効果的なヒアリングの方法
■効果的なヒアリング方法
仕事において、ヒアリングを行い、報告書、計画書、プレゼンテーションなどのアウトプットを作成する機会は多いと思います。その際に、効果的なヒアリングを行うためには、「最終的なアウトプットを重視したヒアリング」が必要です。この方法は、最終的なアウトプットのイメージを明確にし、必要な情報を効率的に収集するための方法です。
この方法が効果的な理由は、まず最終的なアウトプットのイメージを持つことで、必要な情報を明確化できる点です。さらに、ヒアリングを行う際に は、あらかじめ明確化したアウトプットに基づき、重要な情報を優先的に収集することができます。このため、ムダなヒアリングを避けることができ、回答者の負担を減らすことができます。また、ヒアリングによって得た情報をアウトプットのドラフトに反映させることで、より効率的にアウトプットを作成することができます。
以上の理由から、「最終的なアウトプットを重視したヒアリング」は、効率的かつ効果的な情報収集の方法と言えます。今回は、この方法の5つのステップについてご紹介します。
■効果的なヒアリングのステップ
① アウトプットのイメージをつくる
はじめのステップは、アウトプットのイメージを作ることです。アウトプットのイメージの精度が高ければ高いほど、ヒアリングにおいて必要な情報が絞られていくので、効果的なヒアリングが可能になります。理想的には、必要な情報を埋めてしまえばアウトプットが完成するくらいの精度、つまり80点くらいのアウトプットを目指しましょう。
そのためには、目的を明確にすることが重要です。どのようなアウトプットが求められているのか、どのような課題や問題を解決するためのものなのかを明確にしておくことで、アウトプットのイメージが具体的になります。また、仮説を立てることも大切です。目的や問題点を整理した上で、どのようなアウトプットがあれば、目的を達成して、問題を解決できるかを考えながら、80点のアウトプットを作るようにしましょう。
② ヒアリングに必要な情報を明確にする
次に、アウトプットに必要な情報を明確にすることが大切です。最終的なアウトプットを作る過程で、必要な情報は明確になっているはずです。ですから、このステップでは、必要な情報を整理して、ヒアリングをしやすいように質問をまとめるようにしましょう。場合によっては、質問表のようなものを作るかもしれませんし、箇条書きで質問をまとめるかもしれません。最終的なアウトプットがパワーポイントの場合には、質問を直接スライドに記載することも効果的です。
③ Mtgやチャットでヒアリングをする
ヒアリングを行う方法は様々ですが、会議やチャットを利用することが多いです。会議の場合、しっかりとアジェンダを決め、時間配分をすることが大切です。また、冒頭でヒアリングが必要な背景や最終的なアウトプットを伝えると、回答者も納得感を持ってヒアリングに臨むことができるでしょう。
④集めた情報でアウトプットをドラフトする
ヒアリングで得た情報をもとに、アウトプットのドラフトを作成します。この時、目的や仮説に沿った内容になっているか、情報が漏れていないか、必要な情報が含まれているかなどを確認しながら、必要な情報を記載していきましょう。
⑤アウトプットのドラフトを確認し、最終化する
アウトプットのドラフトを確認し、最終的な内容に仕上げます。確認の際には、アウトプット作成者だけでなく、ヒアリングの回答者にも確認を依頼することで、ミスコミュニケーションを防ぐことができます。
以上のように、最終的なアウトプットを重視したヒアリングのステップには、目的に応じたアウトプットのイメージを作り、ヒアリングに必要な情報を明確にし、ミーティングやチャットでヒアリングをし、集めた情報でアウトプットをドラフトし、確認、最終化するという流れがあります。最終的なアウトプットを重視することで、必要な情報を抜け漏れなく収集し、目的に応じた適切なアウトプットを作り上げることができます。また、目的の明確化や仮説の構築といった、最終的なアウトプットの方向性を決めるためのステップを先に行うことで、より効果的なヒアリングができるようになります。
(第102回 2023/4/18)