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外遊び
子どもの頃の外遊び、
晴れの日、雨の日、風の日、雪の日、霧の日、どの天気の日も外に出て、
命を育てる土、火(光)、風、水、を身体で感じて、
子ども達は無意識に気づきを得ます。
大気圏内を循環する風は、昔の方々の息や様々な思いを含んで私たちに何か伝えている時がある?って思うことあります。
子ども達は大概虫好きで、アリや蜘蛛が動く様子を夢中で見つめています。
小さな虫がいて、その虫を食べる鳥がいて、鳥の糞が種子を運び、植物が繁茂し、その植物を食べる動物がいて、その動物たちがいる事で土や森や川が豊かになり、森が豊かになることで、水が濾過され海に流れ、海が蒸発して雲を作り、雨になり、雨が降ることで作物が育ち、水を供給してくれる、という繋がり。
子どもは生まれたばかりの時、自他の区別がありません。自分の手さえ、それは自分?という感覚。あれ、これはなんだ?と足を噛んでみたり、手を動かしたりして確かめています。身体と意識が、まだ繋がっていません。身体と意識がまだバラバラなんです。 その頃、子どもは動物と似ていて、環境に対しても共感しかありません。 周囲のもの全てに親しみを持って接します。 全てが自分という感覚から始まり、だから試す気持ちでなんでも舐める、そうすることで噛んでも自分のどこも変化しない、と感じ、段々と自分とそうでないものを区別していきます。 そうして少しずつ地球という環境に慣れていきますし、地球という環境の概念を形成していきます。 ある時排泄、という体の機能に意識が及び、そうなのか、何やら水のようなものが体から出るんだな、、、あれ?それはこういう感覚がした時、出るんだな、、、というように、段々だんだんと身体と意識が繋がり、納得しながら成長しています。
土、水、光、風に触れることで自分の身体を確かめ、木や草、虫や鳥、動物達の息吹きを感じながら、歩き、発見し、耳を澄まして、味わう、
以前、こんなことがありました。
3歳〜4歳の元気な男の子、通称悪ガキ3人、一緒にいると喧嘩するのに室内でも外でも一緒に、、、
んん? そういえば彼らが室内で遊んでいた風景が思い出せない、、
そうだ、彼らを室内にとどまらせるとはちゃめちゃになるんで、担任の先生が3人のうち誰か1人は他のクラスが外で遊んでいる時にそのクラスに入れてもらっていたんだ。
そんなライバル心ムキムキで、会えば火花の散る3人と、ある時学校の敷地内の冒険に出かけることに。
学校の敷地には幼稚園から中学校までがあって、校庭は幼稚園用に2つ、小中学生用に大きなグラウンドが1つ、校舎は平屋でどの教室の前にもそれぞれの庭があって野菜や花を育てていたりコンポストがありました。ある教室の前にクラウンフラワーと言ってモナーク蝶の幼虫が食べる葉を繁らせる低木があり、その日はそこに行きました。
3人は最初、恐る恐る幼虫を見ていたものの、そのうちの誰かが幼虫に触るとその内他の子達も次々に触り始め、手や腕に乗せられるようになり、手一杯に幼虫を乗せてじーっと眺める、と、1人が、
"He loves me!" となんとも柔らかい瞳で私に訴え、
その場所をなかなか離れ難くなってしまった。
やっと別れを告げ、みんな元いた葉っぱに戻してあげました。
目を凝らして幼虫を見つけ、自分たちの指で柔らかい体を潰さないように捕まえて手のひらに乗せ、動きをじっと見つめ、木に戻そうとするとなかなか離れようとしない虫の脚の動きを感じ、
ただ虫だけを見つめる単純で透明な時間で、私もなんだか一緒になってその時間に没頭してまった。
以前日本語補修校の幼稚部にいた頃にも似たことがありました。
ある日教室にモナーク蝶の幼虫を虫かごに入れて持っていくと、みんなが珍しそうに箱の外から眺めました。
そのうちわんぱくな男の子がその籠を手に持ってブルンブルン回し始めた。
あちゃー、まったく、、、
ところが、そのわんぱく坊主が家で幼虫を飼い始め、無事に羽化し、
でもなかなか外に逃してあげられない彼にお父さんは自然に返さなきゃだめだ!と厳しく言ったそうです。
すると彼はお母さんに
「雨の日はどうするの?羽が濡れたら飛べなくなっちゃんじゃない?」
と聞いたそうです。
小さな生き物との出会いは、瞬時に彼らを何処か違う世界に連れて行ってしまったのではと感じました。
それは虫であったり、絵本だったり、ままごとだったり、走ることだったり、絵を描くことだったり、その子によってそれぞれあるんだろうな〜と思います。
外はとにかくリアル、な事が魅力です。 自然の中に動くものがいる!というのを発見するだけで、なぜあんなにも心が躍るのだろう。
生き物がいる、ただそれだけでワクワクして、そして安心する。
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