美しさとあたたかさ
ひとを救うのはこの二つだとおもう。
美しいものは一瞬で本質に立ち返らせるちからをもつ。
あたたかさは、即座に生命力をよみがえらせる。
どちらも本質でないものを、見極め、自然に断ち切るちからをもつ。
実際のところ、次元の高いものほど微かで繊細なため、その反対の質ほど現実的な引力は強くなりがちではある。
「真善美」のなかで、真と善はごまかすことはできても、
美だけは絶対にごまかしがきかないと聞いたことがある。
繊細な美は、本物しか表現できないのだと。
それは、直観と感性だけが、認識できる世界でもある。
偽善という言葉があるが、「いいひと」と言われるひとの現実の行為、行動に繊細さと美しさがなければそれは違うのだ。
重さと濁りがあれば、それは善などではない。
平然と他者の世界に踏み込み、求めていないのに影響を与えようとする行為は愚鈍で粗雑な感性がなせることである。
他者を、その自由意志を尊重するという「美しいおもい」が自然に境界線を引く。
理解や共感は自然に「起こる」ものであり、一方的に求めるものではない。
美とは直観と感性だけが、認識できる世界である。
美しさと温かさによってのみ、人はストレートに別パラレルに引き上げられて救われる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?