ラムネを包んだセロハンを透かして、ずっと空を見ているような子供だった
小さな頃、近所のお菓子屋さんに、セロハンに包まれたラムネが売っていました。
五百円玉くらいの大きさで、真ん中が凹んだラムネ。
それが5つか6つ、セロハンに包まれていて、色は赤、青、ピンク、緑や黄色もあったような気がします。
わたしは、そのラムネが大好きで、お菓子屋さんに行くと必ず買ってもらっていました。
お洗濯物を干していて空を見たら、なんだかとても懐かしくなってしまったので……。
今日は、そのラムネにまつわるお話を。
ラムネを食べ終わると、セロハンのしわを丁寧に丁寧に伸ばします。
セロハン越しに世界を見るためです。
両手でピンと張って、目の前にかざすと、全てのものがセロハンの色に染まります。
空も木も、お隣の家の屋根瓦も、目に映るあらゆるものがピンクや青に染まった世界は、わたしをいつも、ここではないどこかに連れて行ってくれました。
わたしのいちばんのお気に入りは、ピンク色。
何だかほんわりとして心が浮き立つようなそんな気持ちにさせてくれるから。
「バラ色のめがね」なんて言葉を知るのは、それからもっともっと後のことでしたが、確かにあれは、わたしにとっての「バラ色のめがね」でした。
お母さんの「いじわる」スイッチが入った時も、優しいお父さんが「らんぼう」になった時でも、セロハンの眼鏡は、わたしをそこから連れ出してくれました。
もうずいぶん大人になって、わたしはようやく、ちゃんと自分を生きられるようになったから、セロハンの眼鏡がなくても、もう大丈夫。
でも、時々、懐かしくなるんですよね。
ピンクの空。青い家。黄色い窓。あのカラフルなセロハン色の小さな世界が。
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今も、あのラムネはあるのかしら?
気になったので、調べてみたら……
ありました!
セロハンの色は記憶と違いますが、そうそう、こんな感じでした。
懐かしいわぁ。
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今日のお弁当です
卵焼き
豚の生姜焼き
きんぴらごぼう
ブロッコリーの昆布茶和え
白いんげんと小豆の甘煮
味噌漬け生姜
五穀米と梅干し、ごま塩
うん、やっぱり茶色いですね(笑)
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今日もお弁当を受け取ってくださってありがとうございます。
また、あなたにお目にかかれますように🍀