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保護者のための新時代キャリアガイド「注目される中小企業・ベンチャー企業」【第2回/全5回】


「注目される中小企業・ベンチャー企業」

~未来を創る、新しい選択肢~

1. はじめに

若者の可能性が広がる新たなステージ

「ベンチャー企業って、何をしている会社なの?」
「中小企業は将来性があるの?」
「スタートアップって、安定しているの?」

私たちミライゴトは、アントレプレナーシップ教育のイベントや就活の相談を受ける学生の保護者の方々から、このような質問をよくいただきます。特に「ベンチャー企業」という言葉自体に、漠然とした不安を感じられる方も多いようです。

私たちが2019年に初めて高校生・大学生を対象にした創業体験イベントを開催した際のことです。保護者の方から「子供たちをリスクある社長にさせる教育はよくない」「父親は会社員だ。会社員を馬鹿にしているのか」と、思いもよらない反応をいただきました。

当時は、起業や社長は「お金を儲ける人たち=悪」というようなイメージが根強くありました。しかし、この5年間で大きな変化を感じています。今では「起業=挑戦者」という前向きなイメージへと変わってきているのです。

そこで今回は、「ベンチャー企業とは何か」という基本的な説明から始め、なぜ今、世界中で注目を集めているのか、そして若者たちにどんな可能性をもたらすのかについて、丁寧にご説明していきます。

特に以下の点について、具体例を交えながらお伝えしていきます:

  • ベンチャー企業が担う社会的役割

  • 若者が活躍できる理由

  • 実際の成功事例

  • 企業選びのポイント

2. ベンチャー企業を知る

2-1. ベンチャー企業とは

ベンチャー企業とは、新しい技術やアイデアをもとに、急成長を目指す企業のことです。 従来の方法にとらわれず、革新的なアプローチで社会の課題を解決しようとする、いわば「未来を創る企業」といえます。

2-2. 具体例で見るベンチャー企業

皆様の身近にあるベンチャー企業をご紹介します:

  • メルカリ:個人間での売買を可能にし、循環型社会を推進

  • マネーフォワード:家計簿・確定申告をデジタル化し、生活を便利に

  • ミクシィ:人と人とのつながりをデジタルで実現

  • ユーグレナ:微細藻類で食料・環境問題に挑戦

これらの企業は、わずか10-15年ほど前はまだ小さなベンチャー企業でした。今では、私たちの生活に欠かせないサービスを提供する大企業へと成長しています。

2-3. なぜ今、ベンチャー企業が重要なのか

私たちの社会は今、環境問題、少子高齢化、地域の過疎化、教育格差など、様々な課題に直面しています。これらの課題は、従来の方法では解決が難しいものばかりです。

ここで注目したいのが、ベンチャー企業の存在です。なぜベンチャー企業なのか。それは、彼らが持つ「課題解決への新しいアプローチ」にあります。

1. 社会課題への新しい解決方法

例えば、ある環境系ベンチャー企業は、プラスチックゴミを新しい素材に生まれ変わらせる技術を開発しました。大手企業では「コストが合わない」と判断されたアイデアでしたが、ベンチャー企業だからこそ、「社会に必要だから」という理念で突き進むことができたのです。

また、高齢者の介護を支援するベンチャー企業は、AIとロボット技術を組み合わせることで、介護する方もされる方も、より快適な介護環境を実現しています。従来の介護の概念を覆す、まさに新しい解決方法です。

このように、ベンチャー企業は「できない理由」を探すのではなく、「どうやったらできるか」を考え続ける組織なのです。

2. 経済に新しい風を吹き込む

「終身雇用」「年功序列」といった従来の日本型雇用は、急速に変化するグローバル社会では必ずしも適していません。ベンチャー企業は、新しい産業と雇用を生み出すことで、日本経済に新しい可能性をもたらしています。

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