有機農業の面積拡大!というけれど。。。
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。非常に暖かくなってきましたね。年度も2023年度に切り替わろうかというこの時期、国や自治体で新年度に向けた予算が確定します。農水省の基本戦略である「みどりの食料システム戦略」を受け、2023年度の各自治体の予算にも「有機農業面積の拡大」というテーマが盛り込まれています。
有機農業というのは農水省の定義によると、
1.化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
2.遺伝子組換え技術を利用しない
3.農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する
農業生産の方法を用いて行われる農業のことをいいます。
つまり有機農業で使える農薬や肥料というのはかなり限定的となるため、植物の生育スピードや病害虫への対策などの面で難しく、手間ヒマがかかります。
そのため、手間ヒマがかかっている分、農業者はできた農作物を高く売らなければ、農業経営は成り立たなくなってしまいます。つまり農業経営自体が持続可能ではなくなってしまいます。
では価格が高くても有機野菜を買いたいという消費者がどれくらいいるのでしょうか?日本政策金融公庫の調査(下記)によると、「価格は気にせず購入したい」というのは全体で4.4%。また年代別にみると、比較的に財布に余裕のある20代が7.2%、70代が5.1%と多少高めとなっているが、40代、50代の財布の苦しい世代では低くなっています。
最近の物価高の中ではますます食費を切り詰める方向に行くと思うので、有機農業の面積拡大には逆風になるように感じます。
有機農業の拡大!にはまだまだ課題が多そうですね。
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