会社のVision
会社にはそれぞれビジョン(Vision)というものを掲げています。
今回は、このVisionについてお話ししたいと思います。
Vision、会社(経営)理念、社訓、社是etc
会社によっては、Visionという言葉以外にも、会社(経営)理念、社是、社訓という言葉を使用していることもあるかもしれません。
そこでまず、これらの言葉の整理をしましょう。
Vision
まず、Visionは、会社の目標とする将来像です。いわば、その会社の夢でありロマンを表します。会社の存在意義(社会的使命)を表す場合もあります。
会社(経営)理念
これに対して、会社(経営)理念は、もう少し具体化したものです。会社の目的を表します。
Visionとの関係では、目標と目的の関係に立ちます。つまり、会社の将来の目標(Vision)に向かっていくために、まず、会社はどうあるべきか(理念)を示すものです。
目標と目的の違いは、目標がターゲットであり、目的がオブジェクトであるといってもよいでしょう。
目標に向かっていくには、目的が明確でなければなりません。
目標(Vision)と目的(理念)は表裏一体のものです。
社是
社是の「是」は「正しい」という意味を表します。つまり、社是は、その会社が正しいと思うところの経営の大方針、姿勢を表します。
社訓
社訓とは、創業者などの教えや戒め、従業員が順守すべき行動規範を具体的に表したものです。いわば、会社としての大きなルールですね。
使い方は会社によって変わる
ただ、実際には、会社によって少し使い方を変えているのが現状です。
アサヒグループの場合
たとえば、アサヒビールを中心とするアサヒグループは、次のような形で
Vision等を定めています。(アサヒグループHPから引用)
ここでは、Mission(使命・存在意義)をVision(目指す姿)の上位に位置付けています。内容的には、目標と目的の関係にあることは同じですが、MissionをVisionの上位概念と位置付けています。
また、Valueが社是、Principleが社訓といってもよいでしょう。
住友商事グループの場合
こちらは、住友商事グループの例です。(住友商事HPより引用)
ここでは、「目指すべき企業像」がVision、「行動指針」が社訓に当たるでしょう。経営理念はそのままです。
ただ、創業以来400年の長い歴史を持つ住友は、初代住友政友依頼引き継がれた「営業の要旨」というものが別にあり、ここに本来の社是であり社訓が受け継がれてきたともいえましょう。
上に掲げられた「目指すべき企業像」等はその現代版であると思います。
Visionの意義
Visionは何のためにあるのでしょうか。抽象過ぎて単なるお題目になっていないでしょうか。
Vision は先ほど述べたように、その会社の将来像であり、向かうべき方向を表しています。
したがって、会社の策定する経営戦略は、そのVisionに向かったものでなければなりません。
中長期の経営計画を策定する際にも、このVisionに照らし合わせたものでなければなりません。
いわば会社が進むべき方向を表した方位磁針のようなものです。
会社の経営者はもちろん従業員の方にも、このVisionの意味をよく理解してもらい、皆が同じ方向を向いて会社を進めていくことが、最も重要なのです。