心の中の種を育てよう
今日は栃木県で、家庭教育関連で熱い活動をされている家庭教育師の
林 美幸さんから皆さんへのエールを送っていただきました。
皆さんのハートに響きますように。
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「自分のことが好きですか?」
私は自分のことが大好きだ。 こんなことを言うと一見、自分勝手な、ナルシストな人に思われるかもしれないが。
では、いつから自分のことが好きになったのか?考えてみて気付いた。祖母に「心の中の種を育ててもらった時」だ。
私は幼いころ、夏休みの長い時間を祖母の家で過ごした。祖母は生活の中で何回も私を褒めてくれた。おみそ汁をお代わりした時、就寝前に翌日の服を枕元に畳んで並べて置いた時、近所の人にあいさつした時、自分の気持ちをたくさん伝えた時・・・・。ただそれだけで特別なことは何一つしていないのに「偉いね」「すごいね」と、少し気恥ずかしくなるくらい大げさに褒めてくれた。時には知らない人にまで、私を褒めながら孫自慢をした。
これが原点だと気付いたのは、家庭教育を学んでからだった。
子どもは親に褒められると、自分の存在を認めて欲しい「承認欲求」が満たされる。一方、第三者に褒められた時は、純粋に行為が認められたという、また違ううれしさが、非日常感を伴い、親に言われる以上に子どもの心に届くのだろう。
心理学者・アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と、人間の欲求を5段階の階層で理論化した「マズローの欲求段階説」がある。
そこでは、欲求を抑えるよりも引き出して満たした方が、より健康になり、より生産的になり、より幸福になると考えられている。そして、この段階に沿って欲求を満たしていく中で自己肯定感は高まるものと考える。
自己肯定感とは「どんな自分であっても自分自身を受け入れ、かけがえのない存在」と思えること。これが「心の種」だと家庭教育と出会い気付いた。
生まれた時から誰もが持っている「心の種」を育むためには、環境が必要だ。太陽のように暖かな光となるまなざし、栄養となる愛情や言葉のシャワーは「あなたは大切な存在である」と「心の種」を発芽から成長へと導くことが出来る。
一昔前まで、子どもの育つ環境には両親以外に、祖父母や親戚、あるいは近所の人など、何かと世話を焼いてくれる大人がたくさんいた。
しかし、人間関係や地域内のコミュニケーションが希薄化した現代社会。子どもが親以外から褒められることは少なくなり、世代間のつながりも安心も失われてしまった。
社会全体で、地域ぐるみで子どもを育てることによって、みんなで子どもの「心の種」を育てることができる。「私はあなたが大切だ」という気持ちが伝わる言葉掛けを行うことで、子どもが自分ことを好きになるきっかけをつくることができる。
地域で暮らす子どもも、わが子と同じ気持ちで褒めてあげたら、その子どもにとっても、親にとっても喜びは2倍だ。
社会全体で愛情という栄養を振りまき「心の種」を育てよう。
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林 美幸(はやしみゆき)栃木県那須塩原市在住
日本家庭教育学会員・家庭教育師
ボランティアコーディネータ、地域活動、PTA活動、ボランティア活動などを通して子育てに関わるなかで、地域コミュニティで子育てをする重要性に気づき、人間関係の希薄化からの孤立した「孤育て」を解消するために、地域で子どもを育てる家庭教育を実践する。家庭教育の充実のために、重要とされる社会全体が「人づくり」「子育て」「家庭教育」について共に考え行動していくために、人をつなぎ、人が孤立しない社会の接点を作る家庭教育力の向上を目指し活動している。
座右の銘 「真理の追究」
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