死んだはずのルイは生きていて、記憶を失ったままソウルの路地でボクシルと出会います。
ルイは自分が誰なのかも分からない無一文の身でありながらも、ボクシルに弟のボクナムを必ず捜してあげると約束します。

ショッピング王ルイ 2話

通常字幕:「弟と高麗人参泥棒は僕が見つける。大丈夫だ」
まるわかり字幕:「弟と高麗人参泥棒は僕が見つける。僕を信じて

ショッピング王ルイ 3話

通常字幕:「ボクナムは僕に任せて」
まるわかり字幕:「ボクナムは僕が見つける。僕を信じて

ショッピング王ルイ 6話

通常字幕:「二人でいれば大丈夫、僕が守るから、安心して」
まるわかり字幕:「二人でいれば大丈夫、僕が君を守るから。僕を信じて

本作にはその他にも違ったバージョンの「僕を信じて」がたくさん詰まっています。別の言葉に置き換えられた通常字幕の訳も十分ときめかせてくれますが、何かあるごとに当然のごとく「僕を信じて」と話す、純粋で一途なルイの思いが込められた「僕を信じて」は、個人的にとても好きなセリフです。
それにしても、記憶もお金もない居候のルイのことを無条件で信じるボクシルは、天使そのものですね。「信じる心」の偉大さに気づかせてくれます。

たった1人の味方

ショッピング王ルイ 4話

ルイはいつの間にかボクシルの心のよりどころとなります。
ある日、企画のアイデアを室長に盗まれ傷心のボクシルは、雨の中、バス停に迎えに来て傘を差し出すルイを見たとたん、涙をこらえられなくなります。驚いて訳を聞くルイにボクシルは答えます。

ショッピング王ルイ 4話

つらい時、苦しい時、自分に味方がいるって本当に救われますよね。
無条件で味方になってくれる人、私はこの雨の中のシーンが大好きです。

「僕、どうしよう」?! 

ショッピング王ルイ 8話
ショッピング王ルイ 9話

そしてルイの決まり文句といえば、もう1つ。こちらは通常字幕とほぼ同じです。

通常字幕:「どうしよう」
まるわかり字幕:「僕 どうしよう」

ルイはボクシルとの初めてのキスの前に、このセリフを放ちます。
そしてその後もルイはキスをしたくなると「僕 どうしよう」と言ってボクシルに近づくのです。
ファーストキスのシーンは、2人の色彩豊かな服装や書店を背景にした映像美が、初めてのキスに戸惑いながらも気持ちを確かめ合う2人の繊細な姿をより際立たせてくれています。

さすが「キス職人」との愛称がつくほどのキスの名人(?)ソ・イングクさんのキスシーンはどれも見応えがあり、「僕 どうしよう」の言葉を聞いただけで恥ずかしがるピュアなボクシルをナム・ジヒョンさんがうまく演じています。

イケメン“あしながおじさん”に見守られたい 

 本作で忘れてはならない人物は、ボクシルのあしながおじさん的な存在である本部長のジュンウォン。ボクシルに好意を持ちつつも、ルイとボクシルを温かく見守る姿に、ジュンウォンを思わず応援したくなる方もかなりいらっしゃるのではないでしょうか。
物語の後半でボクシルは、こらえきれない悲しみを抱えたまま独りで田舎に帰ってしまいます。

そんなボクシルが心配でたまらないジュンウォンは、ボクシルのあとを追い、ボクシルをさりげなく元気づけてくれるのです。
そしてルイもボクシルを追いかけ、田舎へとやってきます。
その夜、ルイと一晩過ごすことになったジュンウォンはルイに言います。

ショッピング王ルイ 10話

通常字幕:「人はつらく苦しいことがあると、1人で静かに過ごしたいと思うものだ」
まるわかり字幕:「人は時に自分だけの洞窟に籠もり、苦しみの中にいる自分自身を癒やしたいと思う時がある」

ショッピング王ルイ 10話

通常字幕:「それじゃ 気持ちが落ち着いたらボクシルは戻ってくる?」
まるわかり字幕:「ボクシルは1人だけの時間を過ごしたら、また僕のもとに戻ってくるよね?」

このシーンは心に残ったシーンというよりも、通常字幕とまるわかり字幕の違いを感じていただきたく、紹介しました。
ちなみにこのシーンで天井にいるクモを見つけた時のルイのおびえ具合が本当にキュートでたまりません。必見です!

その他にも、目まぐるしく変わるルイの表情は見ているだけで飽きません。そしてタイトルでもある“ショッピング王ルイ”こと、ルイが数々の商品の中からキラキラと輝く品物を捜し出すシーンも、高画質で見るとワクワク感が増します。

「ショッピング王ルイ」には、ルイの唯一の家族である祖母やルイを世話する執事、ルイとボクシルの近所に住むクムジャさん親子など、たくさんの魅力あふれる人物が登場し、最後まで物語を楽しませてくれます。

0.7倍速がオススメ!

2倍速で動画を見る若者たちが増えているという近頃、人間の目はもしかすると1秒間に4文字以上の文字もキャッチできるようになっているのかもしれません。「まるわかり字幕」が多くの皆様に視聴していただければ幸いです。
ちなみに、通常の速度だと追いつけない…!という方には0.7倍速での再生がオススメです!

ショッピング王ルイはこちらから!
1話~3話の冒頭5分はどなたでもご覧いただけます!▼

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