出口無き政策の被害者
はじめに
最近、書籍の告知を兼ねてなのか、『飛び入試からトレーラー運転手』になられた方を引用した記事を何度か目にしています。
折角の天才が食えない日本の惨状を書いているわけですが、これだけは無いでしょ?と思うので、その辺りを書いてみようと思いました。
飛び入試の天才がトレーラー運転手へ
折角飛び入試で大学へ入学して、ある程度道があったのに、なぜ?と思う方も多いのでしょう。
しかし、大学に1年早く入ることが出来、大学の環境は良かったとしても、日本は優秀な学生に奨学金を用意して大学側が取り合うようなシステムになっていませんから、『学生が自らトライして、大学が入学を許可し、しっかりやってください。』というところなわけです。だから、学費も生活費も基本かかりますね(現在千葉大学の飛び入試では、入学金免除や授業料の全額や半額免除制度があるようです)。飛び入学は期待も高く、学業に専念することになりますし、アルバイトなどもしにくいと思われるため、学費等の免除などが無い制度ではなかなか苦しいものが有ります。
また、卒業後にも安定かつ、これまでの頑張りに見合う報酬が期待できないのであれば、進路変更をせざる得ないですね。このような方々は、出口無き政策の被害者と言えるのではないでしょうか?
法科大学院の失敗
以前は、文系なら法学部という選択肢もありましたが、公務員になっても弁護士になっても明るいとはいえませんね。
そして、法科大学院も失敗でしたね。
出口との調整ができないまま、見切り発車したためですが、結局、弁護士を増やすと言っていたわけですが、増えませんし、法科大学院を出たら、ほとんどの場合弁護士になれるという制度にもなりませんでした。
だから医学科
そんなわけで、だから理系の子は医学科を目指すことが多いですね。
日本で安定的に、頑張りに見合う報酬が期待できるのは医学科くらいしか今は無いのではないでしょうか?
理系人材、そしてリケジョの増産は大丈夫?
現在、理系学部を強化し、理系人材、そしてリケジョの増産を政策的に行っていますが、大丈夫かな?と心配しています。
以前から、理系学部を出ても、学部によっては就職で苦労しているようでした。博士に行ってしまったからとかでは無く、学士や修士での話です。
最後に
出口をしっかり準備せずに、大学にばかり要求が高いですね。
学生は学費負担ばかり大変で、奨学金を借り、思った通りの安定的に、これまでの投資に見合った職に就けるかという点が心配でなりません。
私たちは、未来を感じる新たな政策に、当然出口を期待しますが、現実はそうなっていませんね。出口無き政策の被害者をこれ以上増やさないために、しっかりと先を踏まえた政策を打って欲しいです。
理系人材が大切というならば、途中で優秀な学生が脱落しないで済むような制度の導入をお願いしたいものです。
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