ドラマで勉強(庚申・3猿)
「やぁ」と爽やかに登場する「花○ ○←一文字」の名前の人はいけすかない奴だと思っている。
3周ほど回って良き理解者になる感じ(あくまで個人的意見)
「寅に翼」19話は「おとこ」が連発しました。
「男」と「漢」
音は同じ「おとこ」でも漢字が違うと意味も異なる。
男女差別を扱うドラマですが「おとこ」にも違いがあるのだ。
そして心根に性差はない。
上手なセリフ使いだな、と思いました。
言葉は大切なのだ。
「光る君へ」第12話で「庚申待(庚申講)」の夜が描かれていました。
まひろと道長が「自分たちはリアルにおは結ばれない」と悟った夜。
お互いが生き方を示すことで違う形の結びを選択した日でもありました。
十干(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)
一二支(子牛寅卯辰巳午羊申酉戌亥)
十干は「10」を数えるもの。
月の最初の10日が上旬、次の10日が中旬、最後の10日が下旬みたいな単位です。
一二支は「12」の単位。
12ヶ月を表します。
この2つを日毎に組み合わせたものが干支。
「庚申の日」は年に6、7回あります。
専門外なので、勉強したことを自分用にメモ。
庚(かのえ)
グラグラとして纏まりがない気。
変化や更新することでぐずぐずしてだらしない・気まま・色情という意味に繋がります。
陰陽五行だと金性の陽。
陰陽の陽は兄(え)、陰は弟(と)。
金(か)の兄(え)
甲(さる)
愛嬌があり警戒心を持たれない性質。
陰陽五行だと金性。
「庚申の日」は庚も申も金性なので天も地も世界が金でキラキラ。
逆に人の心が冷たくなりやすい、ギスギスし易いと捉えられていたとか。
庚申待・庚申講(庚申待ち信仰)
起源は道教。
不老長寿を目指す信仰です。
日本では平安時代に庚申待ち信仰が広まったそうです。
人間の頭と内臓と足には3つの蟲がいて、その人の悪事を監視している。
3つの蟲を三尸(さんし)と呼ぶ。
三尸は庚申の日の夜、人が寝ている間に天に登り、天帝に日頃の行いを報告する。
悪い行いをしていると罰が当たる(早死にする)と信じられていた。
庚申の日は宿に村人が集まり、本尊である青面金剛(しょうめんこんごう)を祀り、身を慎み徹夜をしながら三尸が天帝に告げ口をしないよう見張った。
道教では静かに過ごすように説かれているが、日本では酒盛りや双六など、ワイワイと過ごしていた。
三尸は上尸・中尸・下尸の3種類。
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上尸:道士の姿で頭部に棲んで毛髪を白くし、視力を減じる
中尸:獣の姿で五臓を破損する
下尸:牛頭に人の足の姿で脚部に住しその精力を奪って生命を害する
大きさはどれも約6㎝程度。
三尸は甲(さる)=猿で青面金剛の神使になっています。
「見ざる・言わざる・聞かざる」で目・口・耳。
天帝に伝わらないように手で体の出口(穴)を塞ぎ、謹慎の態度を表します。
トートにも三猿が描かれていますよ。
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言わざる🙊、聞かざる🙉、見ざる
「長話は庚申の夜に」と言われ、いわゆる「寄り合い」的な使われ方をしていたようです。
禁忌は
男女が交わってはいけない。
夜行や結髪をしてはいけない。
金属を身につけてはいけない。
この夜に子供が出来ると盗人か体が不自由になる、と言われていた。
子供を作らない為に交わってはいけない。
ドラマだと道長と倫子様が結ばれた日ですよ。
1つめの禁忌を冒してしまっているじゃないですか!
ググったら道長は享年62歳、倫子は90歳。
短命では無さそうですが、ドラマの伏線になるのでしょうか。
江戸時代には全国規模で広まり庚申塔が造立されました。
庚申塔は道祖神とも習合して集落の境や高台など祀られました。
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ご利益は主に豊穣、無病息災、悪疫退散、子孫繁栄です。
2024年の庚申の日は以下の通り。
2月26日(月)
4月26日(金)
6月25日(火)
8月24日(土)
10月23日(水)
12月22日(日)
ちなみに今日・2024年4月25日は己羊、明日が「庚申の日」です。
金曜日だし、仲間とワイワイ徹夜で飲んでみてもいいかも。
柴又の帝釈天の縁日は庚申の日です。
不老不死は洋の東西関わらず人間の悲願。
道教も錬金術と同じく科学や医術に結びついているようです。
3猿は論語由来という説もあります。
論語は285年に日本に伝わっています。
「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」
悪いものを見ざる、聞かざる、言わざる、せざる。
本来は4猿。
4匹目の猿は手で股間を押さえている。
「せざる(しない)」は悪い行動をしない、でもありますが性欲(欲望)を抑える意味でもあるみたい。
日本で3猿が多いのは見た目があれなのと、4=死なので省かれた、という説があります。
3猿の解釈として
1.子どものときは、世の中の悪いことを見たり、聞いたり、言ったりしないで、素直なまま育ちなさい説。
2.大人の処世術として余計な事は見たり聞いたりしても、むやみに他人に言ってはいけないと言う戒め説。
「Prince of Sword」は最初の説っぽいですね。
3猿の起源は古代エジプトとも言われています。
メンフィス神学の理念「正義」=「正しくないことは見るな、聞くな、考えるな、口に出すな」という教えを具現化したもの説。
昔から世界各地で3猿(4猿)は存在したようです。
猿の代わりにヒヒの場合もあります。
クロウリーさんはアジアの文化にも詳しいです(ヨガや易など)。
エジプトで「法の書」の元になる啓示を受けたのが1904年。
英語では「Three wise monkeys」
3匹の賢い猿。
イギリスで1900年頃に広まり、第一次世界大戦時にはラッキーアイテムとして3猿のチャームが流行したそうです。
母国でもエジプトでもアジアでも3猿に遭遇したのかもしれませんね。