ほしことば
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https://note.com/miren_sp/n/n930f6cab75e2
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君が一生懸命言葉を空に向けて飛ばすのを、僕はいつも見ているだけだった。
「私の言葉がいつか星になって、何千年、何億年と誰かに届くならそれが一番」だと彼女は言う。
だけど、僕は君の言葉を今ここで受け取りたいと思ってしまっている。
彼女の願いを邪魔したくなくて、願いを地面に埋めたけれど、時々ぷくっと芽が出る。僕は何度もそれを埋めた。
繰り返し繰り返し埋めている間に、彼女の言葉は空に引っかかって星になった。
繰り返し繰り返し埋められた僕はそれを一番遠くで眺めていた。