都会的思考
先日、五島列島へ行ってきた。
自然豊かで、車生活ではあるが、コンクリートが少なく、人間も少ないため熱気が少なく感じた。同じ気温でもこんなにも体感温度が違うのかと。
建物も低く、戸建てがほとんどでマンションはほぼなかった。港の近くにホテルがあり、7階建てでも高層マンションに入るレベルで周りが見渡せた。
コンクリートだらけの都会は、自転車で事足りるし、坂道も少ないし、Uberもデリバリー系もある。マックだって、ファミレスだってある。(まあそんな行かんけど)
島には個人経営の居酒屋やカフェ、食堂などはあってオリジナリティーがある。それぞれの味が出ていて、それも島の良さだなと感じる。
島は魚料理もすごくおいしく、食材も自家製の野菜などをふんだんに使っている。素材を生かした、おいしいごはんが多かった。
港近くには吉野家のキッチンカーがあり、新鮮だった。こういう土地では店舗を構えて営業するよりも、キッチンカーの方が賃料もいらないし、夜中に客が来ることも少なく、効率がいいのだろう。
今回の旅で気づかされたことがあった。
全体を通して接客に元気や愛嬌が少ないことである。また、丁寧な言葉遣いや気配りも少なく感じた。
島人だけあってなのか、以外とドライな人が多い気がした。
ホテルはさておき、飲食店やお土産店など、あまり商売人だな~と思うような人も少なかった。もう少し愛嬌があってもいいのにな、ちょっと雑だな、会釈ぐらいしてもいいやろうにと感じることが多かった。
そんなことを感じながら、自分は都会での接客競争が当たり前な感覚に染まっていることにづいた。接客の善し悪しで、その店の口コミや評判が広まり、良くないところはすぐに潰れる。立ち退きも早く、競争が都会はすごい。まさに資本主義。
一方、島は店の数も少なく、お互いが共存し合っている。都会のような競争は少ない。だから接客もそこまで重視しなくてもよいのかもしれない。
しかし、「客だぞ」といった考えが自分の中に少しでもあったのかもしれないと感じた。だからもっと愛想をふるまって、気分の良くなる接客をしてくれと、都会の至れり尽くせりの接客が(そうでないところもあるが)当たり前になっていたのかもしれない。
島の人は媚びることなく、自然体で、商売に対して依存的な感じがしなかった。
ああ自分はなんて下品人間になっていたのか、と反省する出来事であった。でもやっぱり競争があろうがなかろうが、気持ちのいい接客には叶わないし、そういう接客をしてくれた方には、今まで以上に感謝しようと感じた。
人間、環境次第で考えが変わるものだね。
実るほど頭の垂れる稲穂かな、でありたい。