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今日の介護 物忘れ外来への付き添い
“介護”というキーワードで探して、
最初に目に飛び込んで来たイラストを
使わせていただくことにした。
“重くならない介護”をイメージして描かれたとのこと。
私のしている介護など、
序の口だと分かっている。
だけど気持ちはずっしり重たい。
晩婚の両親、さらに晩婚の私
二代続けてある程度身体は頑丈、
ありがたいことに高年齢出産もできた。
ただ、結婚が遅かったツケが回って、
目下私は、90近い両親、まだ中学生の娘と同居中だ。
否応なく。
しかもシングルマザー。
しかも、両親はそれをありがた迷惑のように言う。
それが今の私達だ。
今日は父の“物忘れ外来”受診に付き添った。
母が退院以来歩行が不安定な為、交代した。
父は迷うことなく再診受付の機械に向かう。
足取りもしっかり。
しかし、画面には保険証が無効だと表示された。
有人の受付に行くと、保険証は期限が切れていると指摘された。
なぜかキチンと揃えて二枚もあり、
もう一枚も期限切れ。
私が父にかわり鞄を探すと、全く別のファイルから、ようやく期限内の保険証が見つかった。
古いもの二枚は没収、処分することを伝えた。
帰り際、
私は職場から電話があり
話している間に父は精算機の列に並んだ。
平日の午前中だけに、患者さんは2台それぞれに4.5人並んでいた。
父の番は間もなくだったが、
数分経ってもその場から動かない。
受付の方を呼び、画面を見て貰い
しかめ面で首を傾げている。
電話を切り上げ、私も急ぎ近くに行った。
何かエラーらしいんだ、カードが入ったままだ。
全くなんだって言うんだ。
父は怒った口調で言った。
本当?私は疑う。
父は私を睨んだ。
受付の方が小走りにキーを取りに行き、機械を開けた。
ちらっと振り返ると、列は10人以上に増えている。
直ぐに父が入れたクレジットカードが出て来た。
お札の受け取り口から。
要は、クレジットカードを、カードの挿入口ではなくお札の挿入口に入れたらしい。
機械は無事だった。
私は受付の方、並んでいた人達に頭を下げた。
帰宅後、父は軽い口調で母に言った。
なんだかエラーで、随分待たされたんだ。
なに、その脳内変換!
私は思う。
母は入退院後に急激に衰え、
私達の出掛けには
昼食は別に買って来なくていい、心配ないと言っていたが
あら、何もしていないわ、とぼんやり言った。
私は昼食の支度をした。
医師曰く、父の症状はごく軽度だと言う。
ひとまず、父について医師と相談はできた。
次は母のことだ。
私は両親とはやはり別居したい。
まずは二人に必要なことはしてから。
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