「ゼロの時間」の必要性:タロット「0番」
たまにはタロット占い師らしくタロットの話。
こちらはブログからの転記です。
沢山のタロットデッキがありますが、「0番」は作者が一番力を入れるところでしょう。
アテュ(大アルカナ)の順番も遡ると色々な考え方があります。
トート版は「0・1・2…」ですし、多くのカードが「0番」始まり。
「0番」は残りの77枚を引っ張るもので、デッキの特攻隊長であり作戦司令本部でもある。「このタロットデッキはこういうポリシーで作ったのだ」を主張するカード。
「0番」を比べるだけでも楽しいと思います。
現在のタロットの基本形であるマルセイユ版は浮浪者&道化師のミックス。
魔術系タロットに影響を与えたオスヴァルト・ヴィルト版もマルセイユ系。
愚者に噛みついているのは犬より猫っぽいですね。
現代の魔術理論を元となっている魔術結社ゴールデン・ドーン版はガラッと雰囲気が違う。
金色のバラを手に取るピュアピュアな赤ちゃん。この赤ちゃんは対応しているヘブライ語アレフאを表現しているそうです。
アレフאはヘブライ文字のアルファベットでは最初の文字(英語ならA)ですが、発音が無いらしいです。
文字としてあるけど、音としてない=いるけど、見えない=神。
聖書の冒頭「初めに神は天地を創造された」の最初の文字、神様の第一声はベスבְּ(英語のB)
בְּרֵאשִׁית בָּרָא אֱלֹהִים אֵת הַשָּׁמַיִם וְאֵת הָאָֽרֶץ(右から読む)
敢えて”神”のアレフを隠した、”神”は隠されている、という説もあるそうです。
ゴールデンドーン版の絵は
「始まりも終わりもなく、昼も夜もなく、新生児よりも若く、光よりも明るく、闇よりも暗く、全ての生き物を超えた神」
を表現しているらしい。
からの、現在最も使われているライダー版。
ボロッぽい衣装ですが、意外と小洒落ているかも。
一般的には「若者が旅に出る」様子だと言われていますが、それほど気合は入っていない感じ。
久しぶりにジックリ見ましたが、白鳥の湖のジークフリード王子に見えた。
バレエの衣装もブラウスにタイツだし。
初めて会ったオデットの身の上に涙し、愛を誓ってプロポーズし、まんまと悪魔に騙されてしまうピュアな王子様。
トート版はかなりイっちゃっている顔をしたディオニソス神です。
レッスンで「0番」のイメージを語り合い、生徒さんと「これだね!」で話が落ち着きました。
海賊王におれはなる!!!
この時点でルフィは何者でもない。
小さな船だけがある。
ゴムゴムの実を食べたので泳ぐことも出来ない。
ただの威勢の良いガキ。
久しぶりに読み返したけど、ゴムゴムの実を食べる前からカナヅチだったんだ。
まずは仲間集めだ。
10人は欲しいなぁ!!
海賊旗もいるな!!
よっしゃいくぞ!!!
海賊王におれはなる!!!
どーん!!
から物語が動き始めるのです。
ト書きには
まだ見ぬ彼の仲間たちを巻き込まんと
小さな船は海をゆく
かくして大いなる旅は始まったのだ!!!
!!!
ばっかりですね。
「勢いはある、やる気はある」のワンドっぽい。
つまり「言葉にならない気持ち」の表現ですよね。
トート版はどーん!!!よりもバーン!!!な感じでしょうか。
「0番」は何者でもなく、何も持っていない。
過去もなく、あるのは可能性と未来だけ。
ルフィは取り敢えず、海賊王になる最低アイテムの船だけ手に入れて海に出ました。
海賊王になるルートもなり方も考えていないし、そもそも航海図が読めない。
アホと言われてもしょうがない。
すっごいポジティブで無敵カードだけど、大人の私たちがどーん!!!するのは勇気が要ります。
このカードが出たら「持っているものを置いて、やりたい方向に進んでみよう」です。
例えば転職なら「今までの経験を活かして」と考えず、未経験だけどやりたいことを選ぶ。
何かを持ちつつ
どーん!!!
するから難しい。
大きく方向転換をする時は「ゼロの時間」を入れるといいです。
無職で何者でもない期間、失うものがない状態をを挟むとどーん!!!しやすくなります。
とは言え、生活をする上で危機管理も大切。
人生の中で思いがけずゼロの時間が出来る時があります。
小さなことから、出来ることから、持てるものから始め、良い波がくるまで続けてみる。
ディオニソスはギリシャ神話のオリュンポスの12柱に入る場合もあります。(外されている場合もある)
ディオニソスのお供は虎と決まっています。
虎はインド、インドネシア、中国辺りに生息するアジアの生き物。
つまりギリシャやエジプトには居ない動物です。
豹と間違われた説もあります。
ちゃっかりギリシャ神話に紛れ込んでいるけど、実は異質な神様です。
なので異質な者として違う世界に入り込む。
異質なまま堂々としていれば周りの目が慣れます。
ワンピースを読めばわかりますが、冒険の物語です。
「0番」も同じ。
「旅行」ではないんですね。
旅行ならば色々な下準備をして、必要な荷物を用意し、日程なども組むでしょう。
冒険でキャリーケースをゴロゴロ転がしているイメージは湧かないと思います。
ムーミンのスナフキン、男はつらいよの寅さん同様。
何も持たず、フラフラと生きている。
しかし、そんなフーテンが唯一持っているのは思想というかや生き方、信念みたいなものでしょうか。それらは自分の中にある。だから彼らには持ち物は要らない。
持たざる者として描かれています。
ちょっと宣伝。
現在、2つのレッスンを並行していますが「並行出来るのは3つまで」でした。
あと一人、スタート可能です。
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