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せいかつの軌跡(11)

手放す

今日から二日間、夫は島外研修へ。
少し遠出して、気になっていたアールブリュット展を鑑賞。
お昼は展示会場のひとつになっているカフェで、友人とカレーを食べた。

今取り組んでいることや最近の学びについて話しつつ、息子を保育園に入れる決断をしたことを伝えた。
「一つの場所で純粋培養されるより、世の中の色んな面を見るのも、子どもに必要な経験かもね〜。」
と答える彼女に、そうだなぁと素直に納得と共感を感じる。

お気にのバイクで走り出す

来月から、トモシの保育園入園を決めた。
布おむつやオムツなし育児、自由保育など、乳幼児期にやってみたかった子育ての色々を楽しんで、充分諦めがついた。
今あるものと環境で、自分たちが生きやすいようにやろうと思う。

彼を保育園に入園させるかどうか、悩んでいた時のこと。
トモシが突然
「ホイクエン、イク!トモダチ、アソブ!」
と言ったのには、とても驚いた。
保育園にはほとんど行ったことが無いはずなのに、なぜ、、??
彼は時々、わたしの頭の中を見透かすようなことを言う。
その一言に、背中を押してもらったような気がする。

もう母と子、二人でベッタリ過ごす期間は終わったのだ。
新しいステップへ向かう彼の足を、引っ張ってはいけない。
自立の基本は親殺し。
重めの母の屍を越えていけ、、寂しいけど。
すぐに入園の手続きと仕事を探した。
運良く、どちらも目処がついた。
寂しいけど。

夕方、彼に誘われて散歩に出た。
ストライダーで進む後ろ姿を、ゆっくり追いかける。

今日から二日間、夫がいない。
イヤイヤ期の二歳児と二人きり、ツラいな。
そんなことを思っていると、急に彼が振り返って一言。
「ダイジョウブ、イッショニイルカラ、ネ。」
諭すような口調に、思わず笑ってしまう。
ああ、そうだった。
私はひとりじゃなかった。
ワンオペ、と浮かんでいた言葉を二人三脚に替える。

それでも二歳児と丸二日、二人三脚はかなり疲れる。
私はイヤイヤ期がイヤイヤ期だ。
哲、はやく帰ってきて。
ある意味、子はかすがい。

【今日のうた】
知らない歌口ずさんで笑う君は
私の腹から生まれて二年





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