見出し画像

5種類の利益

利益は一つではありません。損益計算書では5種類の利益があります。それは、会社は5種類の人たちによって経営を支えてもらっているからです。
その5種類の人とは、このような人たちです。

  1. 取引先

  2. 銀行

  3. 格付会社

  4. 税務署

  5. 投資家

それぞれ、会社の評価の仕方が違います。

・取引先は、他社と比べて取引価格は高いのか、安いのか
・銀行は、本業の稼ぎで借金は返せるのか
・格付会社は、会社の経営基盤(財政の安全性)はどうか
・税務署は、しっかりと適正な税金を払っ ているか
・投資家は、配当を支払える儲けがあるか

会社は、これら5種類の人たちにあった利益を上げていかなければなりません。それ故に、損益計算書には5つの利益が明記されます。

■売上総利益(粗利益 アラリ)
売上から売上原価を引くと、「取引価格が高いか 安いか」がわかります。これは売上総利益(粗利益  アラリ)です。これは商品力のことです。

売上総利益(粗利益 アラリ)は、会社の商品力(サービス力)のことです。価格が高くても売れるのなら品質、サービスが良いからです。他社と同じ品質であっても付加価値を付けて売れるのも商品力です。

■営業利益
売上総利益から販管費を差し引くと、「本業での稼ぎ」がわかります。これが営業利益です。これは管理力の表れです。営業や管理部の人件費、交際費といった経費が多くなると、営業利益は少なくなります。

■経常利益
営業外損益を足し引くと「毎年安定的に利益をいくら稼げるか」がわかります。これが経常利益(ケイツネ)です。会社の財務力を表しています。財務力が低いと、銀行に支払う利息で 経常利益が圧縮されます。

■税引前当期純利益
経常利益から特別損益を足し引きすれば、税引前当期純利益です。この利
益に税金額が決まります。経理力で税金を下げることもできます。税引前当期純利益を増やさずに、営業利益や経常利益を増やすのが経理の力です。 

■当期純利益
税引前当期純利益から法人税を引くと、当期純利益(税引後当期純利益)になります。株主への配当は、この純利益から支払います。これが会社経営の総合力です。

人が変われば、それぞれ注目する利益が違うことがわかります。
銀行は営業利益
税務署は税引前当期純利益
投資家は税引後当期純利益
に注目します。

以上のように、利益と言っても、何の利益、誰のための利益かを考えることが大事です。


いいなと思ったら応援しよう!