若手社員をつぶす老害の言動とは?
50歳を過ぎた私は、43歳ぐらいから「伸びしろのない老害」という自覚を持ち、若手に迷惑をかけないように自分の言動には細心の注意を払うように努めています。
若手が、働きもしないで偉そうなことばかり言う中高年の働かないおじさんに嫌悪感を感じるのは当たり前です。ましてや、働かないおじさんが自分の経験を正しいと思い込んで価値観を押し付けるとなれば、猶更です。この感覚のズレが起き時、若手のモチベーションは一気に下がります。そしてリスペクトが一瞬で消え、若手は働かないおじさんに対して嫌悪感しか残りません。若手のモチベーション低下は、若手が嫌がることを言っているという自覚がない働かないおじさんたちにも原因があります。
働かないおじさんたちは、自分たちの持っている古い価値観を常にアップデートすることを忘れてはなりません。働かないおじさんの古い価値観を若手に押し付けると、若手の芽を摘むことにもなりかねません。
例えば、
「みんな我慢しているんだから」
「情報は自分の足で取って来い」
「大事なことは直接言いに来い」
「雑用は若者の仕事」
「飲み会も仕事、幹事も仕事」
「ハラスメントではない、コミュニケーションだ」
若手には、もはや年功序列に基づいたヒエラルキー思考は通用しません。年功序列は、若者から議論や交渉の機会を奪います。若手はフラットなコミュニケーションを望み、話せばわかってくれると信じているところがあります。職位で議論を封じる上司は、特に若手は嫌います。若手が嫌う、同調圧力、長時間、根性論、集団主義、上下関係などは、仕事はつらい、我慢するのが当たり前、一人だけ楽してはいけないという思考です。この価値観を押し付けられると、若手は一瞬でこの組織では働きたくないと思ってしまいます。こうなると、もはや若手はついてきませんし、やる気を失うのでアウトプットも期待できません。
若手は不要と感じる雑務を年が若いからという理由だけでやらせると、自分が成長できる機会を奪われると思ってしまいこともあります。若手は早く一人前になりたい、専門スキルを身につけたいという上昇志向が特に強い世代です。何の意味のない雑務を押し付けられる若手は、きっとこころのなかで「暇なお前がやれよ」と思っています。
また、若手は、働かないおじさんがかもし出すやたらとわざとらしいアットホーム的な態度も嫌います。そんな働かないおじさんは、「アットホーム」=「プライベートも相談」と思い込んで、若手からの悩み相談を待っています。しかし、若手はプロとしての上司を望んでいます。若手のプライベートにまで首を突っ込んでくる働かないおじさんは、若手はむしろ遠ざけるでしょう。
このように、おじさんと若手には、ジェネレーションギャップが存在しています。若手を一方的に否定し、一方的なアドバイスは、さらにこのギャップを生みます。おじさんたちは、若手の思考や行動にしっかりと目を向けて理解し、おじさんたちの『当たり前』はもはや若手には通用しないという自覚をもって若手と慎重に接することが必要です。