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みらいの食券を飲食店「支援」サービスと思っているあなたへ。

みらいの食券代表の古庄です。
4月20日にみらいの食券をリリースして2ヶ月が経ちました。
正直「まだ…2ヶ月…だと…」という気持ちです。
たったの2ヶ月なのに1年くらい走り抜けたような疲労感。
それはきっとこのサービスがコロナ禍における飲食店「支援」という特殊な状況から生み出されたから。とにかく今を乗り切ってもらうために何が出来るかを考え、優先事項として「四の五の言わずにリリース!」という中で運営を進めてきました(実現してくれた開発チームすごい)。

でもね、実は開発当初からチーム内に伝え続けてきたことがあるんです。
それは、

「支援サービスじゃ意味がない」

ということ。


コロナ禍における「飲食店支援」としての役割


みらいの食券は3月某日、新型コロナウイルスで厳しい立場に立たされている飲食店を支援する仕組みができないかと開発を始めたサービスです。

全国的に「このままでは飲食店が危ない」という空気が占めてきていたこともあり、プレスリリースから大変な反響を得てTVやラジオ、様々なメディアに取り上げられることとなります。

熊本県・市連携の「SAVE THE EATS KUMAMOTO」というプロジェクトに参画したり、現在も実施中の1億円分の県産品をプレゼントするという長崎県のキャンペーンなど、自治体との連携も行っています。

このタイミングでリリース出来て、現在までに5,000枚を超える食券を販売してきたことはコロナ禍における一定の役割を果たしたのかなと思います(もちろん十分だとは思っていませんが)。



みらいの食券が本当に解決したいこと


しかしみらいの食券が本当に解決したいことは冒頭にもあったように飲食店への緊急時の「支援」じゃありません。

みらいの食券が本当に解決したいこと、それは

「飲食店のファン経営」

を広めること、そのための「後押し」をすることです。

私は若い頃に飲食店を経営し、5年でお店を閉めています。
※詳しくは下記のnoteにて

お店を閉める最後の日、沢山のファンが別れを惜しんでくれたのです。
恥ずかしい話ですが私にはこの目の前のファンが見えていなかった。とにかく集客するためにどうすればいいかばかりを考えていたのです。
目の前のファンが更に喜んでくれる、もっと通ってくれる経営が出来ていたら結果も違ったのではないかと感じました。

時が経ち現在はブランディング会社を経営する身としてブランディングに大切なのはやはりファンを中心とした考え方であると感じています。顧客にファンになってもらうためにどうすればいいのか、そのファンが離れないようにするには何をせねばならないのか、そのような考え方が重要です。集客なんてその後で、まずはバケツの穴を塞がないといけません。

これは飲食店も例外ではないのです。


2年後に残る顧客はたったの1,000人に2人


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予約・顧客台帳サービスのトレタが調査した結果によると「2年後残存顧客数」は新規客1,000人の内、2年後に残るのがたったの2名だというデータが出ています。

結構衝撃的な数字だと思いませんか?

現在はその日の気分に合った飲食店を探す方法はいくらでもあります。
何ならアプリが勝手におすすめを教えてくれる。余程のことがないと顧客を繋ぎ止め常連化させるのは難しい時代です。

そこで広告を打って力技で集客するのも否定はしません。
しかしできれば既存顧客を魅了しファンになってもらう方が結果的にお店のためになるのです。今回のコロナ禍でも無数の飲食店支援のためのクラウドファンディングやみらいの食券のような先払いサービスが出てきましたが、支援が集まるのはやはりファンが多い飲食店であるのは否定できない現実であると思います。

今動くべきはファンづくりに向けた行動が出来るかだと思っています。


常連化につながる「次回来店率」


このファンづくり・常連化につながる鍵として「次回来店率」という数字があります。

これは読んで字の如く「来店客が次回来店する確率」なのですが、この数字は回を増す毎に高くなる傾向があります。つまり2回来た顧客よりも3回来た顧客の方が次また来てくれる率が高くなるのです。つまり常連化が進んでいく。

これはファン化を促すうえで非常に重要な数字です。

「データから言える明らかなことは、当然のことではありますが、来店回数が増えれば増えるほど、『定期的に通い続けて頂ける確率(定着率)』が高まるということです。もう少し細かく見れば、1回だけ来店されたお客様の再来店率は10%程度。しかし3回来店してくださると、次回来店率は50%になります。『3回来店させる』こと、これが飲食業界におけるKPIになるとデータ上で明らかになりました。」

これは昨年行われた“The Data of Food Service”というイベント内で語られた元トレタの萩原氏のコメントです。

来店率を高めることで常連化につながるということがデータで実証されているのです。


マーケティングツールとしての仕掛け


冒頭にもお話した通りみらいの食券は「支援サービスじゃ意味がない」と思っています。緊急時に支援につながったことはコロナ禍での目的通りなのですが、平時で飲食店がファン経営ができるきっかけをつくるマーケティングツールとして効果を発揮してこそ本来の役割を果たしていると言えます。

このマーケティングツールであるために、実はみらいの食券には2つの仕掛けが施されています。

一つは販売される食券が「回数券」であるということ。
みらいの食券では3枚・5枚・10枚つづりの回数券で食券は販売されます。
これは先ほどの「次回来店率」を促すため。
通常であれば見えなかった顧客の次回来店が回数券という形をとることで約束される。食券を使った来店を重ねるうちに常連化が進んでいく仕組みになっています。

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そしてもう一つは回数券には「お礼の気持ち」がついてくるということ。
これは「回数券を買ってくれてありがとう」というお店からの感謝の気持ちを何かしらのサービスとして付与できる機能ですが、これは単なる割引サービスではなく、「顧客体験価値」を向上させられるようなサービスをつけてほしいと思っています。

美味しいお店は沢山ある。価格だけでお店が選ばれるわけではない。
であれば何をもって顧客がファン化するのか。
それはそのお店でしか体験できない「価値」だと思うのです。

そのお店の店主と話せることが価値かもしれない、そのお店でしか仕入れていない特別な食材が価値かもしれない、そのお店に集うコミュニティが価値かもしれない。それらを「試食会参加券」や「限定ワイン試飲会」「賄い食事券」「シェフによる料理教室」等など「体験型」のお礼の気持ちとして提供をすることで、更にファン化を促せると思っています。


ポストコロナ社会での飲食店経営


都心部では又じわじわと感染者数が増えてきていますが、いずれにせよポストコロナ社会での飲食店はどう対応すべきか決断を迫られています。

いや、本来あるべき姿に戻るときが来たのかもしれません。

お店が自身の価値を突き詰めて考え、顧客が何を求めているのかを知り、サービスに転換しファンを増やしていく。これからの飲食店経営に欠かせない考え方かもしれません。

みらいの食券はこうした「ファン経営」を目指す飲食店のためのマーケティングツールとしてお役に立てるように機能改善を進めていきたいと思っています。スマホに飲食店の回数券が入っているのが当たり前の世の中になり、この食券文化がずっと厳しい状況で頑張ってこられた飲食店の皆さまの経営を後押しするサービスに成長できるようにこれからも頑張っていきたいと思います。


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