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鎌倉ほのぼの散歩 おわりに
2019年6月から始めて、12月に終了した、鎌倉三十三観音様参り。
かかった日数は、半年の間に7日間。
空ちゃんは+1日、私は+2日で、周りきりました。
最後にいただいた御朱印に、結願の印が押されたときは、本当に本当に嬉しかったです。
覚えていらっしゃるでしょうか。
そもそも、私がどうして鎌倉の三十三観音様をお参りしようと思い立ったか。
そう。息子の受験がきっかけです。
お参りが終わったところで、息子の受験はこれからが本番。
どうなるともしれない状態でした。
うっかりするとパニクりそうになっていましたが、結願という達成感を味わえたことが、私に多少なりと、心の余裕をもたらしていたことは確かです。
ところで、この三十三観音様参りをしたことの副産物として、「般若心経」を空で唱えられるようになっていました。
それから受験までの約2か月、青筋をたてたり、白目をむいたり、血管がブチ切れそうになって真っ赤になったり、目の下がどす黒くなったりと、まあ、ありとあらゆるさまざまな顔色になりましたが、そんなときはひたすら般若心経を唱えて耐える、という尼僧のような暮らしを送りました。
人事を尽くして天命を待つ。
そんな気持ちで迎えた受験。
有難いことに合格をいただくことができました。
かえすがえすも、一緒に回ってくれた空ちゃんには感謝しかありません。
本当にありがとう、空ちゃん。
当時、空ちゃんも「お祈りしたいことがあるから」と言っていましたが、なかなかそれを教えてくれませんでした。
先日やっと、人生を豊かにしてくれている「推し」であるKinKi Kidsの、堂本剛さんのお耳の病の平癒を祈願していたんだ、と教えてくれました。
ま、他にも色々、お祈りしてたけどね。
色々には、色々詰まっているのが大人というもの。
そしてそこは、あえて聞かぬのが友というもの。
私は、「推し」への愛は本当に深く純粋だと常々思っています。
「推し」に捧げる見返りを求めない愛こそ本物、と思うのです。
世界平和や戦争のない世界を願うのも愛。
大好きな人の病が癒えて苦しみから救われるように祈るのも愛。
観音様参りは「同行二人」と言います。
ひとりでまわっていても、必ず弘法大師空海さんが一緒にいてくれるから、二人なんだよという意味です。
それでも、実際に同行がいるのといないのとでは、心強さも、楽しさも、継続のモチベーションも、全く違います。
ひとりだったら「まあ、いいか」と諦めてしまったことが沢山あったと思います。空ちゃんと一緒だったから、頑張れたと思うのです。
ありがとう、空ちゃん!
そして、お誘いしたら気軽に一緒に行ってくれた七海ちゃん。
ありがとう!
三十三箇所をめぐるのは大変だったけれど、その喜びも知ってしまった空ちゃんと私。
鎌倉の三十三観音霊場は、比較的同じ地域にコンパクトにまとまっているため、こうして何日かで全部を回ることができ、なにしろ鎌倉には素敵カフェやレストランが沢山あって楽しいのです。
このお参りのすぐ後に新型感染症が流行し、鎌倉へ行くどころか、空ちゃんと会うのも難しかった時期がありました。
状況が落ち着いたら、ぜひ「お礼参り」をしたいね、とは以前から言っていましたが、そろそろまた、今度は四季折々の鎌倉を散策したい、という思いがだんだん強くなっていました。
実際、状況も少しずつ、落ち着いてきたように思います。
そこで。
GWに、久しぶりに二人で鎌倉に行ってみることにしました。
まずは会議です。
あ。すみません。
会議と言う名の、ランチです。笑
この日は北鎌倉の、こちらに出かけました。
こちらは、看板犬の「らんちゃん」や「まるちゃん」がいて、靴を脱いで上がらせてもらうお店。
わんちゃんのいるおうちを訪問するような感覚です(予約は必須みたいです)。
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北鎌倉の静かな住宅街にあり、ワンちゃん大好きという方には特にオススメです。
最初はちょっと吠えられちゃうので、苦手な方はドキっとしてしまうかも。ただ、その後はすぐお布団に入って、眠ったり、じっとお客様をみていたり。
「え?そこにいたの?」というくらい静か。
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会議にはぴったりのお店でした。笑
その後、円覚寺に向かいました。
この日の最初から行こうと決めていたわけではないのですが、会議でまた沢山お寺に行こうねと盛り上がって、「結願のお寺」で気持ちを新たにしようと思い、まだ閉館前なので行ってみることにしました。
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GWなので、なかなかの人出。
仏日庵さんにお参りをして、さて、帰ろうとしたところ、前回訪れた時にはいなかった「しいちゃん」を見つけました。
円覚寺には有名な猫がいて、写真が飾られていたり、売店でしいちゃんグッズが売られているのは知っていたのですが、その姿を見たのは初めてでした。
人が来ても全く動じず、撫でられても大人しくしています。
なんというか、悟ったようなお顔だち。
さすが、名刹の猫さんです。
しいちゃんの周りには、いつのまにか子供や大人の人だかり。
そのすきを縫って、空ちゃんがいいお顔をゲット。
(表紙の写真も、しいちゃんです)。
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たまたま、この記事を書こうと思って円覚寺のHPを検索したところ、なんとつい先日、しいちゃんが亡くなったことを知りました。
あの写真を撮ったのが、私たちにとっては、しいちゃんとの初めての出会いにして、最後の思い出となってしまいました。
でも、たった一度でも、会えてよかった。
しいちゃんのご冥福をお祈りいたします。
***
さて、長い連載を読んでくださって、毎回、私たちと一緒に鎌倉を空想散歩をしてくださり、本当にありがとうございます。
三十三観音参りの思い出を、なんとか形に残したいと思って始めた「鎌倉ほのぼの散歩」。
読んでくれるかた、スキをしてくれるかた、コメントをしてくださるかたが徐々に増えていき、とても励みになりました。
特にコメントは、また次を書こうという強いモチベーションに繋がっていました。
そのせいか、最初の頃は割とあっさりした道中記でしたが、だんだん、歴史やお寺のことに熱が入ってきていたかもしれません。
皆さんに支えられて続けることができました。
また、大河「鎌倉殿の13人」が始まったのも、追い風(?)になりました。なんとか便乗できたような気もします(すぐ、便乗したがる)。笑
なにより、鎌倉に行ってみたくなった、とおっしゃってくださる方が何人もいらして、改めて書いてよかったなと思っています。
今後の空ちゃんとの鎌倉散歩を、また、こうして皆さんに道中記としてお届けすることもあるかもしれません。
いつかまたお会いできることを願って、ひとまず筆を置きたいと思います。
ご愛読くださり、ありがとうございました。
※マガジンになっております。
まとめて読みたいな、という方は、こちらから、どうぞ。