可愛い自分には言い訳が必要〜Tik TokとIDOL SONG〜
こんばんは。服飾大学で出会った「みっぽ」と「キキ」がサブカル的な態度でコンテンツについて対談形式で語る「サブカル女子って呼ばないで」です。
実在するアイドルたちのキャッチコピーの引用で構成される、大森靖子さんの『IDOL SONG』という曲。これが少し前からTik Tok上で流行っていて、女の子たちの可愛い自撮り動画に合わせて投稿されています。
今回はこの状況についてサブカル的に解釈しつつ、この曲と女の子たちの自己顕示欲の関連なんかについて語ってみました。
■アピールするための言葉と動画
みっぽ この曲、「360°どこから見てもアイドル(星名美怜/私立恵比寿中学)」とか「ぷにっぷにー?ぴちっぴちでしょ(佐々木彩夏/ももいろクローバーZ)」とか、色んなグループのアイドルのキャッチコピーや発言の引用で作られているんだよね。
キキ これがTik Tokで流行っているのを知ったとき、言葉が本来の目的通り使われている感じがしてなんだかすごくグッときた〜。
自分自身が商品であるアイドルが自分をアピールするための言葉たちと、盛れている自撮り動画っていう組み合わせがすごくいい。目的と使い方がカチッとはまっている感じがする。
みっぽ わかる!それ、靖子ちゃん自身もTwitterで言及していたよね。
みっぽ 被写体ブームってあったじゃん?そのあとに自撮りの方が支持されている現状、わたし的にすごく好きなんだけど・・・。
自分で自分のどこを切り取るべきか分かっているのってすごくない?盛れるアプリが広まったから、今のTik Tokがあると思ってる。
キキ 最近なんか、自撮りが可愛いということが正義になってきているもんね。ちょっと前は「実物はブス」っていうマイナス表現だったのが、最近は「自撮りが可愛い」っていうプラス表現になってる。この辺りは、自分で「自撮りは可愛い」と発言したにこるんの功績とかもありそうね。
■Tik Tokは「盛る」ためのアプリ
キキ この前ニュース番組か何かでTik Tokが流行っていることについて「今の若者はダンスが体育の必修になって、踊ることに抵抗がなくなったからだ」みたいなことを言っていて思わず笑ってしまったんだけど、単純に「とにかく盛れる」ことが何よりの理由だと思うのよね。もちろんタイムラインのアルゴリズムとか、すごいところは他にも沢山あるんだけど。
みっぽ ダンス必修化は直接的な理由じゃないだろうね笑「とにかく盛れる」は見ててもすごく思うよね。男の子も含めてみんな自然に盛れてる。SNOWとかSnapchatみたいな犬のスタンプとかを使っている子も少ないイメージ。
キキ この前記事で読んだんだけど、ドアロックとか一般的に使われる顔認証の特徴点抽出が70箇所弱なのに対して、Tik Tokは撮影時常に106箇所抽出しているんだって。だから踊っても、突然近づいても全然盛るフィルターが外れない。
みっぽ なにそれすごい・・・。本格的に「盛るためのアプリ」じゃんね。
■「可愛い自分」には言い訳が必要
みっぽ それを聞くとやっぱり、Tik TokはSNOWとかと根本的には同じなんじゃないかと思う。犬とか宇宙人とかの面白いフィルターを言い訳にして盛れている自分をアップするのがSNOW、ダンスを言い訳にして盛れている自分をアップするのがTik Tokって感じ。
キキ それすごくしっくりくる。「自分の可愛い写真/動画を見て欲しい」っていう素直な気持ちを隠す言い訳が必要なんだよね。なんかちょっと寂しいけど。
みっぽ 可愛いって認められたいことに対して言い訳が必要なのはなんだか寂しいね。アイドルのキャッチコピーって数文字で可愛いが表現されていて、それを凝縮したIDOL SONGという曲を使って自分の可愛いを発信するってものすごくしっくりはまっていて、サブカル的にグッとくるね笑
キキ ものすごく遠回りになっちゃったけど、ちゃんと言いたかったことに戻ってこれたね笑
みっぽ 最後は靖子ちゃんのおはようツイートで締めくくろうか笑
キキ それからIDOL SONGも笑