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パリ旅行記 00 - 事前調査あるいは先入観と現実と

50歳にして人生初の海外、しかもパリに現地6泊(10日間)の日程で旅行してきたので、自分の記録・記念として旅行記を綴ろうと思う。ただ、長くなるので日記的なものは後回しにして、先に表題の件について徒然と記しておく。

初めて海外(フランス・パリ)に行くにあたって、あらかじめ調べておいたことや、これまで見聞きしてきたことから「多分こんな感じだろう」と考えていたことが、実際に行動したり、現地に行ってみてどうだったか。先入観、偏見と言ってもいい。それは果たして正しかったのか。


海外旅行は空港での手続きが大変そう

国内線は何度も利用しているが、国際線は初めて。(機内に)持ち込める荷物にも国内線と違う制限があったり、出国/入国審査とか外国語で対応しないといけなさそうで、きっと大変なんだろう。格ゲーの海外大会に参加する人が「0回戦突破!」とか言ってるぐらいだし。

実際には、まず荷物については液体の制限が厳しい(75mlまでしか持ち込めない)だけで、他は何も変わりがなかった。むしろ国内線ほど丁寧に言われることなかった印象さえある。スマホとモバイルバッテリー(あればPCやデジカメ)をカバンから出して、腕時計などを外しておくだけで、後は無言で通過。ちょっと拍子抜けした。飲料については手続き後に買ったものや、空で持ち込んだボトルに給水器で水をいれることについては問題なかったので、まぁそういう感じ。

出国/入国審査については、予想していたような係員とのやり取りは基本的になかった。ちゃんと持ってきているかどうかの確認はあったが、内容のチェックは全て電子化かつ自動化されていた。航空券のバーコードをスキャンして、パスポートをスキャンして、顔画像を撮影して、終わり。眼鏡をかけている人は引っかかりやすい印象があったが、外せばクリア出来た。唯一フランス(CDG。シャルル・ド・ゴール空港)から出国する際は係員が目視でパスポートをチェックしていたが、会話はほとんど無し。挨拶だけで終わった。

往復ともトランジットはシンガポール(チャンギ空港)で、復路のみ空港から出た=シンガポールへ入国したのだけど、SGAC(電子入国申告書。SG Arrival Cardの略)をWEBで申請しておいたので、航空券のバーコードとSGACのQRコードとパスポートを自動で読み込ませただけで簡単に手続き出来た。再出国も同様。

フランス人は頑なにフランス語しか話さなさそう

英語は学校で勉強していたり海外ゲームを遊んだりしていたので少しなら分かるけどフランス語はさっぱりだったので、半年以上前からDuolingoで勉強したり、基本的な旅行用語を勉強したりしていった。

フランスについて最初に会話したのはタクシードライバーだけど、英語…というか英単語…で通じたのでフランス語は「Bonjour!」だけだった。次にレストラン、それからスーパー、ホテルのスタッフ等と会話したけど、全て英語。流石に観光地でもあるパリだからか、どこでも英語・英単語で問題なかった。フランス人、英語も使うよ。

一方で、フランス語しか話さない人もいた。ただ印象としては「フランス語しか話したくない・英語嫌い」という感じではなく、他の言語に興味がないだけみたいな。フランス語しか使わなくても、分かりやすく・単語ベースで話せば、大体通じるでしょ?という感じ。実際それでこちらも理解出来たので困ることはなかった。生活したり仕事したりするわけじゃないしね。

あと余談だけど、僕は(Duolingoやってた時から感じてたけど)割と雰囲気で相手が何を言ってるか分かるタイプみたいで、オールフランス語で話しかけられても「こういうことを言ってると思う」という認識が間違っていたことは無かった。感覚的なことで説明しづらいんだけど。

スリがめっちゃ多そう

散々聞かされていたので、パスポートやクレジットカードを安全に持ち歩くためのシークレットポーチ(スキミング防止素材入りのウエストバッグみたいなの)や、フラップ&ファスナー付のショルダーバッグを前にかけて、財布は最低限の現金だけ入れてストラップでカバンとつないで、スマホもストラップをつけてカバンにつないで、など対策をしていった。

実際にはどうだ。スリはおろか、怪しい人とはほとんど出くわさなかった。唯一メトロに乗っていた時に1度だけ物乞いに遭遇したけど、歩きながら小銭を乞うセリフを口にしながら通り過ぎていったので、無視して解決した。そもそもメトロに乗ること自体も事前情報的にはリスクが高いと思っていたのだけど、夜間(22時ぐらいまで)でも何ともなかった。車内は勿論、改札や通路やホーム、その周辺も。

これはパリが本当は治安がよいのに伝わってくる情報が古いだけ、ということではない。実際に外務省からは直近3ヶ月で60件以上のスリや詐欺の被害があったと伝えられてきたし、郊外の路線で破壊行為が行われていたし、空港職員のストもあった。ただ、パリ市内は五輪に向けて相当な治安維持/向上の取り組みが行われてきたようで、加えて五輪期間中~前後は警官&軍がおそらくいつも以上の人数や頻度で常に見回っていたようだし、ボランティアも各駅や観光スポットに相当数が配置されていたので、それによって安全が保たれていたのだと思う。

おかげで最終日あたりは相当油断して(よくない)、シークレットポーチなしで直接バッグにパスポートやクレジットカードを入れていたり、スマホも手で持って歩いていたけど、やっぱり問題なかった。五輪が終わったら元に戻ってしまうのかもしれないけど、少なくとも今のパリは安全だと思う。

お金のやり取りが大変そう

通貨単位が異なるし、チップ文化だし、何かとトラブルの元になる部分なのでしっかり調べていった。スマホにGoogle PayやApple Payの準備もしたりとか。

通貨単位(ユーロ)については、買い物やメニューを見る度にざっくり計算しながら判断していた。1ユーロ100円なら計算しやすいのだけど、160円ぐらいなので、ちょっと手間だったかな。話は逸れるけど物価は高かった、平均所得の違い以上に高いんじゃないかな。帰国直前にグッとレートが下がったけど、そこまでじゃないしね。

決済については全ての状況においてクレジットカードやスマホ決済が使えたので、何も困ることはなかった。スーパーやレストランは勿論、各種チケット窓口やお土産物屋でも何でも。会話の必要もほとんどなし。各種表示はフランス語か英語だけどね。逆に事前に用意していった現金が残ってしまいかねないので、無理して使ったくらい。最後は空港で大体使って(空港は物が高いので避けたかったのだけど)、小銭は記念に持ち帰ってみた。

チップはカード決済なので基本的に不要と聞いたのだけど(サービス料が含まれている場合もあるので)、気持ち程度には渡すようにしていた。うそ、渡し損ねたことも何度もあった。これは慣れの問題かもしれない。ただ、貰う側も色々で、黙って受け取る人や、とても喜んでくれる人などいて、お互いが幸せなのはどっちかな、と思ってみたり。

フランスにはフランス人が住んでいる

「フランス人」とひとくちに言っても色んな人・人種がいることは当然知っていたけど、実際に行ってみると日常的に触れ合う人は黒人や有色人種が圧倒的に多かった。レストランやスーパーのスタッフ、五輪ボランティアなど。
一方でテレビ(フランスTVのテレマタンとか)に出てる人は白人ばかりだったので、外から見てるフランスと、現地で感じるフランスは違うんだと思う。

街としても、(タクシーで通っただけだけど)9区あたりは黒人ばかりが歩いてて、それ以外では白人系と黒人/有色系が同じぐらいだったかな。ともあれ多民族国家なんだな、ということを改めて感じた。そのおかげで何処でも英語で乗り切れたりもするんだろうけど。近隣諸国との行き来も盛んだろうから、言葉もごっちゃごちゃになってるだろうしね。日本で住んでると近隣諸国の言葉すら分からないからなあ……

海外に行くとカルチャーショックを受ける

若いうちに海外に行って異文化に触れたりしてカルチャーショックを受けたり、価値観が変わったりすることは割とよくあると聞く。自分はもうすっかり若くはないけど、それなりにショックなこともあるだろうとは思っていた。なかば期待していた。

何しろ初めてのことばかりなので、「へー、そうなんだー」と思うことはそれなりにはあったけど、ショックというほどのことはなかったし、帰ってきてからも「行く前と今とで考え方が変わった」ということも全くない。正直、ちょっとがっかりしている。

それには色んな要因があると思うのだけど、昔……とりあえず自分が若い頃ぐらい……と比べると、今は日常に異文化(海外)が入り込み過ぎていて混ざり合っていて、特別に感じる部分があまりないからかも、と思っている。日本にいてもすぐ隣の人が何をしていて何を喋っているかとかあまり興味ないし、聴こえてくる言葉も日本語じゃないこともよくあるし、街を歩いていても外国人か日本人のような外国人が沢山いる。決済だってタッチやカードで会話もない。そもそも無人だ。もはや海外とは、という感じだ。

まとめ

まぁそんな感じで、まとめてみると「楽しかったけど(海外/フランス/パリだからという点では)特別なことはあまりなかった」って感じ。これが1人で行ってて積極的に土地の人と交流を図ったりしていたらまた違ったかもしれないけど。とは言え、自分的に特別なこと……おそらく日本/世界で僕だけの……もあったので、それはそれで忘れられない旅になったのも間違いないのだけど。

以降は、もうちょっと具体的な日記とか書きます。お暇な方は読んでみてね。では。

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