錆びた鉄は熱さと衝撃で新しいカタチに変わる
はじめに
夢というものは眩しすぎる。この前までの私には直視できないものの一つだった
目標というものはあっても、夢を語るにはわたしはもう歳をとったと自覚をしていたし、叶わないものだと、そして失敗した時の羞恥を感じていたのかもしれない。
自分で自分の限界を決めていた事も理由ではある。
やらなければ叶わないはずなのに、やらない理由ばかりを胸に、私は自分の未来と心中しようとしていた。
私なんぞ、ただの会社員であり、BARでちまちま働き、何か別の仕事をもらえたらする。みたいな日々を送っているだけの人間である。
そんなしょうもない日々を送っていた私に転機が訪れた。
転機、4つほどあったんだけど今日は1つを話していこう。
転機ありすぎじゃない?
それもう転機じゃなくて日常だよ。
なんだったら2個前の記事の、才能に触れた話Part2も書いてないのに。
それでいったら今回も努力と才能の人に出会って感化された話でもあるけれどね。
『貴方の大きな夢はなんですか』と問いかけてくるアンケートに答えた話
先日、親友の好きなアーティストである草野 華余子さんのライブに親友と共に向かった。
素晴らしいから!音楽も、そして人としても!と言う親友の熱い想いに乗っかったという形だ。
楽しみだなーと思いつつ、新しいアーティストを知り、その人の産み出した作品に触れることは脳のリソースを奪うので
ここ最近仕事が多忙で死んでいた私には事前に曲を聞き込むということをしていかなかった。
ほら、良い音楽に触れたら知らない音楽でも感動できるじゃん?
というような、私はなぜか行く前から初めて出会う草野 華余子さんの音楽たちに対して、絶対にこの人の音楽は感動出来るという謎の自信を感じていた。
お酒が飲めない私はライブハウスでカルピスを注文し、配られたアンケートに目を向ける。
そこにはあまりアンケートで見ない質問が書いてあった。
『貴方の大きな夢はなんですか?』
夢!?夢かぁ。
私の3年以内の目標で年収2倍にする、はあるけど
夢ではないなぁ。
今じゃなく、昔諦めた夢でも良いって書いてあるな。
昔だったら私は自分のBARを出すことだったな。とふと思い返した。
6年前、師匠から決別し、その時のBARを辞めてから手放した夢ではあった。
しかし、ちょうど1週間前、現在働いてるBARのオーナーに言われた一言が頭をよぎった。
『貴方は年収を2倍にしたいと言っている。
その目標があるなら、人に使われてる今のままではダメだ。自分で店をやった方が手取り早い』
そう思った時、今改めて私は私の店を出す事を夢にするべきなのではないか。
目の前にあるアンケートに、自分の夢を問いかけられた時
自分の何かが動き出した音がした。
そしてライブが始まる。
初めて見るアーティスト、音楽、MC
私の期待を裏切る事の無い、素晴らしい時間だった。
良い音楽を聴くと鳥肌が立つ。
私はライブが始まってから鳥肌が立ちっぱなしだった。
何が1番良かったか、って
アーティストがきちんと観客を見つめ、魂削って向き合っているように感じたからだ。
私は分析も得意では無いし、評論もできない、ただの感情論でしかない。
しかし、この草野 華余子さんには才能もさることながら、努力を怠らず、音楽と向き合い、そして人に愛を持って向き合ってきた人なのではないか。
というものを感じた。
だからなのか、観客含めてライブハウス全体が愛で一体化しているというか
後ろから見ていて凄く暖かな気持ちになった。
親友が言う、素晴らしい音楽と人柄というのを豪速球のストレートを投げつけられたのだ。
もうこれはストライク三振だよ。
そんな事を考えているとライブも終盤にさしかかる。
今までのロックな曲から一転、バラードのある曲が流れ始めた。
曲調も好みであるが、歌詞がいい。
サビで流れてくる歌詞を聞いて、気がついたら私は号泣していた
『こんな風にしか愛せないのはどうしてだ』
最近の自分の状況も相まって、この言葉が異様に響いた。
今の世の中で良しとする愛し方は私は出来ていないし、私の周りの人もそういう人が多いからか
愛という感情は同じはずなのに
アウトプットもインプットも十人十色で
上手くハマらないとそれはただの暴力で
そんな不器用なわたしたちに幸せはあるのかな。
なんて感傷に浸ってしまい。号泣していたように思う。
形を失ってしまったら、何も無いと思えば何も無いけど、それは全て自分の捉え方次第で
負であれ正であれ
経験したものは全て自分の武器だ。
出来ないのなら違う何かを求めればいい。
突き詰めればそれは光り輝くのだ。
私は、その曲が終わった後、突き詰めようと思った。
私が出来る事なんて知らないし、何者かになれるかはわからない。
でも私は自分のやりたい事と向き合おうと思った。
それは今この瞬間、努力を怠らず真っ直ぐに音楽をやっている人と出会えたから力を貰えたのだろう。
さいごに
ライブから1週間が立ち、仕事に追われていたので感想が今になってしまった。
遅いよ、まったくもう。
私はライブ時の感情の鮮度を思い出すために、あの時の曲を探した。
あの時の曲『月とセレナーデ』がAmazon musicサブスクには無く、購入のみだったので有無を言わさずに購入した。
良い作品にはお金を惜しむべきでは無いのでね。
やはり今聴いてもいい曲だなぁ。
でも我儘を言えば今の草野 華余子さんの楽曲が聴きたい。
もちろん昔も素晴らしい。
しかし、今の方が魅力がブラッシュアップされていて私は今の方が好きだなぁと感じた。
なので最新の草野 華余子さんのライブ映像のDVD販売、何卒宜しくお願いします。
私は貴方の夢はなんですか
というアンケートに
『自分の店を持つ事』
と短く書いてしまった。
正しくは
『誰かの居場所になるお店を作り、カウンターの中で沢山のお客様を愛したい。何者でも無い私で良いと足を運んでくれるお客様の幸せを見守っていきたい。』である。
私はこの夢を叶えるために、この先頑張っていく事を決めました。
貴女に勇気をもらいました。
ありがとうございます。
何卒DVD販売、宜しくお願いします。
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