2020年予報②|空間超越表現とアナログとの融合 Ver. 2.0
空間超越表現の妙義とアナログ表現との融合 Invisible XR
AR、VR、MRを複合させたXRという言葉が浸透し、エンターテイメントだけでなくビジネスユースでの模索が続いた2019年。5Gの実証実験も相まって、医療や建築などの産業においてもXRが注目されました。
2019年予報の中では「ナカソト逆転現象」という項目で、XRは目新しいエンターテイメントとしての進化を予報させていただきましたが、2020年はより広い領域で一般的・ごく普通のものになっていくでしょう。
例えばスポーツデータを活用したAR観戦表現や、アニメ・CGと実写の境界が曖昧な映像表現など、日常をもう少しだけ立体的にする表現として楽しめるものへと進化します。
同時に、現実世界での物理的・肉体的表現である、ドローンアートやその場限りのパフォーミングアーツなど、人々の心を動かすものとしてアナログ表現も再評価されてくると考えます。
SXSW2018のPitchで受賞したARwallは、映像撮影の現場で活用されている視差を利用した背景撮影用のARディスプレイです。視聴者がCGだと思っていた背景が、実はARディスプレイの前で役者が演じていたなんてこともありえるでしょう。
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空間超越表現と仮想空間での一体感の表現
コロナ禍での大規模イベントはオンラインでの開催が中心となりました。これからのライブイベントやスポーツ観戦など、その場の一体感を感じることが重要とされるコンテンツでは、単にオンライン配信を視聴するだけではなく、仮想空間の中で他のファンと一緒にその場にいる感覚(コミュニケーションが取れる、アピールギミックがあるなど)を味わえるサービスが色々と誕生するのではないでしょうか。その場に一緒にいられないからこそ、一緒にいるような感覚を再現する・・・そんな試みに注目が集まっています。
日本のライゾマティクスでは、オンライン上のバーチャルパーティー会場で、自身のアイコンと他の参加者のアイコンの距離によって音楽や会話の聞こえ方が異なるという実験的な配信を行いました。実際のクラブやライブハウスでの他者との距離感を、オンライン上でどのように再現できるか、非常に興味深い試みです。
また、アメリカの人気ラッパーTravis Scottは、オンラインゲームFortniteの空間上でバーチャルコンサートを開催し、全世界で1200万人以上のプレイヤーがリアルタイムで参加しました。ただ単に音楽を聴いたり、映像を見るだけではなく、バーチャルだからこそ可能なインタラクションと、音楽ビジネスとしての新たな可能性を感じさせる取り組みです。
<ご紹介>
VISIONGRAPH Inc.は、年末に次の年の予報をしております。2020年予報も無料でダウンロードできますので、ご興味のある方は、是非以下よりダウンロードしてください。