笹ノ間みりん

手のひら小説講座に参加して小説を書き始めました。いろんな事にチャレンジする事が好きです。手芸、カントリードール、文化人形、クラフトバンド、ppバンドやニットのバッグ作りなど楽しんでおります。少しずつ、140文字小説、短編小説など無理のないように書いていければいいなと思っています。

笹ノ間みりん

手のひら小説講座に参加して小説を書き始めました。いろんな事にチャレンジする事が好きです。手芸、カントリードール、文化人形、クラフトバンド、ppバンドやニットのバッグ作りなど楽しんでおります。少しずつ、140文字小説、短編小説など無理のないように書いていければいいなと思っています。

マガジン

  • IYO夢みらい館てのひら小説講座専用マガジン

    • 154本

    2020年からIYO夢みらい館で開催している「てのひら小説講座」受講生作品のマガジンです。

最近の記事

一分シマウマ

まりもが、TVの野生の王国を見ている。サバンナ走りたいのかなぁ。 あっ、そうだ、押入れに確かあったはず、僕が子どもの頃遊んでたぬいぐるみ。 まりもはベッドでシマウマのぬいぐるみと一緒に寝ている。 急にマリモが唸り始めた、シマウマを抱いたまま。 「小爺、どうしたんだろ、まりも。怖い夢でも見てるのかな。何とかできないかなぁ。」 「まりもの夢に入ってみるか?それならできるぞ。」 「凄いよ、師匠、日本一、いや、世界一、行ってみよ〜!」 「いいか、まりもの夢に入っても何もできないぞ、見

    • 結婚式ゾンビ

      家へ帰る途中に飼い猫のぎんを見かけた。 「何フラフラしてんだよ。二ヶ月も家に帰ってこないでさ。もう、死んだと思ってたよ。聞こえないのか?」 知らん顔して、いそいそと走って行く。 「小爺ついて行ってみようぜ。」 小爺はいつも胸ポケットにいる。 たったった、たったったっとぎんは桜公園を越えて山に上がっていく。 「どこ行くんだろう。」 後をつけて山に入ると古めかしい洋館があった。 「なんだこれ、来たことないし、洋館があることも知らなかったよ。」 「まぁ、様子を見ようや。」 洋館を

      • プロのバナナ

        諸君、君達は難関をくぐり抜け選ばれました。自覚を持って下さい。 この王国のプロです。 ザワザワ、ザワザワ 「なんだか変だよ、小爺。」 「うーむ。」 二人はバナナの食べ放題と聞いてきたのだ。 静粛に、プロとしての自覚を持つために修行を行います。 アマは、買って下さったお客様の前では無力です。されるがままに皮を剥かれます。 しかし、君達プロは、お客様がバナナを手にとるやいなや、お客様が何もしなくても自動で剥いて差し上げるのです。 ペロンと美しく、必ず、 し・ペロン、あ

        • みんなで動かない、猫も2

          「おはよう、お母さん、腹減った。お母さんってば、え〜またかよ、口開けたままか。もう、ふざけんなよ、猫もかな。」 猫部屋に行くと、え〜マジか。取っ組み合いしたままじゃん。 小爺、小爺、まただよ。だんまりか?師匠、起きてよ、え〜、師匠もかぁ、みんなで動かない。 とりあえず、落ち着こう。 牛乳を一気飲み、ふ〜。 頭陀袋を逆さまにして叩くと出た小袋、なんだこれ、匂いを嗅ぐと、クッセー、ゲホゲホ。 小袋を開けると紙がある。何何、気付。 ちょっと小爺で試してみよーと。 小爺に振り

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          154本

        記事

          みんなで動かない、猫も

          「ただいま、お腹すいた。 お母さん、何かなあい、いないの?」 リビングに行くと母は、ポテチを持ったまま、大口開けてじっとしてる。 「小爺、大変だよ。お母さんが。猫もかな。みかん、まりも、ぎん、どこにいる?」 猫部屋に行ってみた。いた〜! みかんはトイレに入ったまま、まりもはご飯を食べながら、みんなで動かない。ぎんはお出かけしたままか。 「小爺、どうしよう、これどういう事かな?小爺ったら。」 「師匠と言え。」 「師匠、みんなで動かないよ。」 「落ち着け、冷静に考えてみ

          みんなで動かない、猫も

          ポケット大増殖と祓い屋

          大好きな祖父が亡くなって、形見に頭陀袋をもらったが、押入れに入れたまま忘れていた。 ある日、ゴソゴソと音がするので押入れを開けると袋が動いていた。 袋の中を覗くとポケットに妖かしの小爺がいた。 祓い屋だった祖父の式神である。 祖父には後継者がいなかったので、廃業したのだ。主が亡くなれば、、式神はその家を出て、どこへでも行けるはずだが、袋の中で眠っていたようだ。 「なんだ、小爺、お前、出て行かなかったのか?」 「ああ。」 次の日、ポケットが増えていた。 「おい、小爺、

          ポケット大増殖と祓い屋

          神様時計と俺

          ああ、俺は死んだ。 わしは神だ。 お前は天国へ行くがやり残したことはないか? あの家の家猫になりたいです。羨ましかったんです。 よし、わしの神様時計で命を延ばしてやる。 わしが出雲に行く神無月の一ヶ月だけだぞ。 よっしゃー。 あら玄関に猫が。うちの子になるの?三匹目の猫ちゃんだわ。 そうね、名前はぎんね。 みかん、まりも、今日からうちの子になるぎんよ。仲良くしてね。うちは、三食昼寝付きにおやつと夜食よ。 みかんは茶トラの長毛種、お高く気取った中年の雌だ。まりもは

          神様時計と俺

          ぴえん充電器と紙芝居

          あの時から、私は、感情を表す事が全く出来なくなった。 ステージに立ち、カンカンカンカン、とざい、とうざーい、一世一代の紙芝居屋でござーい、かかかかんかん。拍子木を鳴らし口上を述べる。 紙芝居の昔話は、喜怒哀楽、表情豊かに始まっていたはずだ。 しかし、今はどうだろう。 喜び充電器、怒り充電器、悲しみ、楽しみ、それぞれ充電しないと感情が入らなくなってしまった。 そのことで、また、あいつとやり合った。あの一言を言わなければ‥。 ジリジリ熱くなってきた。臭いが出ているかも

          ぴえん充電器と紙芝居

          読書喫茶と石鹼

          その喫茶店は川沿いの景色のいい所にある。そこでコーヒーを飲みながら読書をするのが休日の楽しみである。お気に入りの窓際で読書をしていた。 ふと、レジの会話が聞こえてきた。 「今日は、十周年記念なのでこれどうぞ」 「わぁ嬉しい、これなんですか?」「お客様は、ご注文がオレンジジュースだったので、みかん石鹸とみかん色の本カバーです。」 「うわー可愛い、ありがとう。」 「ありがとうございました。」 みかん石鹸貰えるんだ。楽しみやん。 レジに向かった。 「コーヒーですね」

          読書喫茶と石鹼

          私、美猫ですけど。2(家政猫は見たかも)

          人嫌いの私が拉致されてから、おばさんの膝の上でごろにゃんと寝るまでの軌跡をお届けするわね。 車に乗せられた後、カゴの中で暴れたの、一生懸命にゃんにゃん泣いてガリガリ、でもびくともしないカゴ。おばさんは「猫ちゃん、大丈夫よ、落ち着いてね。猫ちゃんにご飯をくれてた人にもちゃんと挨拶して、猫ちゃんを連れて行くことを許可してもらったからね。」 おばさんの家へ着くと和室の部屋に入れられた。「今日からこの部屋が猫ちゃんのお部屋よ。」 部屋の隅のダンボールの陰に隠れて知らんぷりしてや

          私、美猫ですけど。2(家政猫は見たかも)

          ががいもの舟

          急斜面に建てられた懸け造りの参籠殿のある神社に行ってみた。ががいもの葉に乗ってやって来たという小さな神様を祀ってある少彦名神社である。 参籠殿は見ごたえがある。床下の懸けの部分は8.3メートルもあり、床上の部屋は三方窓硝子で見通しがいい。 気持ちの良い風がふいてきた。白い綿毛状のものがふわふわ飛んできた。そこら中にいっぱい舞っている。 むむむっ。これってもしかしてケサランパセラン? いやだー、めっちや綺麗、なんか不思議。わーい、ふわふわ。持って帰ろうっと、捕まえなきゃ、き

          ががいもの舟

          私、美猫ですけど。

            私は人が嫌いよ。だって飼い主のじいさんが死んだ時、家を追い出されたの。雨に濡れ風に打たれて、大榎になんとか逃げ込んだわ。 虫や蛇を食べてやっとのことで生きてきた。辛くなかったといえば嘘になるわ。そして、大榎を根城にして好き放題に生きてきたの。 人のよいばあさんにご飯をねだり、ファン(美猫なので多くの雄猫に言い寄られている)が虫や蛇など色々と持ってくるものを食べるの。寝たいときに寝てフリー、フリーだったの。 いつものように、散歩をして口笛ルンルン気分で、取り巻きを連れ

          私、美猫ですけど。