妹よ 浪人という肩書にうちくだけそうな妹よ あともう一歩 腫れものに触れるように妹をいたわる母の横じわ 天使の子(島田療育園児とディアコニア・キャンプに行く) 私設に一歩入って尻込みした 口は語らず足は歩けず でもあなたは宝物 いくつと問うても返事もできぬ重度障害児髭もじゃに頬ずりする 未来山脈ホームページ E-mailmiraisan@po.lcv.ne.jp
二十歳の鼓動 ぎゅっと握ってみたけれど答えてくれない二十歳の乳房 傷つきながらの愛だった タバコの臭いをぶつけて去っていった人 ジンフィズに酔いしれてにっと笑った唇また思い出す 白い河床 分れて一年――わだかまりも消え晩秋の落葉に身を焦がす 名をそっと口の中でつぶやき手の平に書いて握りこぶしつくる 裸電球から落ちる灯り この下宿は女ひとりに広すぎる 未来山脈ホームページ http://mirai-sanmyaku.com/ E-mail miraisan@po
今日は、光本恵子の経歴について書かせていただきます。光本恵子 経歴 鳥取県生まれ、京都女子大学文学部国文学学科卒。 学生時代、口語自由律短歌の「新短歌」にであい、宮崎信義に弟子入り。その頃、河野裕子、永田和宏、安森敏隆らと関西学生短歌会「幻想派」を立ち上げる。 1988年より現代口語短歌誌「未来山脈」主宰。 ◎出版物 ☆歌集『薄氷』『素足』『朝の出発』(短歌新聞社刊・現代女流短歌全集)『おんなを染めてゆく』(甲陽書房刊・第12回日本文芸大賞新短歌優秀賞・受賞歌集)『自由の
はじめまして。口語自由律短歌・歌人の光本恵子です。 1945年に鳥取県に生まれ、京都女子大学文学部在学中に口語短歌を始めました。結婚後長野県に居を構え 、月刊の歌誌『未来山脈』を編集発行しております。 これまで『薄氷』『素足』(短歌新聞社)『おんなを染めていく』(甲陽書房・第12回日本文芸大賞新短歌優秀賞受賞)『蝶になった母』(角川書店)など6歌集のほか、評論集、エッセイなどを出版してまいりました。 日本ペンクラブ、日本文芸家協会、現代歌人協会会員です。 「口語自