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マヤを探して

 今、久々にバッグがほしいのです。 

 お勤めしていたころはある程度自由になるお金がありましたし、ブランド全盛時代だったこともあり、いくつかブランドバッグなども買い求めたことがあります。
 でも結局すべて手放してしまいました。

 中にはとんでもない劣化をしたものもありました。高級品とはとても思えないベタベタやモロモロも経験しました。

 名前と金額と品質は必ずしも一致しないようです。
 たとえ一致していても、経年劣化や流行を考えると、何十年も使えるバッグはやはり、ないと言わざるを得ないと思います。

 かといって、なんでもいいからと『スペック』(2010年TBS)の瀬文みたいに茶色い紙袋ですましたり、当麻みたいに赤いキャリーバッグを持ち歩くわけにはいきません、さすがに。
 あ、ちょっと例えが古い上にマニアックでしたね。すみません。

 会社勤めのころは安いの高いの軽いの重いのいろんなバッグを遍歴していました。

 少しずつ感染症流行から解き放たれようとしている今日この頃。
 家にこもってばかりの日常は遠くなっていき、しかしそうなると今、どのようなバッグを持てばいいのかがさっぱりわかりません。

 会社という明確な行き先がないというのも原因のひとつかもしれませんが、学校などオフィシャルな場に出かける用事も意外とありますし、どこかの店舗でもらった布バッグでオッケーというわけにいきません。

 昔はA4が入る大きめのバッグが好きでしたが、最近は荷物が重いとも感じるようになってきました。

 今、世間では小さいバッグが主流です。

 このごろは、スマホだけが入る小さなバッグしか持っていないお嬢さんをよく見かけます。

 ハンカチティッシュはどうしたー!
 と、お母さんは心配になります。

 その服にポケットはあんのん?
 などと要らぬ疑問を抱きます。

 服で拭いてんのかしら?
 と、さらに疑問から疑惑へと発展していきます。

 以前は「昔と違って今はハンドドライヤーがあるからね」と波立つ心を抑えていましたが、感染症が流行してからはハンドドライヤーが息の根を止められてしまったトイレばかりですので、やはりハンカチは必要!なはず!

 正直、まだまだマスクも手放せません。
 新型感染症対策というのもそうですが、冬の乾燥から喉を守るためと、今年はやはりインフルエンザが怖い気がして、個人的に来年の春までは外せない気がしています。

 インフルエンザ怖いんです。
 もちろん好きな人はいないでしょうが「罹ったらその時はその時。テヘペロ」という気持ちにはなれません。感染症が流行る前まで毎年のようにきまって2月に罹患していて、かかってしまった年の春は必ず、どういうわけかアレルギー源がわからないのに花粉症様の症状を発症して薬を飲む羽目になるのです。インフルエンザの後遺症なんでしょうかね、あれ。

 とにかく、新型感染症はもちろんインフルエンザには罹りたくない。
 そうすると、マスクを保存するための入れ物やらハンカチ(私は大判ハンカチを二つ折りにして、その間にマスクを入れて食事をしています)が必要で、となるとますます、荷物が増え、バッグは大きくなっていくのです。

 今使っているのは、軽くて丈夫でカジュアルなナイロンバッグ。
 気に入っているのですが、色や素材が春夏仕様。
 それに正直、素敵か、っていうと…

 なんか秋ですから、もやぁ~っとお洒落なものを求める気持ちも湧いてきて、気づくとネットでバッグを検索しています。
 そうすると、とにかく種類と数が多すぎて、見れば見るほどわからなくなっていくという無間地獄に落ちていくのです。

 実店舗に行った方が早い(諦めがつく、ともいう)のだと思いますが、新型感染症流行は私の「デブ症」、もとい「出不精」に拍車をかけまくり、できることならお買い物に行きたくない。

 出かけるためのバッグが欲しいのに出かけないとは矛盾しまくっていますが、実店舗に行くにしても「どんなものが欲しくてどの店にいくか」はあたりをつけていかないと大変なことになります。

 昔は、お店で思いがけない出会いをするのもお買い物の楽しみのひとつだったんですけどねぇ・・・今はもう、ピンポイントでお店に行って、これください!と言って帰ってきたい。

 実際、軽いナイロンバッグを検索すると「おばさん バッグ」という若干侮蔑的な検索ワードがずらり。

 年齢が行くと軽いバッグを求めがちなのはもちろん仕方のないこと。
 感染症流行以来、ちょっとしたスプレーでシミができてしまう重厚な革製品よりも、サッと拭いたりできるナイロン等の、扱いが楽なバッグに目が行きます。

 そもそも足元も、できる限り負担を軽減した靴に移行していますので、ヒールよりはゴッツイ系(コンフォート・アウトドア系)に向かってしまいます。そうなると自然、バッグもゴッツイ系に向かっていくのです。

 私は若いころもたいしてフェミニンな装いはしていなかったので、ヒールにデコラティブ&繊細バッグといった感じを求めているわけではありません。かといってミスターマーチンとラッキーストライクが似合うロックテイストな感じでもありませんでしたので、いまさらハードな感じを求めるわけでもありません。

 今の私の装いの中心は「シュフは猫も杓子もボーダーカットソー」という通り、絵にかいたような横縞系。
 ほんと、バスクシャツやボーダーはもうやめようと思うのですが、便利なのでついつい着てしまう恐ろしいシロモノです。
 さすが海軍マリンナショナーレの力、家事にはぴったり。
 出かけるときは、家の中で履いていたデニムやスウェットを脱いでスカートを履くだけ。

 なんかうまい具合に、今の自分と折り合いの付く素敵バッグはないものだろうか。

 バッグはTPOで変えた方がいいのは重々承知。でも、もう何個もバッグを買うような経済的余裕も時間も置いておける家の隙間もありません。

 断捨離をすすめて極限までバッグを減らした結果、今のバッグと旅行バッグ、冠婚葬祭用とトートバッグ中・小サイズ2個(カジュアル)に落ち着いています。

 本当はもっと減らしたい。
 減らしたいのに欲しいとはこれまた矛盾していますが、この、エコでエシカルでサスティナブルな時代に相応しい、1個で10役くらいができる北島マヤのようなバッグが欲しいのです。

 ちょっと見おしゃれで
 高くはないけど安っぽくみえなくて
 日常にも旅行にも使えて
 学校行事にも持っていけて
 季節感関係なく
 軽いけどペラペラではなく丈夫で
 内容量はばっちりだけど大きすぎず
 雨にも風にも直射日光にも耐え
 できたら肩にもかけられる
 そんなバッグが、私は欲しい


 こんな月影先生がお店に来たら、あなたが店員さんならどのようなバッグをおススメしてくれるでしょうか。

 遠くから、そんなのないわ!という声が聞こえてきそうですが、もし「恐ろしい子!」と思う北島マヤがいましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。





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