NUTRITION & SUPPLEMENTS サプリメントマーケットを顧客視点に変えていくために
薬機法の改正が、2021年8月から実施されています。これを機に、日本でのサプリメントマーケットが少しでも健全化されることを願うばかりです。今回は、サプリメントマーケットについて俯瞰するとともに、悪貨が良貨を駆逐する状態であってはいけないマーケットについての提言と、そこをベースに顧客に向き合っていく事業者にとっての、マーケティング&コミュニケーションと商品開発の一助になるように記事を執筆します。
*ご意見どんどんお寄せください。健全になるためにオープンな議論と行動が出来ることを願っています。
サプリメント(栄養補助食品)とは(いまさらながら)
サプリメントには、錠剤、ソフトジェル、カプセルなどのさまざまな剤形があり、栄養不足を改善するだけでなく、正常な身体機能を強化することが目的として服用されています。世界マーケットについてはこちらのレポートを参照ください。
food supplement industry data in 2020.
Vitamins-Dietary-Supplements-Market-Overview
サプリメントの最大マーケットアメリカのトレンド
サプリメント最大マーケットアメリカのトレンドをWatchしている日本の事業者も多いかと思っています。よくアメリカで〇〇が流行っているから日本でも、アメリカで〇〇億円市場規模があるから、日本でも人口比率で〇億円はマーケットがあるという経営者にお会いしますが、そもそものロジックが間違っていますので失敗します。
トレンド1:サステナブル(持続可能性)
・有機栽培などの持続可能な原料を使っている。
・添加物や乳化剤などの化学薬品を使わない。
・再生可能エネルギー、クリーンエネルギーを活用している。
・環境やリサイクルに配慮したパッケージを使用している。
・環境に優しい輸送資材を使用している。
トレンド2:植物由来
ベジタリアンやヴィーガンの人々が増え、乳製品や動物由来成分が入っていないサプリメントが人気で、保存料や人工香料などの添加物を使用しない100%天然由来成分です。
トレンド3:CBD(カンナビジオール)など大麻由来成分系
グリーンラッシュでもある、大麻草成分です。ストレスや痛みの緩和、不眠症、鎮静作用、リラックス効果などを訴求しています。DTCブランドも多々あります。edibleカテゴリー、Femcareカテゴリー、Petカテゴリーが日本での参入展開の有望領域だと捉えています。(いつでもご相談に乗ります。)
PrimaはWatchすべきブランドです。
トレンド4:薬用キノコ
コンブチャ(Kombucha:日本では紅茶キノコ)からはじまり、霊芝と冬虫夏草などに広がっています。Beerとかにも入れているのですが、この領域はよく理解できないです、プロバイオと同じですがプロセスが不明です。欧米ってこの手好きです。ホメオタシスとかハーブとか。
トレンド5:MCT(中鎖脂肪酸)
ココナッツオイルやパーム油に含まれる天然成分:ダイエット系ですね。プロティンでも流行っていましたからご存知かと、基剤として利用すると商品力があがりますが、日本は乳系への消化系の耐性が弱いので別の基剤(Omega3系など)も候補に挙げておくのが良いです。
を、
Prenatal 産前産後
Mens
Womens
KIDS
に対して、下記のようなペインにソリューションを充てています。
Bariatric 肥満
Fitness フィットネス
Sleep 睡眠
Energy エネルギー
Stress & Anxiety ストレス・不安感
Weight Support 体重サポート
Immune Defense 免疫力向上
Healthy Aging ヘルシーエイジング
Digestion 消化
Detox デトックス
Joint Health 関節
中国とアジアマーケット(成長するよねってだれでもわかる)
当然、人口的に言えばこのマーケットを見逃すことは出来ません。一方でOEM供給先としても、アメリカが原料輸入のメインとしているとおり、通常の1/3程度の価格で製造が可能です。(品質は確保しないと規制・検査にとおりませんのでしっかりと工場品質を確認ください。:サンプルではないですよ。)
日本では
特定保健用食品・機能性表示食品・栄養機能食品などがあります。
*後ほど方向性で記述しますが、機能性表示食品は特定保健用食品(トクホ)とは異なり、国の許認可制ではないことなどの課題はあります。
中国でもの健康食品には法的に規定された分類があります、中でも保健食品は、
・特定の保健効能有する食品(功能性保健食品)
・ビタミンやミネラルの補充を目的とした食品(栄養補充剤)
があり、CFDA(国家食品薬品監督管理総局)による厳格な登録管理が必要ですねど、通常の食品と異なり功能が表示可能となることが日本との差です。
当然ですが、保健食品は、手続きが煩雑で申請に時間がかかることや、実験検査で多大なコストがかかるというデメリットもあります。海外メーカーは一商品の許可申請で、最少で50万元、2年以上が必要となりますが、高くはないように思います。まずは越境などでテストマーケティングして展開すれば後ほど記載する、キャッシュフローの視点からも有効性が高いと判断しています。
中国のサプリメント市場の動向で特筆すべきなのは、健康を心配し始める中年以降の世代の需要をより、995‐99年生まれと2000年以降生まれの若者の間におけるニーズが顕著なことです。
・アイケアサプリメント
・プロテイン
・ビタミン系サプリメント
などが成長しています。(コスメでも成分にこだわるマーケットトレンドがあります:成分党)
中国マーケットの分析はこちらを参考にしてください。
但し、中国の全人口が市場ではありませんので要注意です。森を見ないで木を林をみて参入してください。*情報が、上海などの情報だけだと見間違うことになります。
「第一財経」というメディアが毎年発表する「都市商業魅力ランキング」「商業施設の充実度」「都市のハブとしての機能性」「市民の活性度」「生活様式の多様性」「将来の可能性」などの指標を基に、国内337都市を一線、新一線、二線、三線、四線、五線都市としてランク付けしています。
中国のEコマースでアリババを凌ごうとしているプラットフォームも、都市ランキングの三線の消費者を対象に業績を伸ばしていたりします。
*JD.com
*拼多多(Pinduoduo)
*アリババグループ
中国には14億人の消費者がいますが、医師は280万人しかいません。USAと環境は違いますが、セルフメディカルマーケットは大きいです。例えば、DXYは今では中国最大の医師コミュニティになっています。
日本(基本は衰退マーケットです。が、マーケットはピボットする必要があります。)
日本のサプリメント市場は縮小傾向であることは知られています。また、顧客の高齢化と、女性がメインのマーケットです。
概要はこちらなどの調査を参考にしてください。
現在、日本のマーケットに出ている、サプリメント・健康食品(特定・機能性含む)は、様々な問題を抱えています。
*明確でない有効性,あまり確認されていない安全性
*医薬品と健康食品の相互作用
*有効性に関する問題点
効果の学問的裏付けは極めて弱い いわゆるバイブル商法
医師推奨(日本の資格ではない)やこれらの機序を掲載体験談がベース
「〇〇〇ががんに有効」
「コラーゲンでお肌プリプリ」
「グルコサミンは膝に良い」
「〇〇がアトピーに有効」
現代医療の不信感を上手にあおっているケースがほとんど。
国民生活センターも健康食品の素材がまともに入っていなかった調査報告
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20190801_1.pdf
にもあるように、
現在、市販されている健康食品の多くは、残念ながら人間に対してその有効性に明確な科学的根拠の証明されている成分は、ビタミン、ミネラル以外では非常に少ないです。SR(Systematic Review・総合的文献調査)でも、有効性に関しても素材としては確かに人試験も含めてそれなりのデータがあるものもありますが、従来型の広告の根拠になるほどのものは無いと思っています。(なので、FUJIMIとかの炎上がおきるのです)。
FDAや、USAの文献を探すことを推奨します。
このように、引用することで、信頼というリテラシーを共有してください。
一方で、そうした科学的に有効性の証明された素材・成分からなるサプリメント商品であっても、その素材・成分の有効量が必要充分に配合されて入っていないといけないが、実際には内容量がとてもいい加減なのが日本の商品でありマーケットです。これは根本的なことなので自社が変わることは容易ですね。(問題は提供価格)
*安全性に関する問題点
一般の人には「食品」という言葉の中に「安全」という漠然とした安心感が発生しているようですが。しかし、栄養素として重要なビタミンに摂取上限値が設けられていることからも明らかなように、たとえ食品基準でも抽出、濃縮されたようなものを日常に食品として摂取する何倍もとれば当然健康に対する影響が発生するのは必然です。
*日本の特定保健用食品は米国のダイエタリーサプリメントの定義には当てはまらない。のでより注意です。
一般消費者はこうした情報をほとんど得られない中で、サプリメントを選択せざるを得ないので自主基準を展開するのは良い施策だと考えています。
+最大のテーマ:購入方法に関する、定期縛りなどによる顧客不在の問題点
一番かつ最大の問題としては、そもそもの顧客の利便性のための、定期購入(日本だけの購入文化)を、オフラインメディアが主流の時代にサービス開発してローンチしていましたが、(単品リピート通販モデル)、これを、デジタルメディアのCPA=<LTVにするために、定期縛り契約を顧客に不実で提供していたために、顧客からの不信感を有する業界となっているのが現状です。
*定期購入型モデル=サブブスクリプションビジネスモデルについては後ほど詳細予定。
定期購入型モデル・頒布会(はんぷかい)モデル・利用権利型モデル・レコメンドモデルなどがありますが、サービスモデルと組み合わせで顧客ベネフィットを最大化できるモデルが構築できます。が、顧客が生活態度・態要を変えて習慣化=価値を体感してくれるかは別次元です。
*上記に関連しての、デジタル広告プラットフォームでの広告審査基準の厳格化の問題点
これは、良質な事業者にとってはとても追い風(健全化でもあり、信頼できるプラットフォームでのタッチポイントは、顧客が安心できる)ではありますが、一方で機能性表示、ブランドサイト、成分の基本機能以外の訴求についての不許可など、広告展開にFVなど以外はほとんど同じものにならざるを得ないようなクリエイティブになる課題もあります。
アフリエイト、インフルエンサー、アンバサダーなどの表現の違いはあるにしても、人の繋がりを利用しての有料広告手段についても同様の課題があります。
*そもそも、知識の薄いアフリエイト、インフルエンサー、アンバサダーをフォロワー数≒顧客のオーディエンスで利用することに無理がありますが。
サプリメント・事業者が本質に戻って創り上げるべきこと。
マーケティングや、CRMのTipsについては数多くの、note記事や、支援事業者のコラム、運用会社のコンサルティングなどで情報提供されているのでそちらを参考にして、自社のモデルとして組み込んで、昇華させていただき、自社のブランドの一部として組み込んでください。あくまでも、他社の成功は他社の顧客との積み上げたコミュニケーションによる結果ですので、マネても同じ効果は産まれません(劣るかも知れませんし、上回るかもしれません)。失敗を共有して無駄な失敗をしないことが重要です。ので、パートナーとの出会いは大切にしてください。
1つの参考となるビジネスモデル Ritual を分析してみる。
USAでとても有名なサプリメントのDTCブランド Ritual のビジネスモデル、マーケティングモデルを研究・分析することで、課題に対する方向性を導きだしてみましょう。
2016年に発売された直接販売のサブスクリプションサプリメントライン
マルチビタミンはすべて非GMO、ビーガン認定、アレルゲンフリーであり、着色剤や合成フィラーを含まず、各成分の出所に関する情報に簡単にアクセスできるようになっています。
消費者教育と透明性を優先することにより、このブランドは、ウェルネスとラグジュアリーの結びつきで、サプリメントと健康に関する情報に通じた新しい顧客へのアプローチをしています。
Instagramに代表されるソーシャルメディアに適した、ブランドイメージチェンジを実現している、ウエルネス&ドラッグサプリメントがないことは体験されていると思います。高齢者のニッチ市場であったビタミンやサプリメントなどの健康補助食品を、ミレニアル世代向けのブランドとして、成長、グロースさせることで、世代間での情報シェアを実現して商品&顧客のカバー領域を拡張しています。
創設者兼CEOのカタリナシュナイダー Katarina Schneider のForbesでのインタビュー
snaq.me の服部様の note に詳細が記事化されていますので一読ください。とても分かりやすいです。
【提言】と「思い To Be」
1:正しい情報を消費者=顧客とともに、創り上げていくこと
から、始めることが大切であることは、Ritualの事例からもご理解いただけるものと考えています。日本は、とても栄養学や、疾病、健康への基礎知識が不足していて、かつ情報習得への意識が乏しいです。一方で、サプリメントへの人間としての、ウエルネスライフ、インナービューティとしての期待値はとても高く、益々ヘルス・ビューティに関する情報の重要性が増しています。これは、日本だけではなく、USA、中国、韓国などのしっかりと規制・監督している国・エリアから数多くの、エビデンスとマーケティングによる情報やコンテンツが、WEBテキスト・画像コンテンツだけではなく、SNS(Instagram・Twitter・Tiktok・YouTube)などより発信され、接触するに従って醸成されていきます。
消費者=顧客がそれらのコンテンツと触れること(コミュニケーションまで行くかは別)で、サプリメントへの期待を膨らませることが想像できます。
そのためには、まずは、顧客の声を受け止めることです。わたしたちは一般的ではありますが、ブログやInstagramなどSNSで交わされる属人的な情報をデータ化することからです。具体的には、ハッシュタグで自身の生活おケーションなどの行動や悩みと、解決した方法をアップしていたり、タグで検索しながら、自分と似た環境で行動をしている人を探すというユーザー行動があります。そうした情報を手元のExcelなどでデータ化してペインと行動と「なりたい自分から、実現したい環境と実現したい行動など」をペルソナに落としていきます。このアカウントデータは、先々の、インフルエンサーとしてのお声がけを通じての、アンバサダーへの昇華も期待できると捉えています。ここでは、フォロワー数などはむしろ少ない方がノイズが入らなくとても有効です。
2:サプリメントマーケットを本来の信用・信頼できるマーケットにリニューアルすること
サプリメント業界は、日本式「単品リピート通販モデル」として、成長確立してきた、ポジティブ面とネガティブ面があります。日本特有のマーケティング・市場構造として、しっかりとしたエビデンスを提示してのマーケティングや、消費者のペインに寄り添ったコンシェルジュサービスを展開している事業者はとても少ないのが現状で憂慮されます。
通信販売の時代から、EC(electronic commerce)という、デジタルの販売チャネルの確立の事業構造の変化の過程で、通信販売の時代であれば、20年前の40代の女性を対象として、それが顧客とともに成長して60代以上の女性をが対象として、旧4マス広告に、ワンステップ(初回割引1-2000円)・ツーステップ(ワンコイン:500円-1000円)の手法を展開して(TVで告知して、新聞でCVを掛けるとか、今では、逆に新聞・折込で告知して、TVインフォマーシャルでCVを掛けるとか、オフライン受注としてコールセンター 0120-に発信をさせて商品の注文をいただき(受注)、CRMを駆使して継続購入を促して、CPA=<LTVを実現するようにマーケティング&コミュニケーションを実施しています。
旧来であれば、CPAが、数百円の時代もあったのですが、(MRが7とかの時代:現在では食品でしかこの数値は叩き出ないですが)、現在は大方が1回の購入単価の数倍のCPA設定になっているのが現状です。これは、新規の顧客を増やせば増やすほど、キャッシュアウトする事業モデルであり、キャッシュイーブン(利益ベースでも、売上ベースでも)になるためには、顧客平均して数回の継続購入が必須となる(コホート分析でKPI管理していきますが)、ファイナンス業が実際のビジネスモデルです。これは、ECサイトへのアクセスを促しての顧客化を図るモデルでも同様のビジネスモデル・スキームであることはご理解いただいていると思います。
そのため、新規顧客のCPA=LTVを確定するために、購入回数縛り(定期縛り)の手法を採用したり、リピート性を確保するためにの、消費者に対して不利益な商品提供方法を採用している事業者も数多くあります。
これ以外にも、ネガティブ面では、そのビジネスモデルから、リピート性に重要な経営指標を設定するモデルのため、アフリエイトなどの正確ではなく、薬事法(薬機法)を遵守ギリギリの表現を展開して、顧客として「獲得」するという手法が確立しています。さまざまなマーケティング手法を展開して、顧客の「獲得」を展開、実施したり、顧客の「離反(解約)阻止」のための、コンタクトハードルが高いコミュニーション設計をしたりしています。新規で単品リピート(いまどきは、D2C・サブスクリプションと表現していますが)として、LPからのCVを上げるために過激な表現を採用したり、F2以降の継続率を確保するために、解約のためのプロセスを複雑にしたり、定期出荷の事前告知をしなかったり、顧客のベネフィットと逆の施策を採用して成長=成功した事業者が喧伝されています。
一方、原価に視点を移せば、原価率は低ければ低いほどよく、また、単品成分訴求よりは、これも、あれも配合しているので。マルチで多面的に効果が期待できそう=顧客のペインのキーワードに少しでも触れようといった商品開発とマーケティングを採用している事業者が多いのはご体験すみかと思います。そのため、エビデンスをベースにした、必要成分が配合されていないので、当然効果・効能を体感されることがありません。したがって、顧客も継続することはなく、サプリメントって効果がない、効果があると認識されている顧客(実際にあるのは、10%以下と言われています。OTCでも30%が効果測定値です。)は、プラセボ効果がほとんどです。
閑話:定期購入について
定期コースの記載ポイントをあらためて整理してみます。
1.記載場所 とそこに 2.記載内容 について示されています。
1.記載の場所
①オファー画面
②特定商取引法に基づく表示
https://www.yazuya.com/hyouki/
→やずやは、定期縛りしていないので参考にならないですが、
③LPなどの申し込み完了の最終確認画面とチャットボット利用ならその画面
一番問題となっているのが、申し込み完了画面で記載内容を、「申込ボタンの前」にすべて判読可能な大きさで記載されているかです。
当然、「戻るボタン」は必須です。
2.記載内容
(1)定期詳細内容
①縛りの有無。
②縛りがない場合は、「解約しない限り続く」ことを書く必要があります。
例:・中止のご連絡をいただくまでは自動的に継続してお届けします。ご連絡をいただき次第、お届けを中止いたします。
③解約・休止を行うべき時期
例:・変更または中止の場合は、お届け予定日の10日前までにご連絡ください。
④各回の金額。
初回〇円、2回目以降〇円。税込・送料も必要
例:https://www.yazuya.com/items/ninmaca/wild/
と、縛りがある場合は総額。
(2)支払時期、引渡(お届け)時期などは当然ですね。
例:※ご返品は未開封に限り商品到着後8日以内にご連絡ください。
お客様都合の場合、返送料はお客様負担、返金の際は事務手数料600円を差し引いて返金します。
※お申込み当日~翌営業日めどに発送し、2日~1週間程度でお届けします。(都合により遅れる場合もございます)
あらためて、商品面で言えば、同じような成分(Formula)で、デザインと訴求ポイントの微小な差異でマーケティングを実施して、本来の商品成分(Formula)の企画・設計を怠るだけではなく、コストカット(シーリングセーブ)することに、経営指標として重きを置いたために、本来あるべき補助作用が提供出来ないことが数多くあります。
3:消費者が、顧客から、ファンになり、「ペイン」と「ソリューション」を友人・知人に共有できるようにすること DTCの本質を展開すること
このマーケット状況では、消費者が顧客としてファン化してくれることが、より一層困難になり、事業構造が維持出来なくなったため、D2C(DTC:Direct to Consumer )モデルとして焼き直しを図ってきました。(本質を表現、体現していないのが日本の現状ですが)
従来のECの販売チャネル機能に加えて、他のデジタルメディアなどを利用し、事業者のアウワーストーリーやブランド目的価値観、商品のベネフィットなどの情報をできるだけ直接、消費者=顧客に伝えていく、情報チャネルの構築・提供によりウエイトをかけていくことに力を入れてきたのが、USAで成長してきた、DTCのビジネスモデルです。
https://www.instagram.com/ritual/
Social Media Influencer
Affiliates
Refer-a-Friend
Ambassador
といったプログラムを走らせることが重要です。
5:DXを活用、進めることで、消費者へ効果的、効率的な情報・商品提供を通じて、コストコンシャス・ベネフィットのあるマーケットに蝉変させること
SEO対策をして、自社のオウンドコンテンツへのアクセス誘導を実施したり、SNSを使って広報・コミュニケーション・キャンペーンを展開していくことがモデルの基本ですので、より「サプリメント」成分や、ペイン、作用プロセスなどについて、適切・正確・信頼のできる情報コンテンツの発信を事業者サイドがすべきことになっています。
このポジションに、今は、医師監修とか、薬剤師、管理栄養士監修などのタイトルマーケティングが展開されていますが、事業者のブランド担当者が、発信することが、より一層重要になってきています、アドバイザーとしてニュートラルな立場で情報提供・発信を進めることがより一層求められている時代になったと捉えています。
一般的、典型的なD2Cのビジネスパータンはインフルエンサーがいて、インフルエンサーの情報に消費者が直接触れ、アプリやECサイトで直接購入するとモデルですので、ブランドからの「サプリメントに関する」正確な情報提供の重要性が高まっていることが理解できます。
情報を直接消費者に届けられ、なおかつECビジネスモデルがとれるのがD2Cの特徴ですので、「サプリメント」の正確な情報の発信と、ECの本来の特徴・強みである、ローコスト・コストコンシャスでの顧客への商品提供を通じて、より良い商品へ改善していく(成分配合率を、作用を体感がでるように配合するとともに、適正な原価をかけていくとともに、提供価格もより消費者に親しみやすく、購入ストレスない価格へ収斂していくことが期待されます。
閑話:機能性表示食品制度に関して(どうかなって制度ですが)
機能性表示食品制度とは(消費者庁HPより):
「国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行いませんので、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります」
別の表現をすると、科学的根拠がある場合に限り、身体の特定の部分を対象とするヘルスクレームを表示することができるってことです。
でここからが、課題です。
科学的根拠とは、届出された最終製品のヘルスクレームの根拠となる、
最終製品を用いた臨床試験(ヒト試験)(RCT)
最終製品又は機能性関与成分に関する研究レビュー(SR)
日本で2020年度に届出された製品のほとんどがSRで評価を行っていますので、すべてのサプリメント商品の期待効果は同じだということです。=差は無いってこと。単一成分として最も届出数が多かった成分は
・GABA
・難消化性デキストリン
・ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン
・イソマルトデキストリン
で、
サプリメント形状加工食品
加工食品
生鮮食品 といった、加工食品カテゴリーが増加していることは生活シーンで感じているを思います。
ヘルスベネフィット視点では、生活習慣病に関連が目白押し
・食後血糖値上昇抑制
・腸の健康
・脂肪の減少および抑制
・肌の健康
・血圧、血中コレステロール低減
あと、フォーカスが当たっているのは、
・ストレス軽減
・睡眠サポート分野
定番の
・関節系
話題性の市場性では、
・免疫機能に関する:免疫って医学的にはエビデンスが難しい。
・認知機能の一部である、記憶力の向上 Nootropic は伸びます。
お気づきかと思いますが、SRがメインですから自社にとって必要な情報で、届出をしますので、
機能性表示食品の表示内容の不一致が恣意的に可能ってことです。
製品の機能性関与成分と実際に表示されているヘルスクレームは違います。機能性物質リストから、表示できるにもかかわらず届出されていない別のヘルスクレームはあるということです。
事業者が D2C CX視点でできること。
顧客視点での情報の公開(オウンドメディア+ファクト情報のリンク)
日本には公的な情報データベースはこちらです。
国立医薬基盤・健康・栄養研究所による「健康食品」の安全性・有効性情報データベース
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/indiv.html
厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html
*興味深いことにほとんどの成分に効果が無いって注意掲載されていたりします。
例:オメガ3系脂肪酸 Omega-3 Fatty Acids
顧客が、関与成分の有効性情報に簡単にアクセスできること
健康増進のための正しい情報に基づいた、最適な選択を行う能力が向上する可能性を提供すること
がとても重要で、役立ちます。(大手は、やっているよねとの指摘があると思いますが、それは中立ではないかも知れませんし、D2C事業者としては、他社の有意義なコンテンツがあれば、リンク=キュレーションで情報提供をすれば良いと考えています。(本質的なコンテンツであれば、ビジュアルデザインでしか差別化は出来ないので、より深い解説・詳細説明を展開すればよりよいコンテンツになります。)
USの公的サイトのNewsLetterをWatchするととても参考になります。
6:信頼できるコンテンツとVOC(顧客の声と、それに応える商品を提供する事業者が活躍できるマーケット環境に導くこと
ここ数年、日本で「サプリメント市場」の絶対額が成長していないのは、マーケットの歴史と顧客の評価(実体験と口コミ)の結果だと考えられます。
一方で、USAでは、毎年より良い「顧客体験(ペインの解決)」を提供するために、次々と新成分の開発とそれを活用した商品が提供されています。
その、顧客ファーストの視点によって、商品単価が日本より低いにも関わらず「サプリメント」市場は成長を続けています。
逆に言えば、それだけの市場パフォーマンスは潜在的にあるということですので、ホネスト(信頼と正直にフォーミュラーを提供する)に行動することで、顧客からの期待に応えられる、責務=マーケットは無限にあると考えています。
https://ritual.com/ingredients
日本でも、その現状を課題= チャンスと考えるZ世代の起業家たちが、アメリカのDNVB(Digitally Native Vertical Brand)のビジネスモデルをコピーキャットして日本でもその価値を浸透させようとしていることは、とても素晴らしいことだといえます。
7:日本では得られないエビデンスを、海外から取得して、安全・安心に提供することでより、セルフケア&ドウ イントゥー ボディ&ブレイン メイクトゥー ビューティ を実現すること
EC、D2Cは一方的に商品や情報を届けるチャネルだったのに対し、顧客体験(カスタマージャーニー)サービスを届けるということと、インタラクティブ(相互)のコミュニケーションのプロセスによって、ブランドを醸成していくことが重要かつ大きな特徴でもあり、実施していくべきテーマですので、ブランドの顔をとなる、CMOやCPOや、CBOなどやそのチームは、単なる、サプリメント知識保有者という1つのベースメントだけではなく、コミュニケーター、ブランドマネージャー、コンシェルジュ、というフロント機能の役割を発揮するとともに、マーケティング知識、それを実現するツールの選択と運用を設計する、システム知識なども有することがより一層重要になってきていると考えています。
SELFCARE & DO
Into BODY & BRAIN
Make up Beauty for BODY
が1つのストーリーとして伝えることが出来る時代だと考えています。
この時代の環境に対して、SEO対策のために上記の、「知識」や「経験」のコンテンツを作成・提供するだけではなく、顧客と、共通・コラボして基盤コンテンツを創りあげていき、共通(標準)コンテンツとして利用(無料・有料を取り混ぜて)できるようにするともに、各事業者サイトや、コンテンツの信頼性を、認知と創造するフェーズになってきていると考えています。
コミュニケーション力を活かして、正しい情報と届けるだけではなく、正しい知識と体験に消費者とともに導くことがこれから求められてくる姿だと考えています。
だれでも、正しい情報にたどり着ける、成分情報は各事業者が構築するのではなく、基本フレームワークとして提供することで、信頼担保するともに費用と工数を抑えその分を、コミュニケーション&コンシェルジュに割くべき時期に来たと考えています。
*情報って同じですし、間違いやアップデートはみんなで創り上げていけるのが嬉しい。
新しい世代とともに、本当のニュートラル情報をお届けするということ、消費者に正しい知識と知見を共有して、マーケティング手法に迷わない、戸惑わないようにするとともに、すべての成分の作用が、すべての人に関与して作用などが体感できるわけではなく、自分自身の状況に応じて摂取するものを選択する基本的な判断力を涵養させることが求められていると考えています。
DXは、顧客の利便性を高めることが本来の目的です。(デジタル化することが目的ではないです。)
今まではサービス提供を実現するために、工数と費用が発生していたため提供出来なかったものが、
パーソナル診断(問診)や、USAでは Quiz
スマートフォンのMixed Reality(複合現実)とウエラブルデバイスなどとのアプリ連動から組み合わせから得られる、バイタル情報と画像診断を利用・活用して、
より簡単で安心信頼したログ情報から、より適正なサプリメントなどのアドバイスをリーズナブルに提供できる環境になってきていますので、サプライチェーンの変革も含めて変わっていく時期だと考えています。
相談プラットフォーム
ケアサポートするサービス
自分データ記録していくサービス
などは既に世の中に広くありますので、そのポジション争いをしてもとは思っています。であれば、0パーティ+Firstデータ同士を活用してで顧客にとっての利便性を高めた方がベターです。顧客にとって必要なのは、年齢や、悩み、ライフステージ、ライフスタイル、疾患、治療履歴、バイタル値などさまざまなパラメーター大量データ群の中から自分に合ったもの、似通ったものを抽出しサポート、アレンジしてくれることです。こちら事業者が売らんかなの、顧客のアラ探しをすることではないはずです。
必要なファクションは、
①自分記録
②統計データから自分と近い(同質データ)の提示=アドバイス表示
③コミュニティ
だと考えています。
9:アジアなどの人々への、サティスナブルな活動を通じて一緒に各テーマをサポートすること
また、日本のマーケットからローンチするより、同じ初期のキャッシュフローでの事業計画があるのであれば、成長、グロースしているマーケットから参入して、逆輸入ブランドとして展開することも検討の余地が十分にあります。アジアを初めてとする地域への、ウエルネス環境について購買を通じて提供が可能になるので、基本的なウエルネス環境を普及することも視野に入れることができます。一番は、キャッシュフローを産むチャネルが構築できるということです。
それに伴い、オーガニック成分の生産拡張を通じての収入の確保や、教育の機会の充実を実現するだけではなく、基本的な食の重要性の基盤提供も付随的に実現できると考えています。
10:環境などの真のコストを明示した、ホネストな商品提供とサービス提供をすること
環境に関しても、ブームというかイメージメッセージだけではなく、本来のトータルコストと環境負荷と、そこから得られる消費者ベネフィットを「見えるか」する=明示してディスカッションすることで、より最適な商品フルフィルメント環境を通じて、意識することなく自分の環境へフィードバックできるものと考えています。
デザイン面と、顧客の行動面から
サプリメントは止めずに継続して飲むことが大切ですが、「つい飲み忘れてしまう...」など、なかなか継続するのは難しいものと言われています。解約、スキップ理由の上位にも定番で掲載されています。
飲み忘れないコツや上手な取り入れ方が重要だと考えています。
①目に入る場所に置いておくこと。です。タブレットや顆粒のサプリなら、自宅・会社・小分けにしてポーチに入れるなど数カ所に分けておくと、目に入った時にサッと飲め、飲み忘れが少なくなります。
②アルミパウチは、何処かにしまい込んでしまうし、隠れてしまう、またデザインが目に付くと楽しくないなどの理由がありますから、ドレッサーなどの生活行動ライン上におけて、小分けにできる詰めかけ容器の提案を推奨しています。
また、薬機法の関係から取得(召し上がりかたに複数回での摂取を表現することが難しいので)方法を、より効果的に体現するのにも役立つと考えています。一般的に、サプリメント成分は、約1~3時間で血中濃度があがり血液中を通って全身に運ばれ、おおよそ24時間ですべて体の外にでてしまうことなどが検証されているからです。下記のように、1日の摂取量の〇〇%が含まれているなどの表記は日本では見たことがありません。
REFILLING CONTAINER:詰め替え容器 を提案しています。
これは、参考ですが、詰め替え容器を採用することで配送コストや、摂取の継続性がとても高まります。
*ここでは、記載出来ないくらいの、行動と環境視点があります。(実はSDG’Sは、購買決定要因ではないとか、環境の1つだけを切り出して訴求しても、トータルでみると環境負荷が高いとか、それを利用してのグリーンウオッシュをしていると判断されたりとか、・・・)。継続的にどう変えていくかを明示できないと、事業として挫折していくことになります。
このように、D2C事業者の可能性はたかく、1つのサプリメントの市場構造を変えていくことで、波及的、遡及的にプラスに向けていくことが、従来の社会的機能・役割だけではなく、新たなる機能・役割になって行くべきと考えています。
日本での参考事例。
今回は、思いをかねてのアウトラインを記事化してみましたが、次回以降具体的な、製品開発の事例や、マーケティング事例をご紹介出来たらと思っています。
とても、難しくて地道なマーケティング活動になりますが、試しに展開してみたいと思われましたらお声がけください。いつでもお手伝いさせていただきます。
閑話:ヌートロピック(Nootropics)
定義:健康な人の脳の機能や能力を高め、認知能力や記憶力を高めるとされる薬品や物質:マートドラッグ、向知性薬
ベネフィット
・メンタル・エナジーブースト
・疲労感や倦怠感の軽減
・注意力、集中力の向上(eスポーツや、スポーツニュートリション領域で成長します。)
・記憶力向上
・気分や幸福感の改善
高齢者により訴求だと
・認知機能の健康的な加齢
・不安とストレスの軽減
・睡眠
成分:敢えて順不同にしています。先のDBで調べるとフォーミュラが見えてきます。是非、お試しください。
・L-テアニン:L-theanine
・CDP-コリン:CDP-choline:ヨーロッパで薬として処方されることが多い
・クレアチン:Creatine monohydrate:エネルギー代謝に重要な役割を果たす天然物質。
・バコパモニエリ:Bacopa monnieri:ハーブバコパモニエリから作られた薬です。アーユルヴェーダのような伝統的な医療行為で脳機能を改善するために使用
・ロディオラロゼア:Rhodiola Rosea:健康と健康な脳機能を促進するために漢方薬でよく使用されるハーブ
・レスベラトロール:Resveratrol:ブドウのような紫や赤の果物の皮に自然に存在する抗酸化物質
・ホスファチジルセリン:Phosphatidylserine:リン脂質と呼ばれる脂肪化合物
・アセチル-L-カルニチン:Acetyl-L-Carnitine:体で自然に生成されるアミノ酸です。それはあなたの新陳代謝、特にエネルギー生産において重要な役割
・イチョウ葉:Ginkgo Biloba:脳への血流を増やすことで機能する
・高麗人参
・オメガ3脂肪酸:Fish Oils DHA EPA
・カフェイン:Caffeine:サプリメントとして摂取することは可能ですが、これらのソースから入手できる場合は、実際には必要ありません。
・タウリン
・ビタミンB群
・S-アデノシルメチオニン:S-Adenosyl Methionine:体内で自然に発生する物質、タンパク質、脂肪、ホルモンなどの重要な化合物を生成および分解
事例
閑話:ホネストと環境など
コスメから広がりを見せていますが、〇〇Feeを実現していくことがムーブメントのようです。どう実現していくかはあると思いますができることは1つ1つ採用していくことは大切です。 先ずは、どのようなバックボーン(価値観で)、どう定義、認証されているかは理解しておきましょう。
ここを、読むと一通りの知識は得られます。
ここもしっかりと説明しています。
EU基準なら、日本語で勉強できます。
各認証サイトを訪れると、認証ブランドがありますのでとても参考になります。
例:Cruelty-Free.残虐性(cruelty)がない(free)」という意味。
具体的には、化粧品や日用品の開発・製造・市場進出などにおいて、製品が消費者の手元に届くまでのいかなるフェーズにおいても、動物を用いた実験がなされていないことを表しています。
クルエルティフリー・インターナショナル(Cruelty Free International):リーピング・バニー・プログラム(Leaping Bunny Program)