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これは私。 「昼逃げ」に思うこと


実子誘拐、昼逃げという言葉がある。


逃げられた方は、ある日、今まで当たり前にいた家族を失うのだ。
妻が子連れで出て行くなんて、近所でも職場でも、社会的な体面はさぞかし傷つくことだろう。 
あいつはヤバい、と誰もが噂しているように思えるかもしれない。

帰宅すれば真っ暗。
誰にも労わられない。
当たり前に出て来た食事も無い。
体調が悪くても、コロナに罹っても、一人。

そこで、実子誘拐などという文言をネットで見つけたら。
没入するのはごくごく簡単なことだったのだろう。
仲間内にいかにも暴力的で怪しげな人物がいようとも。
何しろ、自らが家庭を壊したことを認めなくてもいいのだから
あくまでも私の考えだが。

では、逃げた方はどうか。


その場を離れる決断とは、
今まで築いてきた生活基盤を捨てなくてはいけないということ。
子育て中なら、暮らしていた場所での母子の友達、ネットワークを失う。
母子手当の乏しさ、
収入が増えれば一円単位で削られ、
それすら別居中は受け取れない。
離婚調停、訴訟中でも、ひとり親としては認めて貰えない。
そんな見通しの立たない不安定さ、
一人で全てをしていかなくてはらならない困難、それらが見えていても、進まなくてはいけない。

妻が逃げ出すに至るまで、相手は家族に何をしたのか。
それが、逃げた側の叫びだ。
その決断に、
自己責任、昼逃げ、実子誘拐などという、一方にだけ都合の良い言葉を、乱暴にそれこそ暴力的にぶつけられていいはずがない。

こうして互いに「おまいう」の応酬が激しくなり、
いわゆる泥沼離婚となったのが、我が家だ。
我が家だけなのか、
そうではなさそう。


この出口のない諍いに再び子を巻き込むのが、共同親権。
 

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