【フリーテキスト】共存
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https://note.com/miren_sp/n/n930f6cab75e2
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君を想って流した涙をぬぐうのは、君の代わりの誰かでしかなくて、私の思う君は、実際のところ私自身でしかない。
この温もりが君の体温であればいいと願うけれど、ふとした冷たさに目を覚ます。
君の愛したものを同じだけ愛してみても、私の中に同じ体温は存在しなくて、君だったカケラは君の中にあるから美しいのだと気が付く。
自分を抱きしめることが何よりもしたかったのだと、そう言ってしまったら、カケラのうちのひとつじゃないことに気が付いてしまう。
私はずっと、君の一部になりたかった。