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パリ旅行記 03 - ”初”日
50歳にして人生初の海外、しかもパリに現地6泊(10日間)の日程で旅行してきたので、自分の記録・記念として旅行記を綴ろうと思う。前回でやっとフランスに入国したので、今回は初日について。
タクシーどこ
フランスでもGoogleマップは当然使えるし経路検索なども問題ないのだけど、パリ五輪期間(及びその前後)は交通規制が行われたり、その状況が日々変化したりとややこしくなりそうなことが予想された。そのあたりの状況はGoogleマップには反映されづらいと思ったので、「CityMapper」というアプリを事前に入れておいた。このアプリは割とそのへんが柔軟に反映されたり、複数の交通手段を組み合わせた経路検索がしやすいとこちらのblogで見かけたので、良さそうと考えたのだ。加えてタクシー配車アプリにも連携していて便利と思われた。
元々、シャルル・ド・ゴール(CDG)空港からパリ市街まではバスを使おうと考えていた。電車は治安的に不安だったからなのだが、バスはバスでオペラ座近くまでしか行かないためホテルまでの交通も考えないといけないし(歩ける距離ではった)、スーツケース抱えて移動するのも大変だよな……ということで、タクシーに変更した。前述のCityMapperから配車出来るのはお馴染みのUberと、FREE NOWというBMW&ダイムラーが運営?出資?しているサービスの2つ。Uberは個人タクシーのため言語や目的地でトラブルがあると面倒だと思ってFREE NOWにしたんだけど、なんと事前に予約した時間にタクシーが来ないじゃないか。
そもそもタクシー乗り場を見つけるのにも苦労した。一般的なタクシー乗り場はすぐ見つかったのだけど、配車アプリで予約したタクシーは別の場所に来るっぽいことが次第に分かり、ようやく見つけた乗り場に行ってみたものの予約したナンバーのタクシーは不在。30分ぐらい探したり待ったりしたものの結局出会うことは出来なかった。FREE NOWのアプリからドライバーをCallすることも出来るのだけど、僕のアプリ(Android版)では何故か無効になっていて連絡が取れなかった。
仕方なくキャンセルして(既に決済は完了していたが……)、一般のタクシー乗り場でスーツケース4つが載せられるタクシーをスタッフに確保してもらって、ようやくCDGを離れることが出来た。なお利用したタクシーはヒュンダイのSUVを使ったアジア系ドライバーの個人タクシー。結局Uberみたいな感じになってしまった。
市街へ
空港からは高速道路で市街地に向かう。初めて観る外国の景色ではあったけど、様々な表示がフランス語なだけで、特に感慨深いということはなかった。しばらくして市街地が近づいて五輪の施設(陸上競技や閉会式が開催されるスタジアムだった)等が見えてきて、ようやく五輪めいてきた気がする。市街地に入るとテレビやネットで観たことのある「フランス・パリらしい」景色になり、ようやくパリに来たんだなぁという気分になった。流石に首都、中心地に近づくに連れて渋滞が激しくなってくる。右側通行であることや信号のデザインなど、日本と結構違うんだなぁと車窓から眺めていた。聞き慣れないパトカーのサイレンは帰る頃にはすっかり慣れてしまったっけ。タクシーは治安に少々不安を感じていた北駅の近くを通って、予定時間を少し過ぎたものの無事にホテル近くに到着した。決済はクレジットカードで行って(ちなみにタクシー会社手配のタクシーは、空港から市街地は定額になっている)、荷物を下ろしてくれた時に現金でチップを渡した。初チップである。
ホテルは2区の外れにあった。事前情報で北隣の9区は前述の北駅を含む若干治安に不安のある地区ということで心配していたのだけどホテル周辺は普通の市街地の端といった感じで静かではあったけど不安は感じなかった。眼の前に小さな公園があり噴水が時々吹き出していた。あいにく天気が悪かったのだけど、イタリアンのレストラン?ビストロ?が公園内にテラス席を準備しようとしていたところだった。そういえばフランス人は傘をささないと聞いたことがあるけど、テラス席も同様なのだろうか。
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ホテルのチェックイン時間は夕方だったのだけど、それまで荷物を預かってくれると聞いていた。前日にオンラインチェックインした際に発行されたパスワードで建物に入ってみたものの、受付はなく誰もいない。荷物を預けられる様子もない。もしかしてさっきのイタリアン(ホテルの1Fに入っていた)に預けるのだろうか。ホテルにとりあえずメールで連絡し(電話だと会話が不安だったため)、返事があるまで先のレストランで昼食を取ることにした。フランスでの初めての食事はイタリアンとなった。
事前情報で、大体のレストランはフランス語と英語の両方のメニューがあるという話を見ていたが、ここもそうだった。お店のスタッフも簡単なフランス語と英語で話しかけてくれたおかげで、何とか注文することが出来た。値段はパスタ1皿で16~18ユーロぐらい(2,500~3,000円ぐらい)と、ちょっと高いけどまぁそんなもんだろうという価格。ヨーロッパはインフレが進んでいるという話は知っていたし、円安の影響は避けられないので、これは仕方ない部分だった。
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食べている途中でホテルからメールが来ていて、食後に改めて連絡するとスタッフが迎えに来てくれるということだった。荷物は部屋に直接持っていっていいということで、案内に従って入室し重たいスーツケースを置くことが出来た。晴れて自由の身である。
パリジャンになる
初日は五輪の観戦チケットも取っておらず(開会式は高すぎて手が出なかった)、特に目的もなかったので、ホテルから歩いていける範囲でぶらぶらすることにした。とは言え長時間のフライト後で睡眠も十分とれているわけでもないので、無理せず過ごそうということに。まず向かったのはセーヌ川方面。とりあえずそのあたりまで行けば五輪らしさを感じたり出来るんじゃないかということで。いかにもフランス・パリらしい建物や人の往来を眺めながら歩く。
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事前に「パリの人は赤信号でも道路を渡る」と聞いていたのだけど、実際にどこでもそんな感じだった。割と大きめの道路でも車が来ていなかったらどんどん渡る。車道には車以外にも電動自転車や電動キックボードも走っているのだけど、そのへんは来ていても無視して渡っている人が多かった。左右すら確認せずに渡る人が多かったので、そこは見習わないようにしたけど。そもそも人が多いし歩行者天国っぽくなっているところも結構あって、歩行者優先の街という印象だった。
どんどん歩いて、あとちょっとでセーヌ川だ……というところで行く手をバリケードに阻まれた。開会式が行われるセーヌ川沿いは、開会式のチケットを持っている人か、何らかの正当な理由(住んでいるとか仕事で向かうとか)がある人でないと入れなくなっていたのだ。一応事前に許可証を取れないか調べてみたが、理由を示す厳密な証明が必要なことと、手続きに数日必要ということもあって諦めていた。警官が入ろうとする市民とやり取りしている様子を眺めて、その場を後にした。付近はちょうどルイ・ヴィトンのオフィスがあるところで、今回の五輪のメダルが飾られているのを観ることが出来た。
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ぼちぼちチェックインの時間が迫ってきたので、スーパーに寄って夕飯の買い物をしつつホテルに向かうことにした。滞在中は出費を抑えるため自炊中心にしようと決めていたことと、6泊10日という長期間の全日程分の服を持つのは大変だったので、キッチンと洗濯機が使えるアパートメントタイプのホテルを予約していた。
買い物は、事前に「ここ良いよ」と教えてもらっていたMonoprix(モノプリ)というスーパーに行くつもりにしていた。歩いている間に何店舗か見かけていて、ちょっと立ち寄ってフリージュ(パリ五輪のマスコット)のぬいぐるみを買い求めたりもしていたんだけど、聞いてたほど安い感じではなかった。そもそもユーロ表記で曖昧だしパリの物価なので元々高いのだけど。他にもFranprixというスーパーもあったのでそっちに寄ってみる?とか言いながらホテル近くに来るとAuchan(オーシャン)というスーパーがあり、入ってみるとモノプリより断然安いし、売っているものも変わりなかった。ここでいいじゃん、と惣菜やサラダ用のハムや生野菜、飲み物を買い込んだ。結局オーシャンには毎日通うことになって、おそらく店員には顔を覚えられたんじゃなかろうか。後で調べると、相場的には「モノプリ>カルフール(そういえばフランスだった)>オーシャン」という感じらしく、実際に各店舗で同じ商品を比べてみたらそんな感じになっていた。関西で言うと「いかりスーパーなど>マックスバリュなど>ラ・ムーなど」みたいな感じだろうか。バゲットだけは専門のパン屋で買ったけど、翌日からは面倒なのでパン類もオーシャンで買っていた。バゲットも1本1ユーロしないぐらいで安かったし。
パリの夜と開会式
ホテルに戻ってきて、ようやく入室。クイーンサイズのベッド+クイーンサイズのソファベッドがある、1LDKのアパートメント。広くはないけど、ぼちぼち寛いで過ごせそう。インテリアはおしゃれだし、流れてくるテレビは当然フランス語だし、何より涼しかった。この日は雨ということもあって最高気温は25度ほど、エアコンをつけずに過ごせるのはありがたかった。
買ってきたものを食べていると開会式の時間になった。夏のフランスは昼間が長くて、開会式も昼間みたいな明るさの中で開催されていた。いろんな演出の後に各国の代表団がセーヌ川を船で下ってくるあたりで、満腹に加えて疲れが出てしまったか、日本代表だけは見届けたいと言ってた子どもたちは寝落ちしてしまっていたけど。すぐそこで開会式が行われているという不思議な感覚に包まれながら、パリの夜は更けていった。
明日はいよいよ五輪観戦である。天気予報は雨、無事に移動出来るだろうか。