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パリ旅行記 04 - 第2日、観戦に向かう

50歳にして人生初の海外、しかもパリに現地6泊(10日間)の日程で旅行してきたので、自分の記録・記念として旅行記を綴ろうと思う。今回は2日目、観戦の日だ。


雨降るパリ

パリの人……フランスの人?は、傘を差さないと聞いていた。
朝から割としっかりとした雨が降っていて、夜の試合観戦(男子体操 第3組)まで市内を観光しようかと思っていたのを取りやめてホテルでゆっくりすることになった。

本当なら、観光のついでに午後に予定されている男子ロードバイク(個人タイムトライアル)を路上で観戦しようと考えていたのだけど、この雨の中でずっと立っているのは傘があるにしても流石に億劫だった。前日の開会式の録画放送をぼんやり眺めながら昼食を取ったりしていると、次第に雨がマシになってきたので体操の競技場であるベルシーアリーナへの移動経路についておさらいすることにした。

ベルシーアリーナは、普段はアコーホテルズ・アリーナと呼ばれているようだ。おそらくネーミングライツで付いた名前で、五輪など公的な催しの際はその名前が使えないので本来のベルシーアリーナと呼ばれているんだと思う。泊まっているホテル・マイ メゾン イン パリ サンティエからは、最寄りの Réaumur - Sébastopol 駅(発音が難しいので原語表記。あえて書くなら、レアムール・セバストポール?)からメトロ(地下鉄)の4号線に乗って、 Châtelet 駅(シャトレ)で14号線に乗り換え、 Bercy 駅(ベルシー)が最寄りとなる。ただ、五輪公式からBercy駅は混み合うので1つ離れた駅(こちら方面からだと、 Lyon 駅(リヨン。なぜパリなのにリヨンなのかは知らない)がそうだった)を利用してねと案内があったので、Lyon駅から歩くつもりにしていた。

メトロについて

メトロの乗り方については詳しいサイト(いっぱいある。るるぶとか)に譲るとして、我が家は1人1台持ったスマホに Bonjour RATP というパリ公共交通が運営するアプリをインストールして、モバイル版のチケットを購入し利用すると決めていた。本当は記念にもなるから Navigo Easy (ICカード)を買おうかとも思っていたのだけど、ちょっとでも券売機や改札での手間を省くことで財布等のスリ被害のリスクを減らそうと考えたのだ。アプリは事前にインストールしてあって、10回券(1回券より割安)を試しに購入していたスマホもあったのだけど、ちゃんと買えたので明日は他のスマホでも買っておこうと話していたら、その日が値上がり前に購入出来る最後の日だったらしく、他のスマホは2倍の値段で10回券を買うハメになってしまった。

五輪の影響で値上がりしたのは、ホテル代や航空券だけじゃなかった。公共交通機関も2倍程度に値上がりしたのだ。その情報は入手していなかったわけではないのだけど、期日まで確認出来ていなかった。1回/10回券は2倍になり、郊外線や1日乗り放題券も値上がりしていた。更に1日乗り放題券は通常のものが販売停止されて、パリ五輪期間限定の券が取って代わっていた。これは区域を越えて乗り放題になるもので、これはこれで便利だったので、10回券が無くなった後に訪れたヴェルサイユ宮殿にはこの券で行くことになったのだけど。

リヨン駅のあたりの地図をGoogleマップで確認していると、周辺がやたらと交通規制されていた。開会式の日はセーヌ川周辺が規制されていたが、今日は何かと思ったら、前述のロードレースのコースになっていたのだ。これ、Lyon駅で降りた後、ベルシーアリーナに行く前に少し寄り道すればレースを観戦出来るのでは……雨もマシになってきたし……。

GARE DE LYON から少し北に行った道路を選手が走るらしい!

いざリヨン駅

そうと決まったら出発だ。地下鉄や会場など人が多いところに行くので、防犯対策は念入りにした。地下鉄の駅は基本的に道路沿いの歩道に階段があり、一部の駅は上り専用と下り専用が分かれていた(五輪の関係で臨時にそう設定されていた駅もあった)。少し気を引き締めながら階段を降りるとあまり広くない通路になっていて、しばらく歩くと券売機と改札と五輪のボランティアスタッフが見えた。この後に利用するどの駅にも(駅によっては地上にも)ボランティアスタッフが複数名いて、誘導や困った人のサポートをしてくれていた。おそらく治安にも役立っているのであろう、あまり話をすることはなかったけど感謝である。

券売機は利用することなく、スマホを改札のリーダーにかざして入場するだけ……だったのだが、スマホの機種の関係か、すぐ認識するものとそうじゃないものがあった。僕のスマホ(OPPO Reno7 A)は読み取りされにくく、何度か長めにタッチし直すことで大体通ることが出来た。日本ではどんなスマホでもちょっとタッチするだけで1回で確実に読み取ってくれるので、機器の精度とか日本人の要求とかを改めて実感したり。改札のドア(ゲート)は自動で開くものと、遊園地のゲートみたいに自分で押して開くものがあるのだけど、後者は割と力が必要だったのが印象的だった。

ホームに降りるとあまり明るい感じではなかったが、概ね綺麗であり、不審者を見かけることはなかった。ここにもスタッフが立っている駅もあり、パリ市/五輪運営は相当力を入れて対策してきたのだと思う。電車は席が少なめの車両が多いのと、降りる時に自分でレバーを回したりボタンを押さないと開かないドアがあるあたりに違いを感じた。どうも停車する直前でも操作出来てしまうらしく、完全に止まる前にドアが開いてしまってビックリしたり。Châtelet駅での乗り換えも問題なく、無事にLyon駅に着いた。

Lyon駅を降りたあたり。まだ雨降り。

駅を降りて少し歩くと、時々歓声が聴こえてきた。ロードレースやってる!
雨の中を折りたたみ傘で急ぐ我々。フランス人は……傘さしてる人、結構いるじゃん。差してない人のほうがやっぱり多くてパーカーのフードを目深に被った人とか結構見かけたけど、ある程度の雨量になると流石に傘らしい。でも折りたたみ傘がほとんどで、長い傘はめったに見かけなかった気がする。

ロードレースのコースに近づくと一際歓声が大きくなり、柵で仕切られた通りの周辺には人だかりが出来ていた。五輪公式アプリで競技の状況(誰がスタートしたとか、何km地点とかが表示されていた)を確認すると、お目当ての選手はまだこれかららしい。

本場のロードレース生観戦

ロードレースはスポーツ観戦が趣味の妻が昨年からハマっていて、JSportでジロ・ツール・ブエルタを中心に観戦しているのを横目で眺めていた程度なんだけど、人気のある選手の名前ぐらいは憶えていた。スタートリスト(PDF)を確認すると最終走者はレムコ・エヴェネプールで、その前がフィリッポ・ガンナ。ファンアールトも出ている。本当ならツール・ド・フランスを観られたらよかったのだけど、五輪のために前倒しで開催されたので仕方なし。またタイムトライアルではなくロードレースのほうも観たかったけど日程が合わず、この日のタイムトライアルだけがチャンスだった。雨というコンディションではあるけれど無事にレースは開始されていてよかった。

コース脇に陣取って最初に通った選手は……なんとファンアールトじゃないか。あっと言う間に目の前を駆け抜ける選手とサポート車両(と警察のバイクやらオフィシャルやら)。雨だというのに直線部分だからか、すごいスピードだった。しばらく興奮しながら観戦していたが、周りの人たちと一緒に選手に「Allez!(アレー!。行け! がんばれ!)」と声援を送っていた。そうこうするうちにフィリッポ・ガンナがやってきた。流石に速い。

速すぎてピントが合わない。そしてこれガンナじゃないかも

いよいよ最終走者のレムコがやってきた。最後の選手ということもあって歓声が一層大きくなった。ああ、これがロードレースか!
(動画は載せられないみたいなので割愛。僕がアレー!と叫んでいる)

ベルシーアリーナへ向かう

無事にロードレースを(無料で!)見届けて、改めてベルシーアリーナへ向かう。試合は20時~22時半予定と遅くなるので、先に何か食べておいたほうが良さそうだ。ただ雨の中を探し歩くのも面倒だったので、Lyon駅(やたらデカい駅で、結構東に移動したと思ってたけどまだ駅が続いてた)の地下にあるマクドナルドに立ち寄った。

パリのマクドナルドは基本的にタッチ画面で自分で注文&決済する形。日本ではモバイルオーダーは普及しているがタッチ画面が設置されている店舗は(我が家周辺では)まだ少ない印象だ。対面よりも言語対応や決済対応の手間が省けて、多民族国家&多くの国と地続きであるフランスには向いているように思う。我々も画面を操作して無事に注文完了。席はきっちりと囲われた店内があるわけじゃなく、駅の休憩スペースも兼ねた感じになっていた。残念ながら天井が高いせいか鳩の休憩スペースにもなっているようで、ところどころに掃除が追いつかない鳩の形跡があったりしたけど。

「マクド」と書いてある。ここは関西
レシートに記入された番号が表示される。日本と同じね
この右側のソースが美味しかった。日本にも置いてくれ

腹ごしらえを終えて、再び歩き出すとベルシーアリーナが見えてきた。コンサートや様々なイベントが行われるアリーナとのことだけど、見た目はなんというか不思議な形をしている。

五輪装飾も加わって割とカオスな外観

長くなったので会場や競技の様子は改めて。1日分を1記事と思ってたけど無理だ……

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