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DAY2-④【観光×世界自然遺産】

屋久島と地球の未来会議2023のDay2では、9つのテーマに分かれて、
長い時間をかけてOpen Discussionを行いました。
ここでは、「青い地球と共に私たちはどう生きるのか?」という大きな問いと共に、屋久島と地球に関わるあらゆるテーマを設定し、島内外からゲストをお招きして、参加者も一緒に一体となって対話をしていく場となりました。対話を通して未来に向けたつながりや営みをつくり、屋久島から青い地球と共に生きる、希望の声を届ける時間となり、未来会議を終えた今すでに、新たなアクションがたくさん生まれています。
そんな希望が溢れたセッションそれぞれの様子をまとめてますので、
最後までご覧ください😊

未来会議全体の様子はこちらから↓

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[文章:ボランティアさわさわ]


はじめに

中学一年生の頃に初めて訪れた屋久島。
朝四時に起きて縄文杉まで歩いたこと覚えています。
縄文杉はもちろん、縄文杉にたどり着くまでの道中で発見した
景色一つ一つが私の心の奥深くまで刻み込まれています。
歩き疲れたときにふと顔を上げると縄文杉たちが
優しく木漏れ日をつくって私を包み込んでくれたような気がしました。

足元に目を向けてみると透き通るようにきれいな水が流れており、
一口いただくとそのまろやかでおいしい水から途端に
元気をもらうことができました。
私はこの時、自然の恵みを五感で体感し、屋久島の自然の美しさと力強さに心を奪われたのでした。

そしてこの度、再び屋久島を訪れることができとても嬉しく思います。
今回はこの前感じた屋久島の自然の恵みをあらゆる角度から追求し、
地球の未来を想って日々楽しみながら活動している素敵な大人たちに
たくさん出会うことができ、未来に対して希望を持つことができました。

「未来への鍵」

 ここには屋久島や自然を舞台に、
  自然の魅力を伝え続ける人々がいた。

荒木政孝さん 「お土産屋 ぷかり堂

ぷかり堂を経営する荒木さんは、「観光とは私の心の光を見ることだ」と言いました。もともと観光とは、国の光を見ることだったという。ここから深めて、観光とは国を通り越して自分自身の心と向き合う時間だと言います。

観光を通して、自分の生き方価値観を見つめなおすことができる。

忙しい日常から少し離れて、自分は何がしたいのか…
何をモットーに生きているのか…などなど
客観的に自分自身を見つめなおすことができるのです。
また、荒木さんは、「旅の印象は最後に訪れた場所で決まる」と考えており、人々が旅の最後に訪れるお土産屋さん「ぷかり堂」を立ち上げました。
屋久島に来てよかったな…また屋久島に来よう!と
思ってもらえるように今日もお店を開いています。

私自身も旅の最後にぷかり堂を訪れました。
ぷかり堂に入った瞬間、屋久島の特産品とともに
やさしく穏やかな空気が私のことを出迎えてくれます。
屋久杉でできたお箸に、トビウオのふりかけ、サンゴのアクセサリー…
などなどバラエティー豊かな商品たちがずらりと並んでいました。

最後に立ち寄ったぷかり堂にて、
屋久島の魅力をさらに感じることができました。

渡邊太郎さん 「山岳太郎

 「近自然工法」を実践する渡邊さんは、
多くの人に屋久島の自然の恵みを体感してもらおうとしているそうです。
「近自然工法」として、植生を守りながら登山道を整備し、
登山者にも足元の道に愛着を持ってもらおうと、
自然への知識を活かしながら活動しています。
また、屋久島の自然を堪能しようと、
屋久島で数少ないロッククライミングも行っています。

屋久島はもともと岩が隆起してできた島です。
この屋久島の特徴を体感するために
ロッククライミングは欠かせないでしょう。
このように、屋久島の成り立ちや自然の特徴を
最大限生かしたアクティビティを通して
自然と心身ともに健康になっていくのだと感じました。

西直人さん 「リードクライム

 リードクライム株式会社の西さんは、
突破口を切り開け!」をモットーに
さまざまなアクティビティを考案しています。

中でも特に印象的だったのは、
子供たちと農家さんとのつながりです。
例えば、日中に子供たちと農家の兄ちゃんを一緒に遊ばせると
子供たちはとても喜び、兄ちゃんたちと遊びまくります。
そして、腹ペコになった子供たちはご飯を
「おいしい!!」と言いながらもりもりと食べます。
そして、子供たちに「このお米やお野菜は一緒に遊んだ
兄ちゃんたちが作ってくれたのだよ」と伝えると
さらに喜び、子供たちの心に感謝の気持ちが芽生える。

そう、目の前にある食べ物を作ってくれた人の顔が見えれば、
「作ってくれたのだ」という実感することができ、
食べ物のありがたさを直接感じることができるのです。

このような人と人とのつながり、
そして自然とのつながりを認識できるがさらに必要だと感じました。

内野加奈子さん 「ホクレア号クルー

ホクレアクルーの内野さんは、
ホクレア号でハワイの伝統航海を受け継ぎ、世界中を旅しています。

内野さんはなんと、私が高校生の時に勉強していた
教科書に載っていたのです!
そこで私は内野さんの伝統航海術を知り、大きな憧れを抱いていて
まさか屋久島でお会いできるなんて夢にも見ていませんでした!
私は、内野さんのマップやコンパスを使わずに
太陽、月、波、風を読み、自分の五感を信じて何千キロもの
航海をする自然の摂理に基づいた航海術に心を奪われました。

内野さんは、大航海中に赤道直下の地帯で大気大循環を体感したそう…
赤道直下で上昇気流による無風地帯でヨットが動かない時に、
頭上に大量の雲が作られていくのを見たそうで、
その雲が風に乗って世界中に渡り、
恵みの雨を降らせてくれていると気づき、
地球のリズムが私たちの生活の基盤をつくってくれているということを
体感したそうです…

なんて素敵な体験なのでしょうか…
私も内野さんのように
自分の五感と自然のみの力を使って何かをしてみたい!
と思ったのでした。

春山慶彦さん 「YAMAP

ヤマップ開発者の春山さんは、
自身の自然の中での体験から自分自身の居場所を特定できる
マップを作ろうと九重山の登山中にひらめいたそうです。

春山さんは今の日本社会について
日本社会の最大の課題は身体を使っていないことだ」と話し、
さらに「生命がつながり合っているという感覚がない人は
自然と関わる経験が少ないのだ」と続けました。

たしかに、日常に立ち返るとき、
私たちは自然の中で暮らしていない限り、
積極的に自然の中へ出向こうとしている人は少なく、
また十分な時間もとれません。

近代化以降の日本社会は自然とのつながりを忘れつつあり、
自然と距離ができてしまったように感じます。
このことから、私たちが自然とのつながりを意識できるように、
さまざまなアクティビティの展開や日常に自然を近づけることが
重要だなと感じました。

《文:学生ボランティアさわさわ》

登壇者
 荒木政孝さん、渡邊太郎さん、
 西直人さん、内野加奈子さん、春山慶彦さん
モデレーター 福元豪士

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