カブトムシおじさん
夏になると思い出す、子供がまだ小学生だった頃、早朝の公園で出会ったカブトムシおじさん。
夏の早朝、と言っても私の実力ではせいぜい7時くらいに、カブトムシを採りに近所の公園に子供と共に出掛けて行った。
本気でカブトムシが欲しかったら、普通であれば6時くらいには行かなければいけないらしいが、低血圧ガールの私にそれを望むのは酷である。
案の定、探してもカブトムシのかけらも見えず、しょんぼりとしていた時に、神は舞い降りた。
「何さがしてんの〜。」
前歯のない一見怪しいおじさんが話しかけて来た。
「カブトムシ探してるんですけど、来るのが遅くてか、いないんですよ。」
見るとおじさんのカゴにはたくさんのカブトムシが、オスメス取り混ぜていらっしゃった。
おーおーっ!カブトムシおじさん。
「その辺見たっていねえよ。いるとこ教えてやっかあ〜。」
「マジですか〜!」
私と子供はノコノコとカブトムシおじさんについて行った。
知らないおじさんについて行ってはいけませんが、カブトムシ欲しさについて行ってしまいました。
そこは意外に林の中とかではなく、野原の栗の木のある所でした。
残念ながら、メスしかおらず、ガッカリしていたら、おじさんがオスを一匹くれました。
朝寝坊しても、カブトムシが手に入って、なんとか親のメンツが保てたのでした。
カブトムシおじさん、ありがとう!
途中から文体が変わる変な文章にお付き合いくださってありがとうございました。