言い間違いの真実
私たちはよく言い間違いをするものですが,あなたはこれに隠された真実を知っていますか?精神分析学には,言い間違いを「パラプラクシス」と呼び,その発話者の本音を探るための材料として考える立場があります。
あなたの心情のふるさとから口までやってきたパロールを,どうか抛擲せずに,等閑にせずに,大切に愛でて傾聴しましょう。そして,これまでに言い間違いを「間違い」と表現してきた人は,〝彼ら〟に心よりの謝意を示しましょう。
あら,あら,私もどうやらその一人のようです。パロールさん,これまでごめんなさいね……。さあ,あなたも出来れば声に出してご一緒に,パロールさん,これまでごめんなさい。そして,ありがとう。これからはもう,あなたを無視したりしない。
意図されたパロールだけがパロールではないのです。むしろ意図なく出てきたパロールにこそ,社会に束縛され,鋳造された自我としてのあなたではなく,そのがんらいのもの──主体・Sとしてのあなたの容態が垣間見えるのです。
それでは,あなたの人生にミラクルが在らんことを……。
フリーゼン・真実