聖なる音韻

 言葉を発声するとき,そこには発音や音韻と呼ばれるものがあります。この発声されたときの言葉をパロールと呼びます。そこで,本稿ではパロールに備わる不思議なパワーについてご紹介したいとおもいます。

 あなたは普段,パロールの発音を気にしますか?どのような発音で言葉を発してきたのか,一度思い返してみましょう。

 おそらく,あまり多くは想起されないのではないかとおもいます。これは多くの言葉が日常的に他人のイントネーションに惑わされ,定型的なそれに収まっており,私たちがこれを普通のことだと考えているから生ずることです。して,これは当然のことでもありますが,果たして他人の使うようなイントネーションに従わなければならないのか,その必要性はどこまであるのかを再考してみる価値はありそうです。

 イントネーションもコミュニケーションにだいぶん寄与しています。例えば,歯磨き中にもごもごと応答をしても,なんとなく家族や友人に意思が伝達することがあります。これはそれぞれのコミュニティにおけるパロールの慣習的なイントネーションが暗黙に智解されているからにほかなりません。イントネーションを他人に合わせることにはこのような利益が認められます。

 ところが,このようなイントネーションに頼ることは言葉の濫用に近しい行いでもありえます。このような〝甘え〟は,言葉がほんらいもつ神聖なパワーをぼかしてしまうのです。

 例えば,「長居」(ナガイ)という言葉があります。これをナガイ(⤵︎)と発音すると,なぜか鬱々とした感じがありませんか?ソーダ味でお馴染みの「ソーダ」も同様に,ソーダ(⤵︎)と発音すると,鬱々とした,暗澹な雰囲気を感じます。

 ……そうです。すでにお気付きの方もいらっしゃるかとおもいますが,端的に言えば,イントネーションによる音の昇降はあなたの運気に干渉するのです。

 なぜか我々には,上:良/下:悪という観念的な印象があります。他にも,発火:怒る/鎮火:怒りがおさまる,というものもあります。このような観念的な印象(具体的な概念によって抽象的な概念を解したもの)を認知言語学では〝概念メタファー〟と呼んでいますが,私たちの身体や思考には,このパロールのイントネーションの昇降と気分的な快不快とが概念メタファーによって結び付いているのです。

 ですから,普段からこのイントネーションをなるべく自然な範囲で昇るように発声・発音することによって(⤴︎),プラスの気持ちが高まり(⤴︎),気分も良くなり(⤴︎),より良いものを見つけられるようになります(⤴︎)。

 それでは,あなたの人生にミラクルが在らんことを……(⤴︎)。

フリーゼン・真実(⤴︎)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?