1.「反撃能力」日米共同で 2プラス2、宇宙で対日防衛義務
ここ最近で、急激に米国発で日本は「反撃能力を高める必要がある」という意見が出ています。
2.NIKKEI ASIAにも元米国国防次官補のインタビュー
元米国国防次官補ウォレス・グレッグソンは、NIKKEI ASIAのインタビューで次のように答えています。
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元米国国防次官補ウォレス・グレッグソン氏は現在、笹川平和財団のフォローを務めておられます。つまり、米国との繋がりの深い日本の機関に居る方の発言です。
米軍は日本の領土を直接守ることはしないという示唆ではないでしょうか。日本の領土は日本が守れ、米軍は日本領土以外で必要なことを行うということです。
3.米軍は二正面作戦は取れない。
戦後、米国が世界の秩序作りを主導し、ソ連との冷戦に勝利したのは、二正面作戦を可能にする圧倒的な軍事力があったからでした。
二正面作戦とは、二つの大きな戦争を戦っても、米国は他国を圧倒する力があるという意味です。
しかし、2012年1月、当時のオバマ大統領は国防方針であるこの二正面作戦の断念を宣言しました。その後、「世界の警察官」役をやめると表明しました。
現在の米軍は二正面作戦を遂行する力はありません。もし、このままウクライナが抵抗を続ければ、ロシアは冬に大軍での侵攻を実行するでしょう。そして、今ではウクライナ軍ではなく、NATO軍となりつつある西側との正面衝突。NATOが本格的に参戦すれば、ロシアは公言している通り、戦術核を使う。そうなれば、米軍も一層対ロシアにしか戦力を割くことはできません。
その時、中国が台湾侵攻をしようとも、尖閣諸島を占領しようとも、もしくは他の日本の領土を占拠しようとも、米国は二正面では戦えませんから、台湾も日本も独自で防衛するしかありません。
NATOとロシアの全面衝突が起きた時、その時は日本も中国の脅威に無防備にさらされます。
米国は、ウクライナでの戦争を継続させながら、日本の領土を守る力はもはやないということです。この認識に立たなければ、日本の防衛予算の問題も、安全保障の問題も、議論の前提が国民に伝わっていないと思うのです。
国内の話だけに終始していても、世界の国々はそれぞれ自国の論理で動いています。私たちも、世界の国々の事情をしっかりと把握した上での議論をしていかなければ、米国が守るから日本は戦う必要はないという認識は成り立たたない時代に入りました。
現実的な前提条件をしっかりと認識する必要があります。
未来創造パートナー 宮野宏樹
【日経新聞をより深く】