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絵が描きたい気持ち、お帰り。*休職93日目

休職してるから時間はたくさんある。
職場は残業が多くて、仕事に時間を食い潰されていたので、わたしはずっと時間が欲しかった。
やりたいことが幾つもあったわたしは、お金なんかより、時間の方が圧倒的に欲しかった。(残業代は出てなかったけどね)
そんな、ずっと欲しかった「時間」を手に入れたわたしは今どうしているかというと、何もしていない。

いや、何もしてなくはない…いつも午前中には起きて、今は実家に居候しているので家事をして、ペットのうさぎの世話をしたり、そういう「やらなきゃいけない」ことはしている。

つまりできていないこととは…趣味とか、自分のための勉強とか。

山積みにされている本や漫画
見たいアニメや映画もウォッチリストにぱんぱん
うつになって中断しちゃったダイエットもしたい…

色々あるけれど、その中で一番強く思うのは

絵が上手くなりたい。

わたしは子供の頃、絵を描くのが大好きだった。
暇さえあれば、漫画や絵を描いている子供だった。
特に「カードキャプターさくら」や種村有菜先生の「満月を探して」などのイラストを熱心に真似して描いては、友達や親に披露して「上手だね!」と言われるのが嬉しかった。
絵を描くことが、楽しくてたまらなかった。
校内で名乗れば、「みれいさんって、あの絵が上手な子だよね!」と言われて、運動会のプログラムや遠足のしおりの表紙の常連で、読書感想画コンクールでも毎回入賞していたし、学校じゃちょっとした有名人だった。
わたしにとっては絵が自分を表現する手段で、一番の理解者で、親友だった。

そんな中学3年のある日、進路を選ぶ時になって、わたしは本気で絵を学ぶか悩んでいた。
市内には公立の美術科の高校があった。わたしの条件にはぴったりだった。
けれど高校の進路=将来の食い扶持になると思っていた15のわたしは、ここで本当に美術科に進んでいいのか、と思っていた。
絵で食べていけるのか?
わたしにはわからなかった。
当時、「絵で稼ぐ」となると漫画家しか思いつかなかったわたしは、「りぼん」に載るような、ありなっちが描くみたいなかわいい女の子が、わたしに描けるのか。さくらちゃんみたいな胸を打つ物語の漫画が、わたしに描けるのか。
やっぱりわからなかった。いや、どちらかと言うと無理だって絶対に思っていた。
そして担任の先生に言われた一言が決め手となる。
「この学校では、みれいさんが学びたい絵は学べないと思うよ。」

ーーーですよね。
わたしが描きたかったのは漫画的なイラストだし、先生の言うことは間違ってはいなかっただろう。でも正解でもなかったとも思う。
それでも、その言葉を間に受けたわたしは、美術科に行くことを諦めた。

多分あの日、わたしははじめて絵から逃げたのだ。

これ以降、あんなに大好きだった絵を全くと言っていいほど描かなくなる。

そしてわたしは高校はファッションの専門科(被服科と思ってもらえばいい)に進む。

理由は色々あるけれど、一番大きな理由は、ファッション科に行けば将来の働き口が確約されると思ったからだ。
ファッションデザイナーという職業を聞いたことあるしね。
裁縫は得意だったし、これならきっと将来仕事には困らない、と思った。

結果から言うとそれは正解だった。
ファッションとわたしの相性はそれなりに良かったようで、勉強は楽しかったし、成績も優秀で、なんの問題もなく高校も専門学校も卒業した。
卒業後は業界ではそこそこ名の売れた大手のアパレルメーカーにパタンナーとして就職する。
第一希望の会社、希望した職種、何もかも希望通り。
全て順調に思えた。わたしの人生。

ところが、仕事。これが問題だった。
上手くやれなかった。
思えば今まで大きな挫折を経験したことが無かったため、仕事でぶつかる壁は他の人から見たら小さくても、わたしにとってはとても大きな物だった。
そもそも内向的な性格で、人とコミュニケーションを取るのが得意な方ではない。よく知らない大勢の人と関わらなければならない職場の環境は、わたしにとって、想像以上に辛いものだった。
越えられなさそうな障害は回避する、そうやって生きてきた。だから初めて出会う壁が辛いのは当然。
ましてや歴が長くなるにつれ、管理職なんかもやらされるようになり、「わたしなんかが人に指示を出せるような器じゃない!」と「後輩にかっこ悪いところは見せられない」の板挟みになり、そこに仕事の多忙も畳み掛ける。
責任感の重みと自分の不甲斐なさに押し潰されそうな日々。会社に行きたくない、死にたい、このまま目が覚めませんようにと毎日願う。友人にも「なんか変だよ」と数ヶ月言われ続ける。退職届を書いてそれを突き出すイメトレをすることで精神を安定させつつも、実際には自分がいなくなったら会社はどうなるんだという恐怖で辞めたいですなんて言えない。それでも体も心もいよいよお手上げ……盆休みを使って精神科を受診、無事うつ病との診断を受けて、勤続9年目の夏、晴れて休職。今に至る。

自分語りが長くなってしまったけれど、ここからが本題。(本当に前置き長すぎる)

今のちょっとボロくなってしまったわたしが取り戻したいもの、それは本当に好きだったこと。心の親友。
つまり、絵。

絵に、もう一度チャレンジしたい。
ずっと、ずっと、そう思っていた。

9年も同じ職場で働いて、手に職があるのに、それを捨てて新しいことに挑む、正直あほか?と自分も思う。

でも、9年働いた。
それでもわたしは絵を諦められなかった。
描きたい。絵で稼いでみたい。
わたしの絵で誰かが笑ってくれるだろうか。
わからないけど。
子供の頃からの夢は、20年以上経っても変わってないんだと驚く。
このままの生活をし続ければ、この先も、きっと後悔し続ける。今際の時に、「あの時、絵に挑戦しておけば良かった」と言うに違いない。
時が巡って来た、うつになったのは人生の汚点ではなく、新しいことをするチャンスだ、そう思おう。

と言ってもいきなり仕事を辞める勇気はないので、休職と治療を続けながら、絵の勉強をしていきたいなって思う。もしかしたら病状がよくなったら、職場にも復帰しないといけなくなるかもだけど、その時は退職するのか食い扶持のために続けるのか考えよう。
食いっぱぐれるのは困るもんなぁ……。
絵で食べてけるようになるかもわからないけれど。
やってみないとわからないしね。

というわけで、次回からは絵の練習記録をつけていこうと思います。
本当は今回からそうするつもりだったのに、経緯を書いていたら思ったのの10倍くらいのボリュームになってしまったので…

🍀

ずっと自分の心に嘘をついているのが辛かった。
好きなことから逃げるのはもうやめようね。
自分の人生は自分で決めていいんだよ。
フレー、フレー、わたし。

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