プロのバナナ
諸君、君達は難関をくぐり抜け選ばれました。自覚を持って下さい。
この王国のプロです。
ザワザワ、ザワザワ
「なんだか変だよ、小爺。」
「うーむ。」
二人はバナナの食べ放題と聞いてきたのだ。
静粛に、プロとしての自覚を持つために修行を行います。
アマは、買って下さったお客様の前では無力です。されるがままに皮を剥かれます。
しかし、君達プロは、お客様がバナナを手にとるやいなや、お客様が何もしなくても自動で剥いて差し上げるのです。
ペロンと美しく、必ず、
し・ペロン、あ・ペロン、わ・ペロン、せ・ペロン
と自動で。これこそバナナ王国が誇るプロのバナナなのです。
良いですか、みんなで一緒にセットしましょう。
「小爺、逃げよう。」
「そうだな、こっそりな。」
ガタン
誰だ、侵入者だぞ、捕まえろ。
「あ〜あ、捕まっちゃったよ。」
ステージに連れていかれた。
「お客様、プロのバナナをどうぞ。」
綺麗に剥かれたバナナを前に
僕と小爺は答えた。
「し・あ・わ・せ・です。」