お前らにはマケナイ。

私はまだ青くて、戦いを挑まれたら応戦してしまう。

絶対に負けたくないのだ。

私はよくそれを「アスリートだから」と言い訳する。

負けたくない。

地団駄踏みたいときもあるが、
「女はやはり感情的だ」と揶揄されかねないから
数を撃たないだけだ。

同じ土俵に立てないことを分かっているからこそ
その下駄の不安定な部分を本気で狙って転ばそうと
じっと機会を伺ってるだけだ。

ここぞという一撃を食らわすために
今は観察しているのだ。

稚拙な奴相手にバカな真似はしない。
頭脳で勝ち取るんだ。

お前らは所詮、
金や権力で周りからチヤホヤされている
だけなんだろう。


私は違う。


水泳一家に生まれた私だったが

私だけの力で勝ち取った学年マラソン大会1位の姿を見て

「美桜ちゃんのファンになりました」と握手を求めた
誰かの母親は確かにいた。


私のセンスで勝ち得た英語力を使って行ったスピーチを見て

「私、美桜さんと同じ高校に入っちゃいました。人生変えられちゃいました。」
と言った彼女を私は忘れない。


お前らがどれだけ下駄を履いて人を騙そうと

私には彼女たちがいたんだ。

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