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10.東大・近藤秀一伝説
近藤秀一さん(現・東京大学大学院&GMOアスリーツ所属)は、長距離陸上界では知らぬものはいない「伝説」のアスリートだ。
厳密に言うと、彼の伝説は「競技記録」においてではなく、その生きざまと数奇な運命によるものである。
彼のドラマチックな経歴はネットに大量に流れているし、現在もご本人が直接情報発信し、長距離陸上界で異彩を放つ活躍をされているので、興味のある方は検索ください。
第94回箱根駅伝当日、当時3年次だった彼の「伝説」を、天才的に140字にまとめたtweetがある。
◆東大生ランナー近藤秀一 伝説
— どーも僕です。(どもぼく) (@domoboku) January 2, 2018
・静岡高校駅伝区間賞
・東大狙い強豪スカウト蹴る
・現役時は1点足りず浪人
・学生連合選抜も11番手選手(1年)
・本戦は10人のため補欠
・学連10番手の成績(2年)
・突然のルール変更でまた補欠
・学連1位で選抜(3年)
・インフルで欠場
…応援するしかない
#箱根駅伝
…まさに応援するしかない。
いろんな意味で、「持っている」男である。
1年、2年と連続で関東学生連合チームに選出されながら、彼は補欠に甘んじ、箱根駅伝に出場できなかった。
そして、三度目の正直だった、この第94回箱根駅伝も「まさかのインフルエンザ罹患」により、当日欠場を余儀なくされた。
後に、最終学年となる第95回箱根駅伝でついに箱根路を走り、全駅伝ファンを号泣させることになるが、それはまだ先の話。
彼は「東大」という圧倒的なブランドを武器に、静かに戦っていた。
私にはそれが、筑波大学の箱根駅伝復活プロジェクトが目指しているものと重なって見えた。
誤解を恐れずに言えば、箱根駅伝はあくまで「大学スポーツ」の一つに過ぎない。
関東学連の大会なので、関東限定とはなってしまうが、どんな大学にいても箱根駅伝を目指すことができるし、頑張れば出場することもできる。
それが当たり前のはずだ。
だが、その当たり前が当たり前でなくなっていることに、危機感を感じている人は多い。
現在の箱根駅伝の成績の差は、そのまま大学の資本力の差といっても過言ではないからだ。
学生の、学生による、学生のための箱根駅伝。
その原理原則を体現するために、彼は東大へ進学した。
東大で箱根を目指す。それが当たり前になる世界の礎となる。
彼が出場できなかったこの第94回箱根駅伝の関東学生連合は、大方の駅伝ファンにとっては、予選落ちした日大や明治の選手が再起を誓って走る姿が印象に残っているかもしれない。
いや、そもそも正式記録さえ残らない関東学生連合に注目していた人は、あまりいないだろう。
だが、筑波大学の相馬くんが出走メンバーに選ばれたことで、私は「関東学生連合」を全力応援する態勢を整えていた。テレビの前で正座待機し、Twitterでも応援メッセージを垂れ流しまくる気満々だった。
#箱根駅伝2018
— うっしー (@miracle6719) January 1, 2018
四六(しろく)のガマ棲む
筑波嶺(つくばね)よりも
高くそびゆる箱根山
一気に登ればその先に
金栗師父の夢間近
いざ復活ののろしを上げよ!
学連5区相馬崇史(筑波大)選手を
我が家のしろたん総勢で全力応援じゃあッ!!!#筑波大学 #箱根駅伝復活プロジェクト pic.twitter.com/gR7DfKOWVQ
ってか、相馬選手が何位でもいいから、ケガせず無事自分のミッションを全うしてくれればそれでいいんですゥ~( ;∀;)
— うっしー (@miracle6719) January 1, 2018
そして、大いなる絶望と、不思議な縁を同時に味わうことになる。